2021年夏の補強第一号 クン･アグエロ

2023年までの2年契約でサインしたアルゼンチン人デランテロ
小さな頃からの目標が現実となった喜びを語る

資金繰りに苦しむFCバルセロナが、この夏進めている移籍金不要の補強計画 “オペレーション･ローコスト”。その1人目となるアルゼンチン人デランテロ、セルヒオ･クン･アグエロ（明日33歳）の入団会見が昨日カンプノウにて行われました。契約期間は2年間、契約解除金は1億ユーロ。入団したからには、活躍を願うこととしましょう。

慌ただしいバルサ初日

クン･アグエロのバルサ入団初日は、慌ただしく過ぎていきました。惜しくも敗れたチャンピオンズ決勝から2日後、コパ･アメリカの準備をしている代表チームの元へと向かう、その合間をぬってプレゼンが行われたからです。

アグエロは5月30日夜、バルセロナに到着しています。その翌日は慌ただしく、朝のメディカルチェックの後、バルサは現地16時にデランテロ獲得を公式発表すると、わずか2時間後に入団プレゼンテーション。儀式を終えた後は空港に待機するプライベート機に乗り、メッシたちの待つアルゼンチンへと出発しています。お昼の自由時間には、新居予定地を見に行ったりもしているようです。

それでもさすがは経験豊富なだけあり、表情にはゆとりがあり、キャリアの大目標のひとつが達成されたことを楽しんでいるのが見て取れます。

アグエロの映像を見ての雑感は･･･
●がっちりしている（バルサ選手より筋肉量が多い）
●よい面構え
●意外と優しい声^^
●グラウンドでの記念撮影に2020/21シーズンのユニフォーム（いつもは翌シーズンのものを着用する）
●背番号はなしで、KUN AGUERO
●恒例のリフティングもなし
●7月を待たずに入団プレゼンしちゃうんだ
●おっ、公式カメラマンさんが使うストロボはプロフォトかな

アグエロ獲得のウワサ話が出た時から、ロナルド･クーマンは彼のようなデランテロを望んではいないと言われてきましたし、それでも獲得するということはフロント主導でのレオ･メッシへのウィンクなんでしょう。メッシがアグエロを要求したというのではなく、レオとの契約延長を熱望するラポルタたちの思惑絡みの補強の匂いが強い。あとはもちろん、移籍金がゼロである点です。

マーケットに突撃する資金のない今夏のバルセロナは、移籍金ゼロの補強オペレーションを進めています。アグエロに続いて、今日6月1日にはエリック･ガルシアの入団が正式発表。近々ワイナルドゥム、そしてクーマン続投が決まればデパイとの契約も発表されるでしょう。
通常であれば、入団発表は6月以前であってもプレゼンテーションは年度替わり（7月）を待つところを、さっさと片付けてしまえるのも移籍金が不要だからか。まあなんでもいいんですけれど。

シティの伝説選手が、移籍金ゼロ＋給与半減で契約できる。これはたしかにマーケットチャンスです。
しかし明日で33歳を迎えるクン･アグエロなので、たとえば夢のハーランドのように、新時代のバルサの土台になる補強ではない。今のための補強で、親友ルイス･スアレスが去ってピッチ内外で寂しいメッシが、これで幸せになればクレとしても幸せだけれどね･･･ フリー移籍のベテランデランテロといえばエンリク･ラルソンさんなので、いぶし銀の活躍を期待しますか。実績は十分すぎる。良いやつなのも間違いない。監督がんばれ。

小さな頃からの夢が叶った

入団会見におけるセルヒオ･アグエロのコメントをいくつか。

バルサ加入の喜び
「すごく嬉しいよ。僕が来るための手助けをしてくれた、ラポルタやチームの全員に感謝してる。クラブのためにベストを尽くし、チームが大きなタイトルを勝ち取る手助けをしていきたい。ものすごく嬉しいんだ。小さな頃から、僕にとってバルセロナは世界最高のチームだったから。今もそうだよ」

「ラポルタにも言ったんだけれど、小さな頃の僕は、いつかきっとバルサが僕に注目するぞって言ってたんだ。そしていま僕はここにいる。想像はしていなかったし、こんなチャンスが訪れたら、どんな選手も走ってやってくるさ」

クーマンについて
「監督の件は僕の問題じゃない。クラブが最良の決定をするだろう。僕には意見する権利はないしね。クーマンとは話していないよ」

レオ･メッシの去就
「一緒にプレーするのを期待しているけれど、ラポルタが言ったように、僕らはずっと前から交渉をしてきたからね。レオとクラブが決断を下すさ。彼とプレーできるのは喜びであり、誇りだ。僕らは若い頃から代表チームで一緒だったし、お互いをとてもよく知っている。もし彼が残るのであれば、僕はそうだと思っているけど、僕らはクラブのために全力を尽くしていくだろう」

「メッシとは毎日話をしてる。内容は言えないけれどね。彼は僕を祝ってくれたんだ。僕らはお互いを熟知しているし、毎日一緒にトレーニングできれば、すべてはもっと容易になるだろうね」

バルサでの役割
「僕の役割は、まずは良いプレシーズンを送ることだよ。僕が試合に出るかどうかは、監督が決めることだ。自分がレギュラーでなければならないとか、全然考えていない。レギュラーは勝ち取るものだからね」