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若手が違いを示すのは「ポジティブでありネガティブ」:クラックたちに引っ張ってほしい

またも勝ちきれなかったパンプローナでのオサスナ戦後。試合で際立っていたのはニコガビ、そしてアブデといった若者たちでした。将来性のある若手選手が出てくるのは喜ばしいこと、それは間違いないのですが、苦境のチームを引っ張るべきは“未来”である彼らではなく“現在”の中心選手たちです。なのでチャビ・エルナンデスの「ポジティブであり同時にネガティブ」との言葉には大いに同意し、忍耐が必要だと改めて思うところです。

10代選手がチームを引っ張る現状

オサスナ戦終了後の会見において、バルサ監督チャビ・エルナンデスは次のようなコメントをしています。チームの得点を決めたのがニコアブデであり(祝・得点デビュー)、一際存在感を出していたのもガビのような10代の若手だった件に関してです。

「違いを示しているのは17〜19歳の若者たちで、これは飲み込むのが難しいことだね。バルサの未来にとってはポジティブであると同時に、ネガティブなことでもある。その理由は彼らが常に素晴らしいパフォーマンスを出せるわけではないからだ。私たちは不安定な状況にいる」

今季のバルサには将来性のある若者たちがたくさん出ていて、それはそれで明るい未来を予感させます。溌剌とした彼らのプレーは、落胆続きのクレにとって一服の清涼剤でもある。エル・サダルでアブデが残した印象は鮮烈でしたし、ニコガビもよかった。年明けのアンスぺドリの復帰も待ちきれません。

しかし若者たちがチームを引っ張り、彼らに頼っている状況が健全かといえばそうではなく、そういった重責は本来、“聖なる牛たち”と呼ばれる中心選手が担うべきものなのです。これでチャンピオンズ出場権獲得であったりヨーロッパリーグ優勝といった目標を達成できるのか。正直、難しそうですよね。

特に貢献不足を感じるのは、チーム給与ランクで上位にいる助っ人選手たちです。ベテランたちもきつい。彼らが一歩前に出なければならないのに、若者たちに頼ってしまっている現状が、前バルトメウ理事会からのスカッド編成の拙さをこれでもかと示しています。

バルサが強かった時代は、特級カンテラーノたちに加えてロナウジーニョエトーデコマスチェラーノ、それに昨日のボカ戦で再デビューしたアルベスら頼れる助っ人が支えていましたから。

一月以降のバルサ

12月15日のバルセロナスポーツ紙は、夏補強の超目玉であるアーリン・ハーランドがメイン話題となっています。
果たしてバルサが争奪戦に勝ち、このクラックと契約できるのか。可能性があるとしても(ライオラ代理人は候補地の一つだと述べている)、実現するためには先立つものを用意しなければならない。
実際のところ、シティやバイエルン、マドリーを蹴ってまでハーランドが現在のバルサを優先するメリットがあるかというと愛以外に無いのですが、誰かを獲るためには売らねばならないのがクラブの現状であり、高値が付く選手を売ってしまう論がなくなることはないでしょう。

その候補となるのが、Ter Stegenフレンキーあたりです。このところの彼らは、期待される本来のパフォーマンスを出せていない。シーズン後半戦で復調し、チームを支える存在となれば放出の噂話も下火になっていくでしょうが、今のままで行ってしまうと分かりません。

放出候補になるのは、給与に見合った働きをしていないと判断される選手です。高給選手ほど、高い貢献度やコミットメントが求められる。普通の話ではあります。

話は少し変わりますが、アブデがこのまま力強く成長していき、先発の座をつかんでいくことになれば、ウスマン・デンベレの交渉にどんな影響があるでしょうか。バルサがアブデに賭けることを選び、1億3,500万ユーロの投資額を見切ってしまえばガラスのフランス人に固執する理由はなくなり、あちらの代理人の目論見も薄れる?アブデはいろいろと注目の選手です。

いずれにせよ、1月以降のバルサは先発の顔ぶれが変化していくことと思います。果たして10代の若手選手に負けてなるかとチームを牽引する選手が出てくるか。出てこないことには、バルサの目標達成は厳しい。助っ人クラック層が圧倒的に不足している今、じゃあ誰がって言うと思い当たらないんですけれどね。。。未来はあるけど、今が乏しい。忍耐が求められるバルセロナです。

コメント

  1. トム より:

    バルサの未来の4選手以外、全てが放出候補になるという噂のチャビバルサ。
    そこで一度、トップチーム登録選手を10段階で評価してみました。背番号順です。
    そんな見方もあるんだくらいに見て頂けると幸いです。

    1.テア   8
    最後尾からゲームを作れるのは、テアがいるからと言っていい。売っちゃダメです。
    2.デスト  3
    前と後ろで便利に使われるも、攻撃力は頭打ち、守備も判断が悪い。成長できるか。
    3.ピケ   7
    経験による安定感は流石だが、スピードの衰えとケガが見えるように。
    4.アラウホ 8
    バルサ守備の希望。守備力は流石で得点能力もある。展開力はまだこれから。
    5.ブスケ  9
    中盤を作るのに必須の存在。
    6.プッチ  3
    先が見えずゲームを作れず、未だ存在感を出せない。
    7.デンベレ 5
    素行不良とケガで大きなマイナスだが、良い時の崩しは流石。ただ安定感と決定力が無い。
    8.アウベス -
    1月までしっかり鍛えて。
    9.デパイ  6
    攻撃を一人任されるも、加入一年目では厳しい。陣容が揃ってからどうなるか。
    10.ファティ 8
    バルサの希望。ケガだけが心配。
    11.デミル  2
    レンタル若手新人に11番を任せたのがそもそもの間違い。まずはBで。
    12.ブライス -
    頑張ってケガ治して。
    13.ネト   5
    テアが戻るまでの繋ぎで頑張ってくれた。チーム方針からおそらく今季でアディオス。
    14.コウチ  2
    タスクである崩しと決定力に問題があり、ゲームメイクもできておらずチームのリズムにも合わない。放出候補。
    15.ラングレ 4
    プレーはポカが多いとは言え無難にこなせる。しかしチャビの求めるメンタリティが無さそう。
    16.ペドリ  6
    無理させずぎてゴメン。良い療養を。
    17.ルーク  2
    緊急補強レンタル選手だが、バルサの求める物を持ってなかった。でも怪我人続出の今は頭数として残るかも。
    18.アルバ  8
    バルサの求める攻守で力のあるSBは、今はアルバだけ。早く戻れますように。
    19.アグエロ -
    引退宣言。お疲れ様でした。もうちょっと見たかったなあ。
    20.セルジ  4
    万能選手なれど、チームが壊れてる今はどこでも中途半端に。優秀な控えだが。
    21.フレンキ 5
    チャビのマンツーマン守備スタイルに戸惑ってる状態。ゲームが作れないBoxToBoxMFのままでは厳しいかも。
    22.ミンゲサ 4
    頑張ってはいるが、能力不足が目立つようになってしまった。SB起用が多いが、本職のCBで使われるとどうか。
    23.ウムティ 1
    給料が高く、能力も試合勘も無く、ミス連発。最優先放出候補。
    24.エリック 4
    展開力はあるがミスが目立ち、CBとしてはフィジカルの無さが隠しきれない。まだ若いので時間が必要。
    26.ペーニャ -
    チーム方針によりネトがいなくなると第二GKになる。一応トップ扱い。

  2. uk より:

    ガビなんかあんなにガムシャラに勝ちに行っているのに、攻め気が見えない先輩たちに苛ついているように見えました。少し前まではそのガビの立場にいたのはフレンキーでしたが、今は呑まれてしまっていることがまた切ない。

    ガムシャラで荒削りな若手を経験でカバーするベテランというのが本来あるべき姿ですが、若手だけが突っ走るのをベテランは後ろで見てる、というような形になってしまっている。

  3. イザナギの目 より:

    クレの中にも色々なクレがいますね笑。凄いポジティブなクレもいるし、クレなのにとにかくバルサをズタズタにしたいクレもいる笑。面白いですね。ハーランドはとにかく炎上します。

  4. エイプリル より:

    難しいですよね。アブデにデンベレのようなポテンシャルがあるかと言われれば、そんなことはないわけで。バルサがよくやる「資質のないカンテラーノに過度な期待を寄せてキャリアを潰す」をやってほしくないという思いがどうしても。リキ・ブッチも移籍先から歓迎してもらえるうちに手放してほしいですが、どうなるんでしょう。逆にペドリ、ガビ、ファティはあらゆる手段を講じて維持してほしいです。
    現状を見ると「カンテラがあれば大丈夫だから!」とやせ我慢で突っ張る手しか残されていないのでは?とも思いますが、じゃあCLの出場権はいらないのかと言われると…。やっぱり前線の補強は欲しいですよね。