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ああ、びっくりした!

 

苦悶のギガクラック映像に凍りついたクレ。

3年連続バロンデオロクラックの世界記録達成祭りになるかも、というベンフィカ戦が、よもや心臓が凍りつくアクシデントの舞台になろうとは・・・ フットボルに怪我は付き物、いかなる選手も決して怪我と無関係ではないと知りながらも、その映像はまさに恐怖そのものでありました。レオ・メッシがヒザを押さえながら、苦悶の表情でグラウンドに倒れこむ。何年か前のチェルシー戦を思い出させるそんな光景を、もう二度と見ずに済むことを願うばかりです。クラブの発表によれば、怪我は単なる打撲。重傷でなくて本当に良かった。

 

フィエスタ気分から一転悪夢へ

寒い寒い年末の、平日の夜にカンプノウへと足を運んだ5万人のファン。彼らの多くはきっと、レオ・メッシの大記録達成の場に居合わせられるかもしれないゾ、と考えて観戦に訪れたことでしょう。必殺のパサドールたちが揃って欠場だったため、可能性は低いだろうと思っていても、運よく歴史的瞬間に遭遇できれば好いというところ。しかしまさか自分が、大きな不安と共にスタジアムを後にするとは想像していなかったに違いありません。テレビ観戦の身としましても、ごく気楽なものでした。

前日からメディアが大注目していたメッシが、先発から外れたことはまあ、予想はできたことといえます。前日のこの欄で”招集されたんだから、先発でしょう”なんて書いていた者としましても、そりゃそうだろうねと納得できます。それでも出来るなら、クラックのプレーは観たい。カンプノウの観客たちもハーフタイム前、メッシコールでティトへのリクエストを出していました。後半すぐにレオがアップを始めると歓声が沸き、58分にラフィーニャと交代で出場の瞬間は、試合で一番の盛り上がりでした。

メッシの登場でバルサは活気付きますが、主力がほとんどいないチームでは彼がゴールするのも容易ではない。そのまま何事もなく試合が終わっても、それはそれでOKでありました。しかし84分、ほぼ最悪の光景がピッチ上に現れます。GKアルトゥルとぶつかりながらもシュートを放ったコンマ数秒後、地面に倒れこむクラック。それまでお気楽ムードだったカンプノウは、瞬時に沈黙に包まれました。実際には自分の聴覚から音が消えた、という方が適当かもしれません。

ゲームはもうその時点で事実上終了。クレはただ、立ってくれレオ、頼む立ってくれ!と祈るだけです。しかしメッシはドクターたちの第一診察を受けた後、救護カートに乗って退場。打撲であってほしいけれども、靭帯をやっちゃっているようにも見え、全世界のクレの不安な1時間少々の始まりとなりました。

 

単なる打撲と確認

通常であればロッカールームで診察を受けて当座の処置を施した後、翌日に精密検査というパターンが多いのですが、メッシはリカルド・プルーナ医師による診察の後、すぐさま精密検査を受けています。ただこの初期診断の段階で靭帯損傷など重傷の可能性はほぼ否定されており、ティトの試合後会見によりますと、「単なる打撲だと思うけれども、他の可能性を消すために詳しい検査をしている」とのことです。クラブもここでまず、怪我が打撲であろうとの発表をしています。

そしてメッシはバルセロナ病院まで行き、MR検査を受けました(カンプノウ内の医療センターでもMR検査はしたらしい)。ここで靭帯などに損傷がないことが改めて確認され、左ヒザの外骨の打撲であると公式に発表されたわけです。その直後、レオ本人もフェイスブックにて「心配と声援ありがとう」のメッセージを送っています。現地バルセロナでは日付がすでに変わっていました。

ということで、クレもほっとひと安心。クラブの発表によれば、これから数日間の回復次第では、日曜日のベティス戦へ出場する可能性もあるらしく。なにはともあれ、軽傷で良かったです。

ちなみにレオ・メッシが怪我らしい怪我をしたのは、約2年3ヶ月ぶりとなります。それは2010年9月19日のアトレチコ戦で、試合終了間際にウイファルシの全く無用なラフタックルで足首を痛めたというもの。そういえばあの時、コノヤロウと憤ったのを覚えています。

 

今回のメッシの負傷は心臓に悪いものでしたが、リスクを出来るかぎり低くしようとした上でのアクシデントですから、誰が悪いというわけでもありません。スタジアムのファンも、テレビの前の視聴者も、全部はダメでも少しはギガクラックのプレーを観たいと思っていましたし、怪我の場面でもあとほんの少しメッシがボールに早く追いつき、バセリーナを決めていれば今頃はお祭りだったわけです。会見でティトが明かしているようにメッシとミスターは試合前に話をし、試合も後半となり、得点できる可能性が減ったところで出場しようと決めていた。「メッシにとっては試合出場はフィジカルトレーニングの一部だ」ともティトは語っています。

ティトはまた「同じ状況がもう一度訪れても、自分はまた同じ決断をするだろう。後悔はしていない」と言っていて、「怪我は練習など、どんな瞬間にも起こりえる」としました。たしかにそのとおり。フットボルの神様が彼らを守ってくれることを祈るばかりです。

 

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