レンタルで成長させたいクラブと、残って学びたい選手と。
カンテラーノを自分たちのチームに置いて学ばせるのか、それとも別のクラブで武者修行させるのがいいのか。これはなかなかに難しい問題でありますし、選手によってベターな選択肢は違ってくるでしょう。例えばジェラール・デウロフェウやラフィーニャにはプリメーラを含む複数のクラブからレンタルの打診があるようですが、ティト・ビラノバの希望によって、お断りをしているといわれています。一方で、より飛躍するためにはレンタルのほうが好いだろうとフロントが考えているらしい一人が、セルジ・ロベルトとなります。
エスパニョールのウワサ
エウセビオ・サクリスタン率いるバルサBの主力であり、大きな将来性を秘めていることは木曜日のコルドバ戦を見ても分かるセルジ・ロベルト。これからどう成長していくのか、じっくりと見ていきたい若者の一人です。けれども彼の場合、この冬にプリメーラのクラブへとレンタルに出し、トップレベルの試合で出番を得ることが今後のためによりプラスになる、とテクニコは考えているそうでして、メディアには先日からレンタル先の有力候補としてエスパニョールの名が挙げられています。同じ街のクラブなので引っ越す必要もなく、ベルドゥやビクトル・サンチェスらバルサ育ちの選手も複数いるというのがその理由のようです。
しかしながらセルジ・ロベルトはコルドバ戦にて左太ももを負傷し、復帰にはおよそ4週間が必要と見られています。それによってこの冬のレンタル移籍は可能性がだいぶ低くなったと見るのが妥当なところでしょう。
元々このセルジ・ロベルトの武者修行に関しては、クレも賛否両論。SPORT紙がウェブページを通じて行ったアンケートの結果は、61%が「バルサに残るべき」だと回答し、レンタル反対派が幾分優勢となっています。
ただ肝心となってくるのはセルジ・ロベルト本人の意思でして、これまでのところ、彼の希望はバルサでのプレー続行。”プリメーラのチームでプレーするほうが、絶対にキミのためになるから!”というクラブの説得にも、応じようとはしていないようです。クラックひしめくトップチームでは継続的に出番は得られませんし、かといってセグンダはもはやセルジ・ロベルトの器には小さいというクラブの考えも分からくはない。一方で、あくまでもバルサに残ってトップ昇格を手にしたいという彼の気持ちも分かる。別のチームのほうが、ロベルトがより成長できるともかぎりません。特にシステムもスタイルも全然違うアギーレ監督のペリコでは。
セルジ・ロベルトと同じくバルサ残留を強く希望するジョナタン・ドスサントスは今季、基本的に試合時はスタンド観戦となっています。招集を受け、かつベンチに入れるのは主力が休みとなるコパのゲームくらい。セルジ・ロベルトはまだフィリアル所属のためにエウセビオのチームでも出場できますが、もし来季にトップ昇格したとしても、ジョナタン状態となる可能性も高いのは確かです。チャビやイニエスタ、メッシのように、10代でトップチームに定着できる選手はごくわずか。ビッグクラブでカンテラーノを育てることは簡単ではないと確認させられるセルジ・ロベルトの一件ですが、彼はとってもお気に入りなので、バルサでの成長を期待したいかなぁ。
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