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ムニール、超特急デビュー

プリメーラ出場わずか2試合でフル代表デビューした19歳。

8月24日のエルチェとのリーガ開幕節に始まったムニールフィーバーが、尚継続している、そんなFIFAウィークとなっています。ジエゴ・コスタが負傷離脱したために急きょビセンテ・デルボスケ監督からお呼びがかかり、ラ・ロハ公式戦デビューも果たしてしまった19歳のデランテロ。ほんの一週間ほど前にU-21代表に「初」招集され、誕生日プレゼントの時計をもらって“U-21でも主役!”と報じられていたのですから、めまぐるしい環境の変化です。これで代表国籍問題は決着がついたので、そっち方面では静かになりそうではありますが。首都方面では、こちらもフル代表初公式戦で初ゴールを決めたパコ・アルカセル(21)が主役扱いです。

スペインを選んだルーキー

2014年9月8日(月)、ムニール・エル・ハッダディがスペイン・フル代表としてのデビューを飾りました。シウター・デ・バレンシアにマケドニアを迎えての、ユーロ2016予選第1節。その時点でのスコアが4-1と、勝敗の行方がすでに決まっていたことにも後押しされ、ムニールは77分にコケ・レスレクシオンと交代でピッチに立ちます(背番号19)。試合が決着していることもあり、攻撃での見せ場は訪れませんでしたが、持ち味の一つであるプレッシングや守備の仕事はきっちりとこなしたデランテロ。アディショナルタイムのペドロのゴールは、ムニールのボール奪取がきっかけでありました。

ラ・ロハの公式戦に出場したため、ムニールの代表選択問題はこれで解決しました。彼の代表入りを強く主張していたモロッコ代表の可能性は、スペイン代表デビューで消滅。その件に関し、ムニールは試合終了後のインタビューにこう答えています。

子供の頃からの夢が叶って、とても嬉しいよ。僕は小さな頃から、スペイン代表でプレーしたかったからね。スペインでの出場は僕自身の決断だ。モロッコからのプレッシャー?ちょっとはあったけど、何も起こってないよ。これからもハードワークを続けて、向上し続けていかないといけない」

ジエゴ・コスタやメスト・エジルのように、能力ある選手の代表チーム選択の際には必ず摩擦が生じますし、ムニールたちにもモロッコ方面からの批判が寄せられるでしょう、というかもう批判されてるようです。しかしそれについては、「人がなにを言おうが構わない。僕は自分にとって最良と思う事をしたんだ」と、我関せずの構え。周囲の大人にしっかりと守られているのでしょう。

「最初に呼び鈴を鳴らしたのがスペイン」

一方、ムニールの父上モハメド・エル・ハッダディさんはラジオ局ONDA CEROの番組“Al PrimerToque”のなかで、息子がスペイン代表で公式戦デビューした理由は“最初に呼ばれたから”であることを強調しています。

「ムニールは以前、私にこう言ったんだ。ねえ父さん、僕はいったいどうすればいいんだろうね?それに対し私は、最初に呼ばれたところへ行きなさいと言ったよ。そしてスペインがムニールを招集したので、彼らがムニールの代表チームになった。もしモロッコ代表から呼ばれていたなら、息子は同じように応じていただろう。私はいつも彼に、最初に扉を開いたチームに行くように言っていた」

この“最初のコールがあった方”は、あるいは方便かもしれません。まあいずれにせよ、我が子の代表デビューに、モハメド父さんもご満悦です。「とても嬉しいね。ここまで辿り着けるか分からなかったし、まさかこんなに早くなるだろうとは考えてもいなかったんだ。けれども現実にこうなったわけで、嬉しく思っている」

そして。「ムニールがバルセロナに入団した時、私は彼のフットボル選手としての才能に気付いた。私が神に祈るのはただ息子を助けてくださいということだけ。ただそれだけだよ」

元代理人氏「もしモロッコの件がなければ、、、」

今をときめくムニールですので、彼の昔のエピソードを知る人たちはきっと、報道陣からの取材希望が次々に届いていることと推察します。そのうちの一人(かつエース級の人物)が、町で遊んでいるムニール少年を偶然見つけ、バルセロナ入団時にも彼に付き添った元代理人のアントニオ・ガバルドンさんです。ESPORTS COPEの取材に応じたガバルドンさんはまず、「ムニールはとても喜んでいる。土曜日に彼と話したところ、この招集に胸を弾ませながらも、ちょっと物怖じしていたね」とコメント。ガバルドンさん自身もこの物事の早さに驚いている、と述べています。

いつかは招集されると期待していたけれど、それは先のことで、こんなに突然だとは思ってなかった。ごく短期間のうちにバルセロナでのプレシーズン参加からリーガでの先発と、全てが爆発的に進んでいったよ。そしてジエゴ・コスタが負傷したことで、バルサのプレシーズン得点王だったムニールをデルボスケは呼ぶことにしたんだ」

代表選択に関しては、ムニールの父上は“最初に扉を開いた方”だと語っていましたが、ガバルドンさんの説明はちょっと違いました。「彼の両親はスペインに行くとは考えておらず、モロッコ代表なら行けるだろうと考えていたんだ。けれどもムニールに一切の迷いはなかった。彼は自分がスペイン人だと感じているからね

結構直球を投げ返してくる元代理人氏は、今回のボスケ爺の招集は、モロッコの存在が背後にあったのは間違いないとの見解を示しています。「もしモロッコにムニールを呼べる可能性がなければ、デルボスケが彼を呼ぶか私は疑わしく思っている。彼にはジョレンテやトーレスなど、使える選手が他にいるからね」

一方、少年時代のムニールを知るガバルドンさん曰く、「彼はバルセロナのユニフォームを着てガラパガルのトレーニングに行っていた」とのこと。それゆえに引抜きを怖れるという理由での契約更新を急ぐ必要はないと思うのですが、とりわけSPORT紙が強調する契約更新に関し、元代理人はこう意見を述べています。

「このブレイクがあったことで、バルセロナは今の契約解除金(1,200万ユーロ)に恐れを抱いているんだろうと思う。交渉は行われていくだろうね。ムニールはバルセロナで満足しているし、残りたがっているよ。バルサでここまでたどり着いたわけだし、交渉にはなんの問題もないと私は確信している

 

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