出場機会を求めて、修行に出るかもしれないデランテロ。
デニス・スアレスやラフィーニャ、セルジ・ロベルト、ムニールなど、ネイマールとレオ・メッシの欠場の場合はそれをどうにか埋める術を持っているルーチョバルサですが、ルイス・スアレスを休ませられる同タイプの選手は今のスカッドにはいません。9番となって点を取れる選手の確保は、バルセロナにとってこの夏の大きな補強目標。ロベルト・フェルナンデスSDやルイス・エンリケが明言しているように、タイプに合ったデランテロと契約するのはまず間違いないでしょう。現在は南米市場の若手選手の移籍交渉が大詰め段階にきていると言われています。
ムニールは“9番”ではない
そこでクラブやルイス・エンリケの扱いが気になってくるのが、このプレシーズンにチーム最多の3ゴールを上げるなどして気を吐いているムニール・エルハッダディです。エリア内での冷静さとシュート精度によってネイマール不在を埋めているモロッコ系デランテロですが、残念なことに彼はクラブが探索中の9番とはタイプが異なる。それゆえに並みの活躍ではムニールは“第4のデランテロにはなれない”わけで、逆に考えるなら、新たに南米から誰かが来ようともムニールの序列にこれといった影響はないといえます。
ウワサされるルアンであれ誰であれ、新加入するのがエストレーモもこなせてしまうポリバレントなデランテロでないかぎり、攻撃陣の人数が増すからといってムニールが押し出されることに直結しないんじゃないでしょうか。バルサが求めているのはサイドで勝負するのではなく、エリア内で点を決められるマタドールです。ムニールの出番が大きく減るとするなら、それはデニスくんらセントロカンピスタを偽エストレーモにする場合かと思います。そしてそれは大いに起こりうることです。
最善の方法を見つけていく
このプレシーズンの起用法、それに少し前に契約を延長(~2019年6月)したことを見れば、ルイス・エンリケやクラブがムニールを高く評価していることは伝わってきます。昨シーズン、メッシの長期負傷によって転がり込んできた出場機会ではゴールという結果を残せなかった彼ですが、ラ・マシア仕込のテクニックと得点力によって面白い存在になれそうな匂いは漂わせている。しかし若手選手が成長するためには試合に出ることが大事ですから、ムニールとテクニコ、ロベルトSDらが話し合い、全員にとって最良の方法を見つけ出していくことになりそうです。
英国合宿中に第4のデランテロ補強について訊ねられたムニールは、「もし自分が別のクラブにいて、バルサが自分に関心を持っていると知ったなら、バルサに頭から飛び込んでいく」とコメントをしています。そこから感じ取れるのはチャレンジ精神。MSNトリデンテの控えとしてシーズンを戦っていくことを多くのデランテロが嫌がる中で、ムニールはそれに怖れをなしていません。
長いシーズンですから、カンプノウに残ってもチャンスは必ず訪れましょう。しかし別のチームで先発でゲームに出るほうが、成長できそうなのも事実。そのあたりをムニールや彼の周囲がどう判断するかです。バルサは選手の成長が見込めるのであれば、武者修行への扉は閉ざさないようです。昨季のムニールの出番はリーグ15試合、コパ5試合、チャンピオンズ4試合でした。
いずれにせよ、2試合連続で引き分けたブラジル五輪代表が第3戦でもやらかしてしまい、ネイマールが傷心の早期合流とならないかぎり、14日(日)と17日(水)のスーペルコパはMSM、すなわちメッシ、スアレス、ムニールの先発で決まりでしょう。ムニールが武者修行に出るとしても、それはスーペルコパの後となります。
コメント
ムニルはペドロを彷彿とさせる選手ですけど、左サイドしかやらせてもらえないのが残念ですね。
CFとしてはフィジカルが無く、左サイドではドリブルで抜けないという・・
正直、セビージャ戦での先発も確実ではないと思います。