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ルーチョ「決勝は勝ってなんぼ」

タイトルまであと1勝に迫るも、次はリーガに集中と監督。

エル・マドリガル決戦に1-3で勝利し、2試合合計スコア6-2でビジャレアルを下したFCバルセロナが、37回目となる国王杯ファイナル進出を決めました。試合をコントロールしての“バルサらしい”勝ち方ではなかったものの、ここぞという場面で前線のクラックたちが持ち前のパンチ力を披露し、終わってみれば3得点。評価は分かれるとはいえ、結果が出ているのはムードと自信を上げていくうえで非常に重要なことです。バルサはこれでコパのタイトルまであと1勝。それはつまり、ルイス・エンリケが監督として初の栄冠まであと一歩に迫っていることを意味するわけですが、当の本人は特別喜ぶでもなく、淡々とファイナル進出を祝っています。

会場はどこでも構わない

マルセリーノ・ガルシア・トラル船長率いるイエロー潜水艦を攻略し、コパ決勝へと駒を進めた後の記者会見。バルサ監督としての初タイトルの可能性を訊ねられたルイス・エンリケの回答は、素っ気ないものでした。「疑いなく、チームにとっては好ましい瞬間だと言えるね。ただファイナルに行けたのは非常に好いこととはいえ、ファイナルでは勝つ必要があるし、ファイナリストの片方は試合に勝てないんだ。そういうわけで、今はリーガの次の試合のことを考えないといけない。私たちがタイトルで仕上げられるかどうかを見る時間は後であるさ。バルサはタイトルを獲らなければならない。私たちにその力があるか、また見てみよう

(※コパ決勝は5月30日の開催。リーガはそれまでに終わっているので、リーガ優勝を決めていれば、コパはルイス・エンリケにとってバルサ監督としての初タイトルとはならない)

巷ではすでに、決勝の会場が大きな話題となっています。カンプノウ、サン・マメスとファイナルに相応しい舞台は幾つかあれど、今回はバルサとアスレティックの対決ということで、サンチャゴ・ベルナベウ開催に興味は集まっているところです。この件に関し、ルーチョは勿論評価は避けています(この時点では対戦相手も決まっていない)。「ファイナルの会場?私にはそれに関してのニュースはないし、どこでプレーしようとも、相手が誰であろうとも同じだよ。重要なのは私たちがその舞台にいることだ

もっと試合をコントロールしたかった

この火曜日のビジャレアル戦に関しては、ルイス・エンリケは次のように評価しています。「私たちの関心は行き来の激しい試合にすることではなく、試合をコントロールすることにあった。もっとバランスよく攻めたかった

寒気のする瞬間のない、コントロールされた試合にしたかったんだ。ビジャレアルのプレッシャーのかけ方は上手かったし、危険な場面を作り出されたよ。前半は彼らに2、3回ゴールチャンスがあった。後半は私たちがよりコントロールしていた。退場者が出てからは、私たちにとってよりオープンな展開となったね。私たちの目標は試合に勝つことだったけれど、同時にコントロールも求めていた。ビジャレアルが問題を起こしてくることは知っていたからね」

0-1となった後もビジャレアルには可能性があった。彼らは信念をもち、チャンスを作り出していた。決着が付いたのは私たちが1-2とした時だ。試合の難しさは知っていたよ。ビジャレアルはリーガにおけるベストチームの一つだから、彼らに勝つのはいつも苦労するんだ」

前半に右足首を踏まれて負傷交代したセルヒオ・ブスケツに関しては、「イヤなニュースだね。どのくらいの離脱となるのか、診断を待ってみよう」とのことです。バルサ監督に悩み尽きまじ。

 

ルイス・エンリケがこれだけ試合のコントロールにこだわっていたと繰り返すのは、少々意外な感じはします。週末のグラナダ戦では芝の状態が悪いのを見て中盤を省略してダイレクトにプレーした、と説明したわりにインテリオールにチャビを起用していたように、コントロールを目指したわりに今回のインテリオールはチャビだったことが不思議というか。良いコンディションを保つためにチャビは2試合連続で先発させないと決めていて、それで後半残り30分でマエストロを投入したということでしょうか。ラフィーニャはこれで今季ビジャレアル戦には4試合全先発なので、ルーチョなりの思惑もありましょう。

いずれにせよエンリケバルサはこれで8戦全勝でのコパ決勝進出です。もし次のビルバオ戦にも勝利すれば、1926年以来となるクラブ史上2度目のコパ全勝優勝達成。なんだかんだ言われつつも、それだけ長年できなかったことをやって勝ち上がっているんですから、このチームのプレースタイルはホーム&アウェイに向いているってことです。

今回も0-1のゴールを決めた、“ミスターオープニングゴール”のネイマールに得点が戻ったのも朗報。72分には勝負を決められる場面で強引にシュートに行き外したりもしましたが、試合後に「あれは僕が間違っていた。スアレスにボールを渡すべきだった。彼に謝りたい」と素直に反省したところはまたネイが好きになりますし、それを受けて「ネイマールは謝る必要なんてないよ。1対1の名手があの瞬間はシュートが良いと考えたんだ」と語ったスアレスもすてきでした。メッシのネイの必殺コンビネーションも炸裂。トリデンテすばらしき哉。

気になったのはやはり、3分で0-1にした後のチームのリズムの落とし方となります。あそこはきっちりとコントロールし、ビジャレアルの可能性を削ることが必要だったのに、逆に相手にボールの主導権を握られてしまった。試合を通じてのゴールチャンスはどちらも同じくらい(6回)でしたから、デランテロのパンチ力が勝敗を分けた、そんなエル・マドリガル対決でした。

 

コメント

  1. レト より:

    マラガ戦以降はコンディションの低下が見られますね。
    1月の連戦の疲れが出ているのかもしれません。
    おかげで決勝まで進めたからいいんですけどね。