カンプノウで直接のライバルにきっちり勝ちたい。
一年を通して観光客で賑わう街バルセロナが、さらに観光客でごった返すのが毎年9月下旬に開催されるお祭り、ラ・マルセ(La Mercé)です。通りを巨人が練り歩き、人間の塔が立ち、広場ではコンサートが催され、夜はドラゴンが火を吹いては浜辺で花火が盛大に打ち上がるこの数日間。今年は明日22日から25日にかけ、バルセロナの街は祭りムード一色となります。そしてほぼ毎回このラ・マルセに合わせてカンプノウでの平日試合があるのですが、今季のLFPさんはアトレティコ・マドリーとの大一番を我々クレにプレゼント。祭り前夜を盛り上げるためにも、チョロ軍団に快勝したいところです。
ちなみに現地22時開催のこの試合ですが、地下鉄の延長営業でバルサとTMB(市交通局)が合意に達しました。これで帰宅難民になる怖れなく、クレはカンプノウへ行けます。よかったよかった。
カギを握る先制点、メッシ弾
さてこのラ・マルセ前夜祭たるアトレティコ戦は、ルーチョチームにとって今季ひとつめの大一番です。マドリー系のMARCAやASも、トップ記事として注目するこのリーガ優勝候補チーム同士の今季初対戦。第4節終了時点での順位はバルセロナが3勝1敗 得点13 失点5の2位、アトレティコが2勝2分 得点10 失点1の4位となっています。シメオネチームは今季も守りが堅く、わずか1失点はもちろんここまでのプリメーラ最少。一方でバルサの13得点はプリメーラ最多ですから、攻撃力VS守備力が最初のアトラクションです。
アトレティコとの対決では、バルサは先制点に注意しなければなりません。昨シーズン、バルサはアトレティコとリーガとチャンピオンズで4度対戦していますが、その全てでコルチョネロたちが先制。最初の3回は逆転に成功したバルセロナでしたが、最後のチャンピオンズ1/4ファイナル第2戦では2-0で敗れ、欧州連覇の夢を断たれました。今季は同じシナリオを繰り返すべきでなく、こちらがまず先手を取りたいところです。
そして昨季4度奪われた先制点のうち、3つがフェルナンド・トーレスによります。チョロはここ2日間のトレーニングではトーレスではなくカラスコを加えた3トップを試しているそうで、先発もこのベルギー人だろうという大方の予想ですが、天敵“エルニーニョ”も含めスピードある攻撃陣をバルサ守備陣がどう封じ込めるか。ここ2試合で4得点と好調らしいグリースマン、ルーチョが熱望していたとされるガメイロにも十分な警戒が必要です。
天敵といえば、シメオネチームにとってはレオ・メッシが最大の天敵となります。MD紙のデータによるとタタ・マルティーノ時代から数えてシメオネ監督はバルサと17回対戦しているそうなのですが、その戦績はあちらの2勝5分10敗。シメオネアトレティコが勝った2試合はどちらもメッシに得点がなかったらしく、もし我らの“D10S”にゴールが生まれれば、赤白マドリーの勝機は消滅するわけです。今回もそのジンクスが継続することに期待しましょう。チョロは監督としてまだカンプノウで勝利がありません。
ルイス・エンリケ「アトレティコ戦に簡単なものはなかった」
ルイス・エンリケ率いるバルサはシメオネアトレティコに対して7勝1敗と大きく勝ち越しており、カンプノウでは全勝しています。それだけに、苦戦はするにしても最終的には勝つのはいつものようにバルサだろう、との楽観的ムードも感じられるわけですが、将たるルーチョに油断をする様子は当然微塵もありません。前日会見でバルサ監督はこう語りました。
「アトレティコとの試合に簡単なものなどなかったよ。彼ら事実上、近年の成功を収めてきたチームと同じだ。堅い守備と激しさをベースとし、トランジションも最高レベル。そしてセットプレーではボールを完璧に支配する。以前からいたメンバーに新たな選手が加わり、彼らはプリメーラで最高のチームの一つとなっている。これまでのシメオネ時代と同じように、全てのタイトルを狙えるチームなのは明らかだ」
堅守を誇り、速い攻撃を得意とするアトレティコ・マドリーですから、おそらく基本的な作戦は自陣で守ってからのカウンターアタックとなるでしょう。「私たちに対しては、アトレティコはあまり手数をかけてはこないだろうと思う。裏のスペースを探してくるだろう。しかし彼らには質の高い攻撃陣がいるからね、非常に激しくラテラルの背後のスペースを突き、そして空中戦やセカンドボールを狙ってくると思う」
空中戦で意外なほどの強さを見せているサムエル・ウンティティが前日のトレーニングで負傷したのは非常に残念ですが、ピケ&マスチェラーノの鉄板コンビが良い仕事をしてくれるはず。右ラテラルはセルジ・ロベルトの活躍を期待してます!
一方で攻撃に関して。最強のトリデンテといえども、オブラクの守るゴールを脅かすのは簡単ではありません。「アトレティコに勝つためには良い仕事をたくさんし、エラーを少なくしなければならない。かなり完璧な試合が求められることだろう。ポゼッションを通してスペースを上手く利用することが求められる。彼らはタイトル争いの直接のライバルだ。満員のカンプノウによるサポートをお願いしたい。私たちにはファンの助けが必要となるだろうからね」
そしてアトレティコがメッシのスペースを潰してくるであろう件に関しては、「心配はしていないよ。存在しないスペースを探すことも、レオは世界一上手いからね。チームとしてはポジショニングと選手たちの力量によってメッシが最大限にプレーに絡めるよう試みていく」とナンバーワンクラックを称えたミスターでした。
ネイマール?規約で許されていない行為をもっと非難すべき
相手を挑発していると一部方面から批判を受けているネイマールについては、監督はこう選手を擁護しました。「彼には彼のスタイルがある。これは文化の問題だよ。私はそれはフットボルにとってスペクタクルなものだと思う。カンバルサ(バルサ家)では私たちは彼のプレーを大いに楽しんでいる。彼のフットボル観を私は好きなんだ。今更彼のやり方に驚くことはない」
「あれがネイマールのプレー方法であり、規約でそうしてもよいことになっている。規約で許されていない行為をもっと非難するべきだろう。2015年なら、彼のドリブルは驚きだったかもしれない。しかし今はそうじゃない。同じ事をやっているブラジル時選手は他にもいる」
MSNとの途中交代協定については、「目標を達成するためには、休む試合も必要となる。取り決めをしておく時もあるし、私が決めることもあるけれど、私は選手たちと話をするのが好きだよ」とのことです。
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