良い試合をしてマドリーを上回って勝ち、ファンに喜びをと監督。
いよいよこの3月22日、日本では日付が変わって23日早朝となりますが、このシーズンで最も注目すべき試合の一つであるレアル・マドリー戦が行われます。バルサはちょうど1ヶ月前のマラガ戦でずっこけたりはしたものの、2015年はここまで19戦17勝2敗。バルサ以上にずっこけたマドリーをついに勝点で逆転し、堂々たるリーガのリーダーとしてこのクラシコを迎えました。コパでは決勝に勝ち進み、チャンピオンズでも8強へと勝ち上がり、勢いではルーチョチームの方が優勢。大エースのメッシを始めとしてチーム全体が好調、士気高く、さらには各種データ面もバルサの勝利を指し示すなど、いつになく負ける気のしないクラシコとなっています。
しかしながら、“私たちが普通に勝つと思っている”なんて発言する監督がいるはずもなく、ましてやルイス・エンリケがマドリーの不安定さに油断する訳がなく、彼らに勝つためには最高の自分たちが求められるとミスターは言います。ほとんどのメディアが見出しとして取り上げているのは、「このクラシコは重要だが決定的ではない」とのフレーズ。以下は前日会見におけるルイス・エンリケ・マルティネスのコメント抜粋です。
独特なムードと周囲の幸福感
■特別な試合
「これは他とは異なった試合であり、相手は永遠のライバルであり、順位表で最も勝点の接近したチームとの試合だ。もし私たちが勝てば彼らは勝点を積み上げられないし、ゴールアベレージ(得失点差)もまた重みを持つだろう。スパイスは幾つもあるよ。レアル・マドリーとプレーするだけではなくね」
「重要だけれども、決定的ではない。リーガはまだこの先、難しい10試合が残っているんだ」
「チャンピオンズの試合があったことで、おそらくこの試合に集中しきれなかったのが残念だ」「監督としては、(選手時代より)静かで激しさの少ないクラシコ前だね」
「巷の雰囲気からこの試合が特別であることはすぐに感じられるよ。非常に魅力的で刺激的な試合だ。ファンは1シーズン中ずっと、この喜びを待ち侘びている。私たちは良いフットボルをし、彼らを上回ることで喜びをファンに提供できればと思う」
■チームのダイナミズム
「私たちは誰もが、好ましいダイナミズムでありたいと望んでいる。しかしそういうダイナミズムもある瞬間に途切れるものであって、永遠とはいかない。決定的な要素ではないものの、監督としてはポジティブな状況で(大一番に)臨めるのが良いさ」
■ファンの幸福感
「ロッカールームの中で浮わついた言葉を耳にしたことはない。ファンが自信を抱くのはいつも好いことであるし、それによって私たちは試合を準備していくための強さをもらう。けれども私たちが、簡単にやれるぞと考える罠に落ちるようなことはそうは起こらないさ。選手たちは間抜けではないからね。私たちには真摯さが求められている」
■カンプノウのサポート
「苦しい試合になるだろうから、デリケートな瞬間には、ファンのその幸福感が私たちをサポートするために注がれる(=元気玉となる)ことを私たちは求めている」
■本命という評判
「この手の試合には明らかな本命と言えるチームはない。この試合には多くの事が懸かっているし、どちらのチームも非常にレベルが高く、同じ目標を持ち、選手たちの資質は間違いなく… まあスタジアムは重要な要素だね。地元ファンの前でのプレーはモチベーションをくれる」
不安定でもマドリーは強い
■不調を伝えられるマドリー
「ライバルのフットボル以外の話題について分析をすることで時間を無駄にはしないよ。私たちはレアル・マドリーを、彼らのポテンシャルを分析した。彼らは現ヨーロッパチャンピオンであり、リーガで16節続けて首位だったチームだ。彼らを倒すためにはベストであることが求められるし、守備ではソリッドに、攻撃では効果的でなければならない。私たちは今、彼らを引き離す一つの好機を手にしている。私たちの支配するプレー状況の中で、彼らに大きなダメージを与えられると確信している」
■相手の戦術予想
「前回対戦でのようなマドリーを予想してるよ。トランジションのタイミングを待ちながら、上手く自陣に引いてくるだろう。彼らは多くの引き出しを持ち、それらを高いレベルで実行している」
■クリスティアノ・ロナウド
「ひとりの選手を優先したりはしないだろう。マドリーの前線の3選手はどんな試合も決める力があるし、どんなチームにとっても危険なんだ」
■解任が懸かっていると言われるアンチェロッティ
「自分たちのいる場所を私たち監督はすでに知っているし、自分たちの仕事において負けが意味するものも知っている。監督であるということは、途切れることのないリスクと同義だよ」
チームが一丸となり、ベストを出す
■慌しい試合となる可能性
「私たちがコントロールの出来る試合としていきたい。自分たちのゴールから遠い位置でボールを保持するだけでなく、チームブロックによるトランジションやフィニッシュ、それにあらゆるボールロストも上手く対処していきたい。私はそういう試合を想像しているし、もしそうなっていなければ、それは私たちに対処する能力がないからだろう」
■マドリーに勝利するためのポイント
「ここ数ヶ月してきたことを続けること。相手よりも数多くゴールチャンスを作り出し、試合のリズムをコントロールし、選手たちが正しい瞬間に正しい場所にいて、感情をコントロールすることだ」「監督としては熱くならずに、ピッチでの出来事を処置しないといけない。適切な瞬間に決断を下せるように、冷静に試合を見なければならない」
■トリデンテ
「彼らは試合を決められるスペクタクルな選手たちだけれど、もしその他の8人がいなければ、どうにもならない。レアル・マドリーに勝つには11人が必要なんだ」
■3-1で敗れた前回クラシコとの違い
「私たちは以前と同じ、同じ監督が率い、同じ選手たちがいるチームだ。改善すべき事が多数あることは、あの日すでに語っているし、勝つためにはあらゆる点ですばらしい試合をしなければならないだろう」
■ブスケツ先発の可能性
「一つの選択肢とはなりえるだろうね。彼は今100%ではないけれど、とても良い状態にある。この3日間はグループとトレーニングをこなしている」
■メッシと他の選手との違い
「レオと似たような数字を残す選手はいるけれど、彼を他とは違わせているのはあらゆる瞬間における彼流の試合の解釈、その時々にチームが何を必要としているのかを読む能力だね。ゴレアドールとしての数字以上に、まずその点だよ」
今回のクラシコは、バルセロナが首位としてカンプノウにマドリーを迎える久々の試合です。そもそもリーグ後半戦にカンプノウクラシコがあるのも3年ぶりですし、ペップ最終年となったその2011/12シーズンはチェルシーとのチャンピオンズ1/2に挟まれ、逆転優勝に望みを託したものの敗北。3日後にはそのチャンピオンズからも敗退し、、と悲しい思い出としてクレの心に刻まれました。その前もずっとカンプノウクラシコは秋だったので、ペップチームがベルナベウで彼らの希望を消すのもそれはそれで心地良かったものの、やはり地元でマドリーをKOできる機会というのは、特別なものです。
一方、国王杯では彼らを沈める機会はありましたが、2011/12シーズンはモウマドリーを1/4ファイナルで退けながらも、カンプノウでのブエルタを2-2で引き分けた彼らが何故か上昇ムードに。マドリーはその当時ゴタゴタを起こしており、クラシコは彼らを仕留めるチャンスだったのですが、バルサはそれに失敗したのでした。
ということで、今回のクラシコは是が非でも勝利し、アンチェロッティさんのチームをKOしたい。そしてそれが十分に可能だと思わせる要素も、現ルーチョチームには幾つも存在しています。マラガ戦ではずっこけてしまったものの、それ以外は難試合も含めて全勝しているこの2ヶ月。フィットしてきたルイス・スアレス。復調したピケ。なんだかんだで失点が少ない点。リーガ首位で迎えたクラシコは85年間無敗(12勝3分)。そしてなにより、気合全開でチームを引っ張っているレオ・メッシ。集中力を失わずに失点を抑えられれば、南米トリデンテが大暴れ、との期待が膨らみます。
注目はなんといってもメッシですが、初のカンプノウクラシコとなるスアレスもやってくれそう。バルサに新加入したデランテロは地元での初リーガクラシコで得点する、というジンクスがありますので(ネイマール、アレクシス、ビジャ、イブラヒモビッチ、、エトーも?)、きっとルイシートもその前例に続くことでしょう!マドリーに勝利し、リーガ優勝へ向けて大きな一歩を!バモス、ルーチョと選手たち!
コメント
ついに、クラシコやって来ましたね。勝利への準備は万端とは言いえ、やはり激しい試合になるでしょう。
ここ数日は楽しみで、取るもの手につかない日々が続いています。勝利を信じて待とうと思っています。