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選手たちの要望:アルダ登録への“勇気ある行動”

ロッカールームから理事会に要望が出たという。

FCバルセロナは今、とても難しい状況に陥っています。攻守ともに昨シーズンの安定感とは程遠く、失点は重なり得点は決まらず。前半で勝負を決めて快勝なんてゲームはまだひとつもありません。その大きな要因が多発している負傷者にあるのは間違いないでしょうし、残された選手が無理をすることで怪我をしやすくなる悪循環となっています。ボディブローとなってじわじわチームを苦しめているのは、FIFAに科せられた選手の新規登録禁止処分。特にセントロカンピスタのやり繰りは厳しく、これ以上の離脱者が出ればもうやっていけそうにない。なんとかアルダ・トゥランの登録は出来ないものかと、選手たちから理事会に要望も出たようです。

リーガ特例への難癖

バルセロナは今年の夏、二人の選手を獲得しました。元アトレティコのアルダ・トゥランと、元セビージャのアレイシ・ビダルです。FIFAとかいう組織の制裁によって2016年1月までプレー出来ないことを承知の上で、バルサへと来てくれた彼ら。その処分解禁の瞬間に向けてただ黙々とトレーニングする日々を送っていた二人でしたが、にわかに状況が変わったのはラフィーニャの今季ほぼ絶望という大怪我でした。長期離脱選手が出た場合の特例として、アルダの登録をスペインフットボル連盟(RFEF)が容認したのです。ラファの離脱に涙を流すバルセロニスタの前に、小さな希望の扉がぎぎぎ・・・と開きました。

しかしその扉の隙間から顔を出し、そういう行為はお奨めしないぜ・・・と言ってきたのがFIFAです。国内ルールを今回のバルサに適応することは我々の規約と衝突する、と暗示しつつもハッキリと禁止するとは言わず、バルサからの明確な回答を求める文書にはいまだ返事のない国際フットボル連盟。RFEFはFIFAとの衝突を好まず、消極的な姿勢となりました。

今こそ行動を起こすべき瞬間

そういう煮え切らない状況に対し、ロッカールームは今こそ行動の時だと考えている、と報じているのが5日のSPORT紙です。未成年外国人選手の登録を巡ってフットボル界を牛耳る金権組織から制裁を命じられて以降、バルサは異議申し立てなどをしたものの、基本的には腰を低くし、FIFAの言葉に従って行動してきました。追加処分を怖れ、波風を立てるようなことは極力避けてきました。

しかしそんな時期は夏のマーケットが閉じた時点で終了しており(=FIFAが命じたのは2つのマーケットでの新規登録禁止)、机をドンと叩く瞬間がやってきたと選手たちは考えている。同紙によると現場の選手たちは理事会はFIFAに対してあまりにも従順かつ優柔不断だと感じていて、理事会のメンバーに対し、勇気を出して行動を起こすように要望を出したのだそうです。

現状でバルサに出来る行動といえば、スポーツ仲裁裁判所へと訴えることや、FIFAに積極的に話を持ちかけて妥協を促すことでしょうか。RFEFルールに則ってアルダ登録を申請したのは一歩前進ですが、FIFAからの返答をただ待つ状況が受動的だと選手たちは焦れているのでしょう。

アトレティコ・マドリーで攻撃のタクトを取り、前線やメディアプンタとしてプレーできるアルダ・トゥランは、イニエスタメッシを欠く現在のバルサにとってこの上ない補強となるでしょう。シーズンが開幕してからわずか1ヶ月半ほどで、バルサはすでにヨレヨレの状態。イニエスタが復帰するであろう今月末~来月初めまで持ち堪えるのも一苦労でしょうし、もしこの2週間のパロン(リーガ中断)の間にアルダを起用できるようになるなら、嬉しすぎて壊れるかもしれません。まあ限りなく期待薄ですけれど。

今週中にFIFAの回答が届く?

曖昧なFIFAに対しては、現在クラブの法律部が明解な見解を求めている最中で、その返答は今週中~来週始めに届くのではないか、とされているようです。

国際フットボル連盟から明るい知らせが届くことに、バルセロナは期待していません。なので最後の頼みの綱としてスポーツ仲裁裁判所(TAS。英語ではCAS)に訴えることとなるでしょう。その場合はおそらく、スペイン政府のスポーツ上級審議会(CSD)がバルサの援軍となってくれるらしく。CSD会長ミゲル・カルデナル氏は先週、バルサが求めるのであれば“リーガ・エスパニョーラのクラブとして”バルサを支えることは厭わないとのコメントを発しています。

 

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