FIFAとかいう組織の報復対象になったように映る。
3月23日にブエノスアイレスで行われたムンディアル2018南米予選、アルゼンチン対チリで線審を罵ったとして、FIFAとかいう組織がリオネル・メッシに対し、FIFA公式戦4試合の出場停止処分と罰金1万スイスフランを科すと発表しました。侮辱発言で4試合という世界も驚く厳しい処罰内容。バルセロニスタとしましては、ハードな予選に出られないことで大エースの身体的な負担が軽減される面においては恩恵はあるのですが、母国愛の強いレオの精神面での影響が心配ですし、何かにつけていけ好かないことをしてくれる国際フットボル連盟という組織への不信感で非常に気分が悪い。今回の処分はFIFAによる報復である、と考えるのも自然な流れです。
誰も聞いていない侮辱ワード
今回のFIFAとかいう少し前まで腐敗問題で騒がれていた組織の処分には、物申したくなる要素が幾つかあります。
まずアルゼンチン対チリを担当したブラジル人主審のサンドロ・リッチ氏はメッシによる線審への侮辱発言を聞いておらず、試合後の報告書にこれに関する記述を一切していないことです。しかもアルゼンチン LA NACION紙によると審判団4人が「私はメッシの攻撃的な言葉を聞いていない」と口を揃えていて、侮辱を受けたとされる副審でさえ「何も聞いてないし、見てない」と語っています(こちら)。
なのにFIFAは、読唇術のスペシャリストを雇ったらしく「リオネル・メッシ選手は副審に対して侮辱的な言葉を用いた」と厳罰の理由を説明。ほぼここだけが事実として各方面に広く報じられました。
たしかにメッシは試合中から苛立ちを示していたのですが、チリ選手の強引なタックルや蹴り、突き飛ばし等を何度も受けているのもまた事実で、それでフラストレーションを溜めた選手が文句を言った時に罰せられ、乱暴なプレーをした方はちょっとしたイエローカード程度で済むのはいつもの光景です。審判は事前にそのあたりをコントロールできなかったのかと言いたい。
繰り返しになりますが、この処分内容とFIFAの言い分だけが大々的に伝えられ、「メッシご乱心」「メッシ審判を侮辱」などと見出しが付けられるのが不愉快です。そんなにFIFAが正義か。見えない敵にマシンガンでもぶっ放したくなります。
THE BEST授与式 欠席への復讐?
FIFAがメッシに4試合の出場停止なる厳罰を科したその背景には、アルゼンチンフットボル連盟(AFA)とFIFAの揉め事があり、レオはその犠牲者になったとの説があります。そのあたりの事情には詳しくないので記述は差し控えるとしまして、バルセロニスタとして案外事実なんじゃないかと思えるのは、メッシが1月に催されたFIFA主催のTHE BEST賞授与式に出席したなった事への恨み説です。
毎年、年始に国際フットボル連盟がチューリッヒで行うこの派手なセレモニーを、今年はバルセロナの選手たちが欠席しました。メッシほか、ルイス・スアレス、ジェラール・ピケ、アンドレス・イニエスタの4人が式典を欠席をした理由は、公にはその2日後にアスレティックとの大事な国王杯1/8ブエルタが控えていたため。天下のFIFA様がそれを根に持つなんて狭量なことはないだろう、と信じたいところですが、同式典でベストイレブンを発表する際、スアレスだけふざけた写真を用いた組織ですから疑わしくもあります。
(※コパ云々とは別に、スアレスは噛みつき事件で半年の出場停止を食らわせたFIFAの式典になんて自分は行かないと宣言していた)
メッシへの心理的影響
各国代表戦にはさほど興味関心のない者としましては、アルゼンチンがムンディアルに出場できないとしてもちょっと寂しいくらいで終わりなのですが、そこに我らの大エースの涙が絡んでくるとなると話はまた別となります。
今回の件で心配なのは、残り5試合となった南米予選で4試合も出場停止となり(うち1つ消化)、自らを欠いたアルゼンチンがボリビアに敗れる様をホテル ロッカールームのテレビから見ることになったメッシの心境。それに関しては29日付のSPORT紙が、”傷ついてはいるが挫けてはない”と説明していますが、消化するには少し時間がかかるかもしれません。
バルサへの影響としましては、幸いと言いますか今週末のリーガ(対グラナダ)でのメッシは出場停止で出番はないので、対照的にブラジル代表でムンディアル行きの一番切符を手にしたネイマールに頑張ってもらいましょう。そしてバモス、レオ!
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