欧州連覇への挑戦が、ロンドンから始まる。
FCバルセロナは本日(明日早朝)ロンドンにて、夢のチャンピオンズ連覇へと向けた戦いを再開させます。国王杯はすでに決勝進出を決め、リーガ・エスパニョーラもマドリー勢との勝点差がじわじわ広がり順風満帆。欧州でもこの勢いを継続させ、1/4ファイナル行きへの大きなステップとすることが、今回のエミレーツ・スタジアムでの目標となります。遠征に次ぐ遠征と体力的にはハードな日程が続いていますが、大きなチャレンジを前にチームのモチベーションは上々。バルサはエミレーツで未勝利ですが、重要な試合でこのチームが期待を裏切ることはないですし、今回も安定した強さで良い結果を持ち帰ってくれることでしょう。
恐怖のトリデンテにどう対処する?
選手のコンディション管理には定評のあるルイス・エンリケと彼のスタッフたち。アーセナル戦に万全の状態で臨むため、ルーチョは直近のリーグ戦三つにて少しずつローテーションを実施し、最終ラインと中盤選手たちの出場時間を調整してきました(出たがりトリデンテは出ずっぱり)。この北ロンドン遠征ではまず間違いなく、豪華鉄板イレブンが先発を飾ることになるでしょう。昨季のミュンヘン決勝(対ユベントス)を始め、大一番で起用されては確実に結果を残してきた11人。心配があるとすれば、このところ不安定なダニ・アルベスくらいでしょうか。残りの選手たちは風邪とか胃腸炎を患ってなければ大丈夫^^
アーセナルのベンゲル監督は昨日の前日会見にて、「完璧なチームはどこにもないが、バルサはそれに近い」、「彼らのトリデンテは世界最高。彼らを止めるためには、グループとして抵抗しなければならない。私たちには良いデフェンサとポルテーロがいる」とコメントしています。ロンドンチームのキープレーヤーの一人は、ベテラン守護神のペトル・チェク。なんでもレオ・メッシはチェク相手にまだゴールがないらしく、ベンゲルさんも「この統計が続くことを期待している」と仰ってますが、仕事人ルイス・スアレスがあっさりとゴールを陥落させているような気もします。あ、チェクといえばイニエスタッソ再びでも大歓迎ですね!
アーセナルのプレー内容はよく知らないので、SPORT紙の戦術解説担当ピチ・アロンソさんの分析を参考にしますと、グナーの売りはこのチェクの安定感とトランジションの速さ(ウォルコットとチェンバーライン併用時)だとか。ラス・パルマスには良いようにボールを運ばれたバルセロナでしたので、如何にしてベンゲルチームのパスコースを潰すか、効果的なプレッシングとそのためのポジショニングが重要となります。
一方、MD紙によると最近のアーセナルは大一番ではポゼッションにこだわらず、より縦を意識したプレーで結果を出してきているらしく、バイエルンやシティ、リバポー、チェルシーらを50%以下の支配率で破っています。ポゼッションへのこだわりを棄てることで勝てると知ったベンゲルさんは、バルサ相手にも同じ方法で挑んできそうです。ちなみにロンドンチームのトリデンテによる得点数は、ジルー(18)、アレクシス(10)、エジル(6)の合計34ゴールに対してMSNは驚異(恐怖)の91ゴールですから、打ち合いはやはり避けますでしょうか。カード情報としては、ジェラール・ピケがあと1枚で出場停止になる模様です。
ルイス・エンリケ 「アブラカダブラと言えば、魔法が流れ出す」
ベンゲル監督がポゼッション能力で上回るバルセロナに対し、果たして同じ武器で挑んでくるのかどうかは、エミレーツ・スタジアムでのトレーニング前に行われたルイス・エンリケの前日会見でも最初に投げられた質問だったようです。アーセナルがどういうゲームプランで来ると想像しているか、と訊ねられたバルサ指揮官の予想は、グナーはカウンターアタックに賭けてくるんじゃないかというものでした。「それは私たち自身もしている質問だよ。彼らのチャンピオンズでの試合を観たところでは、引き気味にくるんじゃないかと思っている。局面においてはハイプレッシャーもまた仕掛けてくるだろうけれどね。私たちが相手陣内でボールを保持する試合になると思う」
「それに対する私たちの答えは、ポゼッションをしてゴールを狙わなければならないというものだ。私たちの目標はいつだってゴールを決めて勝つことで、それ以外にはないんだ。この段階からは、勝利を逃すことは可能性から遠ざかることを意味する。アーセナルの前線は非常に危険で、彼らのブロックは非常に強力だよ」
ベンゲル監督がバルサが「超本命」だと語ったことに関しては、「どの人の意見も私にはすばらしく思えるよ。本命と言われることを私たちは受け入れるけれど、同時に言葉だけでは何もならず、毎試合それを証明しなければならないことを私たちは知っているんだ。ボールを保持している時も、そうでない時も、上手く物事を進めなければならない」と受け流したエンリケ。彼はこのアーセナル戦はフットボルファンにとって魅力的な試合になるだろうと予想しています。
「アーセナルには試合を支配する能力があるし、両チームのスタイルによって非常に魅力的な試合となるかもしれないね。明日は最高のフットボルマッチが見られるんじゃないかと思う」
今回のルイス・エンリケ会見でメディアが最も多く取り上げているのが、メッシ、ネイマール、スアレスの三人をあなたはどう鍛えているのか?との質問に対するルーチョの答えでした。「私は彼らにアブラカダブラと言ってるよ。そうすると魔法が現れてエネルギーがほとばしるんだ。私はいつも良いデランテロ陣に恵まれてきたけれど、このバルサの攻撃陣は疑いなく世界最高だよ。説明の必要がないって事も、時として存在するんだ。彼らは自由にプレーをしているけれど、幾つかの守備的な義務があることも解かっている。彼らが始めるプレッシングに全ては懸かっているからね。それと同時に、私たちは彼らへと出来るかぎり最高のボールを届けたいと思っているよ。私たちは共通の目標を持っている。彼らをトレーニングするのはとても簡単、それが結論さ」
そしてレオ・メッシを含むチームのパフォーマンスについては、監督はこう語っています。「得点数、アシスト数など昨年の数字は驚異的なものだったけれど、今シーズンは々レベルか、それ以上だと私は思う。自分たちを新たに作り直せるのがこのチームの選手たちであり、レオこそがそのリーダーだ。彼にはどのポジションであってもベストとなれる能力がある」
ベルナベウ遠征と同じく、エミレーツ遠征もまた招集外となって傷心してるんじゃないかと予想されるマルク・バルトラに関しては、「もし私がバルトラだったら、改善するために何を考えるか?私はマルク・バルトラではないし、彼になって彼の若さが欲しいよ。けれども私は監督であり、45歳(の中年)だ」と半ば茶化したルイス・エンリケ。マドリー勢が躓いた日曜日はどのように眠りについたかとの質問に対しても、「妻と一緒によく眠ったよ。彼女と一緒だと、私はいつもよく眠れるんだ」とスルーしています。記者会見なんぞさっさと終わらせ、トレーニングに早く行きたいんだよ、てなところでしょうかね^^;
ということで、、今回のキーワードは「アブラカダブラ!」。まだ勝利がないというエミレーツでもまた、トリデンテの魔法がほとばしりますように!
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