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ウムティティ獲得に至るまで

3ヶ月前から始まっていたオペレーション。

オリンピック・リヨンのフランス代表セントラル、サムエル・ウムティティ(22)のFCバルセロナ入団交渉はもう事実上成立というところまで来ているようです。仏代表で合宿中のウムティティは昨日、バルサについての質問に「全部代理人に任せてあるよ。ユーロに集中している」と深入りを避けていましたが、「バルサは偉大なクラブ。多くの選手がプレーすることを望むだろうね」と少しだけ言及。バルセロナのメディアはこれに、ウムティティがバルサのことを喋ったぞーとお約束の反応をしています。

ユーロ2016で2試合連続の劇的勝利をし、すでに決勝トーナメント進出を決めているフランス代表。3試合目はメンバーを入れ替えるチャンスとデシャン監督が考えるなら、わざわざ公式会見に出てきたウムティティにフル代表デビューの時が訪れるかもしれません。それはクレが彼を見るチャンスでもあります。

2015年夏、ミンゲージャ代理人

サムエル・ウムティティのバルサ入団交渉に関しましては、17日(金)のSPORT紙が、オペレーションは火曜日にすでに締めくくられた、リヨンへと支払われる移籍金は3,000~3,300万ユーロだろうとしれっと伝えています。えっ、いつの間に。MD紙や仏L’EQUIPE紙はそこまで書いていませんが、事実上決着していると見て間違いはないのでしょう。

SPORTやMDには、バルサがウムティティを獲得するに至った経緯がそれぞれに説明されています。SPORT紙によると、バルセロナのテーブルに初めて彼の名前が乗ったのは2015年夏のことです。きっかけはバルサ会長選挙(2003)に出馬したこともある元FIFAエージェントで、レオ・メッシ少年の獲得をバルサに推薦した大物ジョゼップ・マリア・ミンゲージャ氏の息子ジュニオール・ミンゲージャが、フランスに良い選手がいるよと連絡を取ってきたこと。代理人氏は逃すべきでないチャンスだとプッシュしましたが、強化部長になったばかりのロベルト・フェルナンデスは真剣には取り合わず、この時は資料に綴じてお終いとしたようです。

若くてバルサに合うセントラル探し

しかしシーズンが進むと、バルサには再びセントラル獲得の必要性が生じてきます。“頭数はいるのに、ジェラール・ピケハビエル・マスチェラーノを安心して休ませられる選手がいない問題”です。それだけでなく、3月になるとそのマスチェラーノから今季限りで移籍を考えていると伝えられてさあ大変。是が非でもセントラルを見つけ出さなければならなくなったロベルト・フェルナンデスはここで方針を転換し、将来性ある選手に賭けることにしました。

ただし若くて毎年チャレンジしているマルキーニョスは、PSGが手放さない。では誰が良いか。そこでロベルトが思い出したのが、以前ミンゲージャ代理人に薦められていたウムティティでした。スポーツディレクターは若きセントラルをチェックすべく、スタッフたちをリヨンへと派遣します。提出されるレポートはどれも評価が高い。ロベルト自身もまた何度か彼の試合を見に行き、バルサ向き選手だと確信した彼は、クラブへとウムティティ獲得交渉を行いたいと伝えたようです。

チームメイトへの聞き取り調査

SPORT紙によると、ロベルト・フェルナンデスはまたウムティティを精査するなかで、彼のチームメイトにも“素行”を聞き取っています。選ばれたのはエスパニョールの下部組織で育ち、マラガで活躍したセルジ・ダルデル。そこでロベルトウムティティのチームメイトたちとの付き合い方やらを確かめ、バルサのロッカールームに適応できると確信した模様です。

そういえばウムティティはMD紙の取材に対し、「スペイン語を少し話せる。スペイン語の上手いチームメイトがいるから、幾つかの言葉やフレーズが言えるんだ」と語っていましたが、それがダルデルなのでしょう。

というわけで ゴール目前のサムエル・ウムティティ獲得作戦ですが、SPORT紙曰く、ひとつ余話があります。それはミンゲージャ代理人が再び連絡を取ってきて、あなたたちにセントラルの情報を最初に教えたのは私ですよ、と言ってきた件です。しかしロベルトは、代理人を介すのではなく相手クラブと直接話を進めるのがバルサの方針ですから、とコミッションを拒否。気を悪くしたミンゲージャ氏との関係がこじれたという話でした。

(MD紙によると、ウムティティがバルサ志望だと知っていた彼の兄で代理人のヤンニックは、リヨンとバルサが合意に至れば自分たちが条件交渉する、とリヨンのアウラス会長に伝え、会長と意見交換を続けていたのだとか。上述のダルデルロベルトにクラブと話をすべきと助言していたらしく、そういった話を見るとこの交渉は理想的に進んでいたみたいです)

 

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