トレード選手や移籍金を巡っての両クラブの隔たりは大きい
ネガティブ要素満載のオペレーション、目的が分からない
ネイマール移籍を巡ってのFCバルセロナとPSGの話し合い@パリが行われました。両クラブがネイ移籍を話し合うために直接交渉するのは、これが初めて。動きがあったといえばそうですが、バルサとPSGの思惑には大きな隔たりがあり、納得の着地点を見出すには遠いのが現状のようです(そのまま流れれば良い)。
ネイマール移籍を扱うための初会合
パリで行われたバルサとPSGの話し合い。
ネイ騒動にウンザリするPSGからの働きかけで実現した会合といい、バルセロナから出向いた強化技術部長のエリック・アビダル、理事のハビエル・ボルダス、南米におけるクラブ代理人のアンドレ・クリー(ネイとも親しい)を、PSGのスポーツディレクター、レオナルドが迎えています。
ネイマール移籍を扱うために両クラブ代表が交渉の席に着くのは、今回が初めて。
初回につき、まずはそれぞれが姿勢を表明し合い、これからも交渉を継続していくことを確認した話し合いでありました。
その点では、前進があったと言えます。
バルサとPSGの要望に隔たり
MDが報じるところによると、バルサが強く主張したのは「選手の交換のみ受け入れる準備がある」ことと「お金は支払わない」ことです。そしてその主張を「動かすつもりは微塵もない」と。
デ・リフト交渉においても、ライオラの要求に乗らず、追加オファーを出さなかったバルサ。なので今回も「選手交換のみ」のラインは譲らないかもしれません。
一方でPSGは「選手+お金」を要求しています。
ネイマールの後釜確保のために現金もほしいPSGが、選手のトレードだけで了承すると考えにくい。
トレードされる選手も、コウチーニョくらいしか思い当たらない。
となると、バルサとPSGは合意からまだ遠い、ネイ獲得は非常に難しい、となります。
(バルサ残留の意思を再三示しているラキティッチが、トレード要員を受け入れると思えない。デンベレも然り。セメドはバルサが拒否)
合意に近づく、と鼻息荒いSPORT
しかしネイマール獲得を連日押しまくっているSPORT紙は、「買取義務付きローン移籍での合意には成功しなかったものの、PSGと立場をすりあわせることは出来た」「直接交渉に持ち込めたし、話を進めるための共通項も見つけ出せた」と言います。
だからバルサ内部には程よい楽観論が生まれていると。
同紙曰く「ネイマールを値下げするための交換要員としてコウチーニョとラキティッチを入れることで両クラブが合意。両クラブが完全合意した場合、この2選手がパリへ行くことになるだろう」・・・
SPORTの見解では、バルサが選手交換のみを受け入れるとはしておらず、これからの話し合いで移籍金額を含めた最終合意を目指していくとのことです。
さて、あなたはどちらを信じますか・・・?
ネイマール復帰に反対の理由
わたくしはネイマール復帰に反対です。その理由はいくつかあります。
- ●バカ高い年俸
- ●そもそも獲得するお金もないのに
- ●火力はすでに十分、やる気のデンベレとグリーズマンがベンチに行く
- ●戦術的に使えるのか(グリジを獲った理由のひとつが守備での貢献)
- ●もう27歳
- ●退団の仕方がひどかった(自分の欲望を叶えるためになにも言わず去り、さらに契約更新ボーナスでバルサを訴えた)
- ●エゴ・未成熟
- ●PSGでレベルアップしたわけでもない(むしろ価値は落ちている)
- ●ロッカールームの要望、とかご勘弁(行き過ぎたオトモダチクラブ)
- ●バルサとマドリーの両天秤
- ●妹の誕生パーティ、父親、取り巻き
- ●フットボール外の騒音の多さ
- ●次も揉めて退団する未来しか見えない
- ●PSGはネイ問題を抱えていれば良い
なにかと「選手のサラリー総額が限界に近い」とかいうくせに、この超高給取りを加えようとしているのが理解できない。コウチーニョ獲得時の「入れるためには、まず出す必要がある」はどうした。
後ろ足で土をかけて出て行き、彼のポジションはすでにデンベレとグリーズマンで埋められている。
バルサに戻りたいというわりには、マドリー行きの可能性を残すために発言をしない。
メッシ、スアレスが喜ぶとして、グリーズマン、デンベレらと亀裂は生まれやしないか。昨今、クラブ運営におけるロッカールームの重み増加が問題とされる中で、これ以上オトモダチを増やすのは危険。
そしてポルトガルの海でリラックスして、“良い知らせ”を待つ家出王子・・・
誰がこの作戦を主導している?
少し考えただけでも、ずらずらとネガティブ要素が浮かんでくるにもかかわらず(グリーズマンの比ではない)、バルサが何故ネイを取り戻そうと努力するのか、正直分かりません。
実現するための資金もなく、将来的に非常に後悔しそうなオペレーションであるのに。
作戦を主導しているのは、誰だ。
セクレタリア・テクニカ(強化技術部)とは考えにくい。バルベルデも違うと思う。
となるとクラブのもっと上のほうで、ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長か。それならば、その理由はなんだ。バルトメウは公の場で二度も「デンベレの方がネイマールよりも優れている」と語っている。
ロッカールーム重鎮たちのご機嫌を取るため?
MARCAはメッシがネイに電話をしたと伝えているけれど、レオが会長にネイ獲得させるかといえば疑問です。バルサはレオ・メッシとの契約延長交渉を控えているので(2021年6月で終了)、勝手に気を利かせてネイを呼び戻そうとしている説の方がすっきりします。
アビダルにこの作戦の目的を訊ねたとして、ごにょごにょした回答しか出てきそうにない点が、気持ち悪さを膨らませているのです。
交渉のこれから
グリーズマンは強化技術部も納得の補強だったのだろう思います。でも彼らは、もうすでに戦力は十分だと考えているでしょう。これでまだ戦力が足りない、と考えるような強化技術部なら、資質を疑う。
となるとアビダルが交渉の場に赴いたとして、その言葉から本気の気迫は伝わらないんじゃないですかね。
アビダルは交渉1回目に派遣されただけで、16日に開催されるECA総会でバルトメウが直接アル・ケライフィ会長と会って話を進めるつもりなのか。
“お荷物”を整理したいPSGを説得するのに、気迫は必要ないのか。
ロッカールームの重鎮たちに対し“やった感”を出すことが目的であれば、わりと腑に落ちるんですけれどね。どうなんでしょうか。
とりあえずバルサは動いたので、次はマドリーがどういう一手を打ってくるかですな。
このニュースのまとめ
- ・パリで行われた、バルサとPSGのネイマールに関する初会合
- ・両クラブが要望を出し合い、合意到達にはまだ遠い
- ・ネイマール復帰に反対する理由は山ほどある
- ・誰がこの作戦を主導しているのか、見えない
コメント
ロッカールームの重鎮。メッシの事?
ユウさんの言う通り、まずはメッシ様の願いを叶えるという事で動いてるんでしょう。
理事会としても昨年から復帰の賛否をMDに取らせたりしての手探り状態。
理事会の中でも賛否が拮抗してると思いますよ。
ただ何もアクション起こすことなくサクッとマドリーに行かれるとメッシ様や一部ネイマール好きのクレの心証を損ねますから。
やるだけはやったというアリバイ作りは必要でしょう。
ネイマール本人はバルサ以外に行かないと表明すべき。
パリ首脳へだけでなくSNSを通じて表明すべき。
クレの支持は大事。
出て行く時もあまりに無頓着。
無条件に支持を得られると思っているならあまりに無邪気。
やりたいようにやるのは勝手だがあまりに未成熟。
リーダーの資質は皆無なのでメッシ後のバルサはまかせられない。
3年ほどいてもらってチャンピオンズ2~3個をメッシ様にプレゼントできればいいなーと割り切るしかない。
グリーズマンはどんな形でも活躍できるからインテリオールでもクワトロフゴネスでも行けると思う。
ただどーしたってデンベレは控えになる。
私生活を含めた覚醒が見られるならデンベレにかけてもいいと思う。
持っているものはネイマールとそう変わらん。
ただメッシと共にチャンピオンズ獲得には彼の覚醒を待っている時間があんまりない。
現場でしか分かり得ぬ事も多々あるので、
当面は理事会を信じて事態を見守る事にします。