傷心を闘志に変え、牙を研ぐ。
今持てる力を全て注いだけれども、伊王者ユベントスの壁は分厚く、1/4で敗退となったチャンピオンズ。シーズンの重要目標だったタイトルを1つ失ったことで、選手たちは傷心状態となっていると考えられますが、それが反発力を生むこともよくあります。手負いの猪(しし)がいっそう危険度を増すのは有名な話ですし、リーガ逆転優勝の可能性にすがりつくためにはベルナベウでの勝利が必要となれば、バルサ選手たちは今ぎらぎら危険な状態と言えるはず。チャンピオンズが消えて「葬式」(20日MARCA)と言っているあちらの人々に、がぶりと噛みつきたいです。
マドリディスモの幸福感に勝機はある
涙を流していたネイマールが代表していたように、チャンピオンズ敗退が決まってピッチを去るバルサ選手たちの表情はみな重苦しいものでした。しかしSPORT紙によると“その落胆は程なくして誇りへと変わり、さらに少しして激情へと移っていった”らしく。敗退にもかかわらずカンプノウの声援を受けて誇りを刺激されたなら良いことですが、その美談で止まってしまってはダメなわけで、そこから闘志が燃えて仕方ない状態になっているなら歓迎です。
一方、過程はともかく強敵バイエルン・ミュンヘンを退けチャンピオンズ準決勝進出を果たしたことで、今マドリディスモはイケイケムードとなっています。おそらくは全能感のようなものを感じていて、このまま欧州連覇と50数年ぶりのドブレーテへ突っ走るという雰囲気。カンプノウ上空に立ちこめる暗雲に不安を感じるバルセロニズモとは対照的な状況ですが、前向きに考えるなら、そこにこそルーチョバルサがつけいる隙があるといえるでしょう。
燃え尽きたバルサにとどめを刺してやるぞ、それでリーガはいただきだ、とあちらさんは大いに油断してほしいです。チーム状況で負けるバルサの希望はマドリディスモの幸福感にある。同紙編集長の意見に賛同します。
SPORT紙は“バルサ選手たちはまだ最後の銃弾を一つ持っていることを知っている”と表現していますが、呪われた海賊のジャック・スパロウやダイハードのジョン・マクレーンのごとく、絶体絶命と思わせながら一撃をお見舞いできればさぞ爽快でしょう。妄想に近いとしても、青えんじゴラッソ銃弾がマドリディスモを打ち抜く映像を思い浮かべ観戦への士気を高めたいです。
(ぼろぼろでベルナベウに乗り込み、ボコられた2007/08シーズンのことは思い出しちゃダメ!今のバルサはあれほど酷くない)
クレへ恩を返す機会
2年連続となる1/4 finalでのチャンピオンズ敗退にもかかわらず、カンプノウの観客から送られた拍手に選手たちは誇りを感じ、それが敗北への怒りやクラシコへの闘志になったというSPORT。ライバル紙MDのアプローチは少し違っていて、“選手たちはファンのサポートに恩義を感じており、それを返す最初(で最後かもしれない)チャンスが日曜日のクラシコだ”と言っています(こちら)。
そしてファンの援助に非常に感謝をし、ベルナベウでのインパクトある勝利によって彼らの愛情にお返しをしたいと願っているのがレオ・メッシだとMD。今やクリスティアノの方がメッシよりも決定的だ、というMARCAですが、ユベントスの守備陣を相手にあれだけ切れ込んであわや、というシュートを打てるのはレオくらいでしょうから、ベルナベウでは目にもの見せるところを期待しましょう。
怒りであれ、恩義であれ、選手たちが立ち上がるきっかけになるのであれば何でもOKです。日曜夜のプラット空港がバルサ選手たちの凱旋を待ちわびるファンで溢れますように。
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