モザイクまでは完璧、のち落胆:マドリー戦

不甲斐なく敗れ、クライフに勝利を捧げられず。

ヨハン・クライフに華々しい勝利を捧げ、マドリーのリーガを終了させよう!と意気揚々とクラシコを迎えたバルセロニスタ。しかしながらそんな目論みは残念ながら、失意をもって終わることになりました。ルーチョチームのプレー内容は冴えず、ベルナベウでのゴレアーダを再現するどころか得点機を作り出すことにも四苦八苦。自慢のトリデンテを封じられると出来ることも少なく、コントロールを失った後半はやられるべくしてやられてしまいました。試合は下駄を履くまで分からないと再確認した試合。シメオネ組とのチャンピオンズ決戦を前に、にわかに雨雲近付くルーチョチームです。

バルセロニズモにあった過信

今回のクラシコは、楽観論がクレを支配していました。思えばアーセナル戦、ビジャレアル戦と苦戦が続いていたバルセロナでしたから、ここは気を引き締めておくべきでしたが、今のマドリーには負ける気がしないとの空気が充満。ヨハン・クライフに勝利を捧げることもモチベーションになり、失敗はまずないだろう、との期待もありました。

選手入場時のモザイクは感動的でした。背番号14の巨大なユニフォームと、“GRACIES JOHAN”(ありがとう、ヨハン)の文字。その少し前にスクリーンに映されたビデオを見て いい歳をしたオジサンクレたちが涙ぐむ姿は、クライフの存在の大きさを改めて示していました。しかし試合前に感動しすぎると、どうも良い結果にはならないようです。この夜のバルサには、肝心のフットボルも欠けていました。

ゲーム序盤のジダネ・マドリーは、バルサに敬意を払いすぎではないですか?というくらいに現実的に試合に入ってきました。4-5-1の布陣を敷き、ベイルロナウドもまずは守備。マドリーのハイプレッシングがなかったことで、バルサのボール支配率は30分あたりには70%にも及びました。ただし相手のライン裏を突く動きは作れず、得点機はおろかシュートにもいけない。勝てても僅差になりそうだな、と思わせた前半でした。

後半はバルサがギアを少し上げたことで早々にジェラール・ピケの先制点が生まれ、これが勝利ムードも醸し出します。ワタクシもここで勝ったかな、と思ってしまったことは認めなければなりません。ピッチ上の選手たちも、同じように感じた節があります。

しかしフットボルでは、特にマドリーのようなチームが相手では簡単に勝てることはほとんどない。危機感を持ち、勝利に飢えてもいたジダネチームはここから高精度のトランジションでバルサを脅かしていきます。終盤はコントロールがまったく効いておらず、容易に自陣深くへと相手の侵入を許したバルセロナ。2度の決定機で2点を奪う、高い決定力を持つ相手にあれだけ攻め込まれれば、この結末も妥当なところです。悔しいけれど。

大事な試合でダメなイメージを発信

さらに悔しいのは、MARCA紙が勝利翌日(3日)の一面に「レ“アルマ”ドリー」(アルマは魂、精神力の意味)と見出しをつけるようなプレーをマドリーがしたのに対し、バルセロナに魂を感じることが、ジェラール・ピケの得点以外になかったことです。そういえば以前も、魂を感じたのはバルトラのヘッド弾だけ、みたいなクラシコがありました。バルサはこういう、マドリーに引導を渡すべし、というクラシコで逆に彼らを復調させる傾向があります。

南米選手たちが代表戦の長距離移動で疲労していた影響はあったでしょう。火曜日のアトレティコ・マドリー戦が視線の隅にチラついてしまい、ついこんな試合をやらかしてしまったとも考えられます。セルヒオ・ラモスは83分ではなく23分に退場となるべきでした。しかし世界中が注目するクラシコで、このダメなイメージを発信してはいけない。ましてやクライフに勝利を捧げようという試合でこれはあきません。ダメ試合のタイミングとしては最悪に近い。勝負事なので負けることはあるにせよ、“無様に”と形容詞が付く負け試合をしてしまったのが残念です。モザイクまでは、完璧だったんですが。

ルーチョバルサがトリデンテの破壊力で辛うじて勝点を手にした試合は以前もありましたが、3人がこれだけ揃って不発だった試合は今季初ではないでしょうか。このバルセロナはトリデンテ仕様にデザインされたチームですし、彼らが不発だと途端に打つ手がなくなるのが課題だと確認。機能していないレオ・メッシを中央に置き続けたことも、終盤に容易にカウンターを食らう要因のひとつとなっていました。

局面打開をベンチへと求めたルイス・エンリケの采配も失敗に終わっています。怪我明けでカードを貰っていたイバン・ラキティッチを下げるのは良いとして、ワンパターンにアルダ・トゥランってのはいかがなものか。メッシのいない右サイドを中心に懸命に守備をしていたラキティッチがいなくなったことでバルサの中盤は破綻し、マドリーのトランジションの餌食となってしまいました。トゥランを起用するなら、まだ適応していないインテリオールより、左エストレーモの方が好かったかもしれません。

 

ということでバルセロナはレアル・マドリーに敗れました。大きな貯金があったので、まだリーガ優勝への黄色信号は点灯していないとはいえ、勿体ない形でそのいくつかを吐き出してしまったのは事実。今後また勝点を取りこぼすようなことになればアトレティコは急接近するでしょうし、リーガは一気に風雲急を告げることになります。で、とてもイヤな感じがするのが、次節が恐怖のアノエタ訪問であること… なんともいやらしいカレンダーです。

しかしその前にまず、バルセロナはアトレティコ・マドリーとのチャンピオンズ1/4第一戦で良い結果を出しておかなければなりません。チーム状況が突然変わるのはフットボルでは良くあることですが、逆境を乗り越えたチームだけが栄冠をつかめる。クレはルーチョバルサの、クラックたちの反発力を信じております。幸い(?)次もカンプノウですし、次こそ良いフットボルで勝利し、御大に捧げましょうぞ。バモス!

 

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