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ダニ・アルベスSHOW「僕は二番手になるために生まれていない」

カンプノウに1万人が駆けつけた、ダニの再入団プレゼンテーション
38歳となっても意欲は衰えず、ポジションを勝ち取るために戻ってきたと熱く語る

月日が経っていても、アルベスに変わりはありませんでした。陽気で、際立つキャラクターがあり、情熱的で、勝者のメンタルを備えている。昨日11月17日はカンプノウにてダニ・アルベスの再入団プレゼンテーションが行われ、駆けつけた1万人強のファンを前にダニワールドを展開させました。その後の入団会見でも5年前と変わらぬ野心を示しクレを唸らせるラテラルです。

初心忘るべからず、の裸足

生まれついての勝者ダニ・アルベスが、陽気な空気を引き連れてカンプノウに戻ってきました。彼を出迎えるべくカンプノウを訪れたファンの数は、1週間前のチャビ(9,422人)をしのぐ10,378人。その人数もさることながら、場の盛り上がりぶりがすごいです。いかに彼が愛されているかの証。

そんな1万人のファンの期待を、ダニは裏切らなかった。動画を見ると、マイクを握っての第一声からスタンドの熱狂MAXですよね。2016年にユベントスへと移籍して以来、4年半ぶりのエスタディ。アルベスはまず、彼の名を叫ぶファンに向けてこう言いました。
「ここを去った時、僕は夢が終わったのかどうかを知らなかったけれど、まだ終わらないと夢は言っていた。だから僕は今再びここにいるんだ」

今回話題となっているのはアルベスが裸足でピッチに立ったこと(サンダルをサイドで脱いだ)。それは2008年の入団時を思い出しつつ、自分は変わっていないとのメッセージを送るためでありました。サンダルを脱いで裸足になった理由をラテラルはこんなふうに語っています。

「人生においては、多くのことが変わり得る。今日僕は、以前よりもイケメンになってるしね。でも変われないこともあるし、もう一度この芝生を踏むのに、他のやり方はできなかった。僕はここで大きくなり、そしてこのクラブを再び大きくするために戻ってきたんだ。このクラブは僕でもプレジ(会長)でもなく、キミたちの物だ。このクラブやエスクードを感じている人は、クラブをもう一度相応しい場所へと上げるために団結しなければならない」

ああアルベスですねぇ。この感じ。
ちなみにジャケットは2014年のFIFAバロン・デ・オロ式典で着用していたものらしい。彼はこの時、年間ベストイレブンに選出されています。

裸足になるのは、旧約聖書・申命記11-24の一節「あなたたちが足の裏で踏み込む所は、すべて、あなたたちのものとなり、荒れ野からレバノン山まで、ユーフラテス川から西の海まであなたたちの領地となる。」にちなむという。

ラポルタ、、前より太ってない?)

ファンに向けたスピーチも、ダニ・アルベスらしく前向きで野心的です。

「ロッカールームは、疑問の余地なくベストだよ。彼らはすごく若くて、このクラブで歴史を作ろうという希望を抱いている。僕らベテランが手助けをして、強さを結集しなければならないんだ。ポジティブになり、そして物事はハードワークと共に勝ち取ることを理解すれば、僕らは再び勝つようになるだろう。バルサはクラブ以上の存在なんだ」

「キミたちは僕を、キミたちの一人だと感じさせた。僕は変わってはいないよ。ここで続けていくだろう。それは僕がキミたちの一人だからだ。ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ・・・ そしてキミたちを産んでくれた母たちにバンザイ」(大喝采)

プレゼン前にバルサTVに向け
多くのことが変わったけれど、一つ変わらないことがあるんだ。ファンは最初の時と同じ僕を目にするだろう。顔だちは変わるかもしれない。でも魂や精神はNOだ。僕は若い頃と同じかそれ以上にハードワークを続けている。僕を見た時、ファンは僕が言っていることを理解するだろう。いつものように、このカミセタ(シャツ)を敬っていくよ」

プレゼン前に芝生をつまみ
「カンプノウの匂いがする、タイトルの匂いがするよ」

意欲は変わらない

その後、場所を移しての記者会見もまたダニ節が炸裂しています。
選手生活において二度目となる、バルサ入団会見。前回は25歳だった2008年のことで、13年後の今回は38歳という異例の新加入選手です。もしパフォーマンスが低調ならば、年齢のことをうるさく言われることをアルベスは承知しています。

僕には変わらないものがある。それは意欲だよ。髪の毛が少し減ったけれど、意欲は以前と変わらないんだ。このクラブが表すものを、僕は知っている。自分が貢献できることも知っている」
「ピッチの中だけでなく、外でも手助けができる。クラブとファンに相乗効果を生み出し、その相乗効果が結果を変えるだろう。人々が疑り深いのは普通のことだ。でも同じ方向に向かって漕いでいけば、船はより早く目的地に到着するんだ」

年齢なんてのは数字にすぎない
「人々はベストの僕を期待するだろうし、僕はそれに応えていくだろう」

そして、これです。38歳のベテランであろうと、若手の同伴者で満足するつもりは毛頭ないとアルベスは宣言しています。

僕は二番手になるために生まれていない。一番になるために生まれたんだ。ここに来たのは時間を過ごすためでなく、プレーをするため、ポジションを争うため。ハードワークで僕は、自分がこれまでに成してきたこと全てを成していくだろうし、ピッチ内から貢献するだろう。外からも貢献できるけれど、中からだよ」

チャビと話をしたし、ラテラルをするだろう。でも自分に限界は設けないさ。現時点ではラテラルでトレーニングをしていて、ポジションを勝ち取るために戦っている。過去に達成したものではなく、意欲によって勝ち取るんだ。このカミセタを切る権利を僕は勝ち取っていく」

熱い。熱いぜダニ・アルベス・・・!

ダニさんは会見で他にも素敵なことをたくさん言っているのですが、、あと一つだけ挙げるなら、、この言葉はいかがでしょうか。
「バルサのシャツにまた袖を通すのは特別だったよ。自分がカサ(家)にいると感じた。いろんなことを思い出したんだ。ここ数年のチームにはネガティブなことが多くあったし、今はそれを変える時だ。それがクラブやチャビ、僕の使命であるし、一つになることでのみそれは実現できる。クラブを以前のように変える。素晴らしい機会だ」

希望は生まれた。次は結果

このFIFAウィークのバルセロニズモは、チャビ・エルナンデス、それにダニ・アルベスという二人の伝説たちの復帰に沸きました。クレ界隈の期待の大きさは、平日昼間のプレゼンテーションにそれぞれ1万人のファンが集まる点に表れている。希望ならいくらでも歓迎、今のバルセロニズモには希望が必要ですから。
アルベスの会見では、メッシやイニエスタも戻ってくるかも・・・との期待の芽も開いています。

しかし肝心なのはピッチ上で物事がうまく回っていくことで、英雄たちの帰還がクラブを救うかどうかを、バルセロニズモはこれから見守っていくことになります。まずは土曜日のエスパニョール戦。そして来週のベンフィカとの決戦。いきなりの必勝の2試合で、チームはどんなフットボールを見せるでしょうか。いきなり結果が必要なチャビは大変です。

チャビアルベスの到来により、バルサ界隈の空気は一変しました。でも肝心なのは、繰り返しになるけれどもスタジアムで繰り広げられるフットボールの内容(と勝利)。レジェンド二人が若い才能たちを伸ばし、精神を変え、戦うプロ集団となることを期待しましょう。バモス、バルサ。

各コンペティションの選手登録期間はすでに終わっているので、アルベスの公式戦出場が可能となるのは1月から。それまではトレーニングにて選手たちを刺激していくことになる。契約期間は2022年6月まで。契約延長条件や解除金などは公表されていない。

コメント

  1. トム より:

    アウベス、まさかの帰還ですね。おかえりなさい。
    やってはいけなかった放出後、ずっと苦しんできた右SBのポジションを救うのは、やはりダニになるのでしょうか。

    アウベスが右SBとして最高だったのは、守備力や走力もそうですが、攻撃においてボールを持つと、ゲームメーカーのように振る舞えた事にあります。
    中盤でボールを回した後にサイドでフリーなSBを使う事の多いバルサにおいて、SBを起点として崩しができるのは、とてつもなく大きいメリットです。
    アウベスは自分で仕掛けながら周囲の動きを見て、連携して崩す事ができました。
    アウベス後にバルサに来たSBで、これが出来ていたのはセルジくらいですが、セルジにはフィジカルの強さや連携力、そして守備力が微妙です。
    他のSBは直線的なタイプが多かったですね。今のデストもそうですが。

    さて、38歳となったアウベスはどうでしょうか。
    攻撃におけるアウベスは、フィジカルよりも周囲をしっかり見ての崩しが上手いSBだったので、ここは往年の技術を発揮できると思います。
    守備においては、フィジカル次第でしょう。
    以前は抜かれても全速力で戻って潰すような守備もでき、粘り強い守備も読み合いも強く、高レベルの非の打ち所の無いSBでした。
    チャビ式トレーニングを1月までみっちりやって、年齢の衰えをどこまで補えるか。
    復帰まで1ヶ月半という時間が助けになるかもしれません。

    しかし今のバルサには、アウベスのレベルに合わせて連携できる右ウィングがいません。
    デンベレは崩しのレベルは高いですが、連携で崩すタイプではないので、アウベスとは合わない可能性が高いです。
    そうなると今はデミルしかいませんが、まだアタッカーとしては厳しい。
    デンベレがフィットするまで待つしかないですが、ケガもあるデンベレに任せきる事はできません。
    右エストレーモが、1月に補強する最優先ポイントになるかもしれませんね。

    今のバルサに補強が必要なポジションは数多いです。
    今必要なのは、ブスケの負担を減らせるプレイメイクができるピボッテ、右の攻撃を任せられる右ラテラル、中心となれるゲームメーカー、右から崩せる左利きエストレーモ、点の取れるストライカー、といった所でしょうか。
    アウベスがこの一つを埋めてくれたので、合わせて右WGも一人取ってしまいましょう。
    右を活性化させれば、左のデパイファティ+アルバもより活きてきます。