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バルトメウ前理事会の疑惑追求は検察へ:ラポルタは多くを語らず

ラポルタたちが前バルトメウ理事会に対する疑惑調査の結果を発表
ただし起訴するかの判断は検察へと委ねられ、一部ではそれに不満も

FCバルセロナが2月1日(火)、前バルトメウ理事会がクラブ運営において不正行為を行った可能性に関する調査 “forensic” の結論を発表しました。どんな不正が明らかにされるのか、と注目が集まった会見でしたが、ラポルタたちの説明は見方によっては歯切れが悪く。ボールは丸っと検察へと渡され、ちょっぴり拍子抜けといったところです。

検察に一任した

アダマ・トラオレオーバメヤンの入団プレゼンテーションとスポーツ的な話題もある2月初めのFCバルセロナですが、、こちらでは地味地味なテーマを取り上げてみます。前バルトメウ理事会の不正疑惑に関する調査、“forensic” についてです。

forensic は「法廷の」「法医学の」「犯罪科学の」「法的に有効な」を表す英単語。犯罪捜査における分析を意味する。

ジョアン・ラポルタ率いる理事会はここ数ヶ月、前理事会の不正行為を見つけ出すことを目的とした調査を、Krollという企業調査・リスクコンサルティングを専門とする会社に依頼していました。
その結果、犯罪と認定されうる幾つかの行為が確認されたとのことで、バルセロナ地方検察へと書類が提出された。それによって無事(?)起訴されるか否かは検察の判断に委ねられるわけですが・・・

ここで一つの議論が生まれます。
検察へと引き渡されたことを理由に、1日の会見における説明は、これまでの威勢のよかったラポルタからすれば歯切れが悪かったのです。別の表現をすれば、慎重。
会見場に登場した3人(ラポルタ会長、エドゥアルド・ロメウ副会長、ジャウマ・カンパネル弁護士)は具体的な個人名は一切挙げず、バルトメウの名前すら出されることはなかったのです。

ラポルタがもっとバッサリ前理事会を斬ることを期待していた人々には、これは拍子抜けでした。えっ、検察に丸投げしてクラブとしてはもう今後は何もしないの?と。ラポルタは記者さんから質問を受けるごとに「検察が確定するだろう」と繰り返しています。

犯罪だと考えられる行為をクラブが自ら告発していくのではなく、当局に判断を委ねたわけです。バルトメウ理事会に対しての行動を自分たちで決めたかったと考えるソシオとすれば不満でしょう。

前理事会の疑惑

ラポルタたちはこの会見において、あくまでも「推定」であると念を押しつつも、前理事会によって「不正な運営」「不適当な私物化」「文書偽造」「虚偽会計」が行われた可能性を認めています。

名前は伏せながらもカンパネル弁護士から説明された不正疑惑は、以下のようになります。追加説明はSPORTからです。

仲介者への不適当な報酬
「移籍手数料は通常は5%だが、33%もの手数料が見つかった。バルサに請求するためだけに作られた会社がある。契約からずっと遅くに作られた契約書で1,000万ユーロの手数料が支払われた」

マルコムケースです。2018年夏に移籍金4,100万ユーロで獲得したブラジル人選手の仲介手数料は怪しいところが多くみられ、ラポルタ理事会は未払い分の支払いを停止しています。この仲介人はミンゲージャ・ジュニオルのようです。

外国人仲介人との実態のない契約
「業務実態が一切明らかではない期間における外国人仲介人との契約が見つかった。オブサーバーとしての高額契約だったが、クラブの文書保管所には、この契約によって毎月出すと取り決められた報告書が全くない」

ルセイ〜バルトメウ時代において、ブラジル人選手の獲得に大いに関わったアンドレ・クリーに対しての疑惑です。ネイマール獲得の重要人物でありつつ、謎のブラジル人を複数連れてきた仲介人。ここ3年間においては、毎年70万ユーロ(約9,200万円)近くが払われていた模様です。クリーは2021年7月をもってバルサとの契約を解除されています。

疑惑の弁護士事務所
「ある弁護士の事務所が正当な理由なく、刑罰に関する合意で170万ユーロを、ある選手の獲得おける偽仲介で数百万ユーロを受け取っていた。誰かが金を手中に収めたのか?不正な運営にはこの類の疑問もまた含まれる」

ある選手、はグリーズマンだとみられています。そしてこの怪しい弁護士事務所はバルトメウ理事会のメンバーと関係があることを、後にラポルタが認めました。

会計操作
「バルサの経済状況を隠すための、故意の歪曲が見つかった。クラブの実情を反映していない完全に無理矢理な利益がいくつかある。これは虚偽会計と呼ばれるものだ」

アルトゥールピアニッチを交換トレードした際、バルサはアルトゥールを7,200万ユーロで売り、ユベントスからピアニッチを6,000万ユーロで買ったことにしています。そして会計では5,200万ユーロの利益だと記された件。バレンシアとの間で行われたシレセンとネトのトレードでも同様の会計処理がなされており、さすがに無理があるとForensicでは判断されました。

アトレティコへの違法な支払い
「若手選手に関する見せかけの権利を理由とした、プリメーラディビシオンのあるクラブに対する1,500万ユーロの違法な支払いの証拠が存在する」

バルサはグリーズマン獲得の際、ヒメネスやサウール・ニゲス、そして複数の若手選手への優先交渉権として1,500万ユーロを支払っていますが、そんな権利は存在しなかった模様。これについては2019年の獲得当初から言われていました。アトレティコはバルサがグリジと交渉していたことに不快感を示しており、告発も辞さぬとの姿勢を示していましたから、その慰謝料だったとされる1,500万ユーロです。

雑観など

悪名高きバルサゲートに関しては言及はなかったようです。
小狡い偽りの支出が明らかにされた一方、これだけですか?という印象もある。クラブに壊滅的ダメージを残したバルトメウ一味の運営が徹底的に調査され、確かに悪事が存在していたなら、しっかり明るみに出されることを願います。

ラポルタはこの会見では前バルトメウ理事会による経済的損失額を具体的には示そうとはせず、最終的にはKroll社の担当者さんが口を割ったことで「3,000万ユーロ以上」と分かっています。
そんな会長ですが、今後行われるオペレーションでは透明性を約束しており、大きな仲介手数料が支払われる場合は公表するだろうと約束してるんですよね。額の大きさよりも透明性が重要との理論。

ということで、もしハーラン獲得において選手父や代理人に巨額の手数料が払われる時は、それが明らかにされる・・・ 逆風そうなのが苦笑です。

コメント

  1. イザナギの目 より:

    バルトメウは真っ黒ですが、レアルが期待のブラジル人選手を立て続けに獲得してる事もなんか同じ匂いがするんですが。あとはバルサブランドにしがみついて離れないデンベレ君は明日シャビが答えを出すそうですね。ちなみにバルサ全関係者はプレーをさせない契約解除の方向らしいですが。はたしてシャビの答えは

  2. トム より:

    バルトメウの遵法精神の無さが目立ちますね…。
    また移籍市場における立ち振舞いも、経験不足というか知識不足が目立ちます。
    経験も実績も何も無いアビダルをSDに据えた結果、素人会長が良いように踊らされ、良い選手というエサに釣られてバルサの財産をばらまき続けたという事でしょう。

    まあ専門的な調査会社に依頼し、警察ではなく検察に直接書類が提出されているという事は、もう事態がかなり具体的に進んでいるという事ではないでしょうか。
    社会的にも非常に大きな不祥事で、証拠も新理事会による内部調査で明確に集められているでしょうし、検察も不起訴にはできないでしょう。
    そして刑事おいてバルトメウの実刑が定まったら、次は刑事の実刑判決を元に、民事における損害賠償請求も行われると思います。

    ラポルタも弁護士であるので、この辺のプロセスは信用できると思います。
    既にバルトメウの罪については何度も大々的に発表していますし、後は粛々と断罪に向けて行動するのみです。
    ラポルタにとってもバルトメウの断罪は人気取りに利用できるでしょうし、手ぬるい事はしないでしょう。

    バルトメウという男はバルサにとって、もう何もアピールする必要がないくらい、明白な悪です。
    断罪の時を待ちます。