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FIFAウィルスでアラウホとクンデが負傷し・・・ さてどう治療するか問題

代表戦にてセントラル陣ふたりが負傷、共に1ヶ月は戦列を離れる見込み
選択に影響を与えるムンディアルの存在

この2022年9月の国際代表戦ウィークは、FCバルセロナにとって痛いものとなりました。怪我が確定したところでは、ロナルド・アラウホジュレス・クンデが負傷。選手に最適な治療法を施すことは常に難題ですが、今秋はムンディアルなるものが控えていることで、特にアラウホは選択が難しくなっている模様です。

FIFAウィルス暴れる

ロナルド・アラウホは先週金曜日にオーストリアで開催されたイランとの親善試合において、右大腿部を負傷しました。キックオフからわずか30秒での負傷ですから、どういうことだと問い詰めたくもなりますが、外野ファンが怒ったところで怪我は治らない。選手やクラブが話し合い、どうやって治すのかを決めなければなりません。

今回アラウホが負った怪我は、FCバルセロナ公式サイトによりますと、「長内転筋腱の剥離」(avulsión del tendón del aductor largo del muslo derecho)です。
聞いたことのない怪我で、調べてみてもよく分からない。MDによると脚の付け根とか筋肉に痛みが生じ、安静にすることで改善していくらしく、痛みがなくなるまでの期間はだいたい1〜2ヶ月だそうです。

一方、ジュレス・クンデの場合も大腿二頭筋の負傷との公式発表。こちらも1ヶ月くらいは離脱となりそうです。

10月はバルサにとって重要な月で、16日のラ・リーガ第9節レアル・マドリー戦ほか、チャンピオンズでの3試合(インテルとの連戦とバイエルン戦)が待っている。
チャビはこれらの大一番に向けたチーム計画を練り直さねばなりません。まったくもって無茶なカレンダーの今季よ。それもこれも全部あ(以下略)

クラブの公式発表はまだないものの、メンフィスも4週間欠場、フレンキーも何試合かを欠場すると見られている。11月〜12月のムンディアル本番も怖い・・・。

手術か、保存治療かの決断

今回のポイントは、治療法の選択肢に「手術」が含まれている点です。
安静にすることで回復を目指す保存療法は、期間が短い代わりに再発の危険性があるという。一方で手術は信頼性が高い反面、回復までの時間が増える。11月20日から開幕するムンディアル(W杯)も断念しないといけないんですよね。

アラウホがどちらを選択するのか、ここに注目が集まっていて、その決断をするための医療会議が今日(9月26日)午後に行われる予定となっています。
参加するのは、アラウホ、医療部のドクター、そしてチャビも。

負傷直後は手術ではなく保存療法を選ぶと思われていたアラウホですが、クラブ医療部と話し合うことなく決定することを彼は望まず、患部の炎症がおさまるであろう月曜まで待って診断を聞くことにしたという。
最後に決めるのはアラウホ本人であっても、冷静になってから判断しようという姿勢は好感が持てます。

まあ実際のところ、復帰までの期間が短く済むであろう保存療法を選んだところで、2ヶ月を要する可能性もあるわけで。それならば手術をした場合とさして変わらず、信頼性の高い方を選ぶのが賢そうに思えます。ムンディアルはカタール大会で終わりではないでしょうし。

ロナルド・アラウホは27日、手術を受けることを決断。フィンランドへと渡り、ラッセ・レンパイネン医師の術を受ける。

ウンティティとかアンスの前例

ムンディアルへの強行出場、といって思い出されるのが、2018年のサムエル・ウンティティですよね。
ビッグサムは5月の時点でヒザに問題を抱えながらも、いったん回復したことでムンディアルに出場し、無理を重ねてヒザを悪化させた。その後も保存治療を選択。手術をしていたら復活していたとも限りませんが、無理をしたことでその後の選手生活が激変したのは間違いないです。

なのでアラウホがムンディアルに間に合わすべく急ぐのも怖い。

あとはそう、アンス・ファティもまた手術ではなく保存療法を選択し、苦労している印象があります。アンスの場合は手術よりもずっと早く復帰はできたとはいえ(2月3日負傷〜5月1日プレー可能診断)、再発させないための慎重起用がずっと続いている。

手術が絡む場合の判断はいつも難しいものです。

ピケの出番

同時に2人のセントラルが負傷する事態となった場合、例年であればいわゆる“セントラル危機”となります。毎シーズン一度や二度は発生する事態です。しかし今季はチャビの要望によって5人のセントラルを揃えていたことで、FIFAウィルスのダメージは軽めで済んでいる。こういう時のための5人体制ですから、さっそく効果を実感ですわな。

アラウホクンデが離脱することで出番が増えるであろうのが、ジェラール・ピケです。私生活の影響でフォームが整っていないのか、クラブ中枢部となにかあったのか、ここまでほとんど起用されてこなかったジェリにまだ実力が衰えていないと示す機会がやってくる。バモス、ピケ。

あとはそう、フレンキーのセントラル起用もあるかもしれない。

カンテラーノには出番が来ない

しかしですよ、アラウホクンデが負傷してもなおクリステンセンエリクピケがいる安心感の一方で、フィリアルの若手に経験させる機会を与えられないことを残念にも思うんですよね。こういう時こそカンテラーノの出番なんですが、それがない。
最近ではミンゲサもそうやってファーストチームに上がったわけですし、古くはプジョル先輩もそうだった。アラウホ自身、セントラル危機からチャンスを手にした選手ですしね。
上の層が厚くなることによって若手への扉は小さくなってしまう。難しいところ。。

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