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ニュー弾丸男、アダマ・トラオレ

 

この数日、トップチームの練習に参加。

代表選手たちが世界各地へとお勤めに行っている今週、トップチーム練習へと呼ばれている若者がいます。現在はフベニールAに所属している、アダマ・トラオレ(17)です。その売りはなんといってもスピードで、右サイドを駆け上がる姿はまさに弾丸。バルサのスピードスターといえば思い浮かぶのはクリスティアン・テージョですが、アダマは黒人選手の野性味を感じさせます。勢いに乗ったらもはや止める術はない、くらいのドリブル突破をする選手で、豪快なシュートも持ち味。1対1に強く、深く切れ込んでからのセンタリングで仲間のゴールをアシストします。一言で言うなら、とても楽しみな若者です。

 

タタも注目する資質

先週日曜日、ミニエスタディで行われたバルサB対デポルティーボ(0-1)を生観戦したヘラルド・マルティーノ。このゲームはなんと14クラブもの関係者たちが観戦していたそうなのですが、そのうちの1人であったビラスボアス(トッテナム監督)は試合後、「目を引いたのはアダマ・トラオレ」だと語っていました。そしてトップチームのボスたるエル・タタさんも、このアダマにはインパクトを受けたようで。監督は火曜・水曜と連続し、アダマをトレーニングに参加させています。この両日、下のチームから呼ばれた選手は彼だけだったことから、練習に頭数が足りないからというよりは、タタの興味で呼ばれたのであろうことが推測できます。

ピッチの弾丸であるアダマ・トラオレは、ここまでのステップアップ速度もなかなかのものです。バルサ入団は9歳の頃で、まずはベンハミンに所属。その頃から彼は体力とスピードがあり、元気一杯にピッチ右サイドを駆け回っていたようです。プレーするのはほぼ年上のクラス。2012年はカデッテAから開始するや、瞬く間にフベニールBの中心選手となり、フベニールAにも顔を出すようになっています。今年はフベニール所属ながら、バルサBの試合にも出場中。下部カテゴリーの監督たちは皆、彼が規律を守り働き者であると評しているみたいです(MUNDO DEPORTIVO参照)。

 

アフリカの血

アダマ・トラオレはカンプノウの近所で生まれた、ばりばりの地元民です。とはいえ両親がマリからの移民なので、外見はアフリカーノ(SPORT紙)。強力なフィジカルも、そういうルーツによるものです。

順調にここまで上がってきたように見えるアダマですが、当然のことながらカテゴリーが上がるに連れて幾つかの課題に直面しています。その一つが、年上選手と対峙することによるフィジカル格差の縮小です。同年代の少年相手なら黒人系の爆発力でぶち抜けても、年上だとそうもいかない。バルサBだとプリメーラ級の選手とも当たりますから、ユースとはわけが違うでしょう。信頼を得るには安定感も必要となります。そこでも同様のインパクトを残せるかどうか。彼のワイルドさは他にない特色なので、これからの伸びに期待であります。