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ルイス・エンリケ 「93分での勝利は心地良し」

チームとしての粘りが生んだ土壇場勝利。

難所メスタージャでの新星バレンシアとの一戦は、予想に違わぬ難しい試合となりました。93分のセルヒオ・ブスケツ弾によって勝敗は決し (0-1)、バルサ選手たちが歓喜を爆発させる結果となったものの、決定機でいえば五分五分でどちらに転んでいてもおかしくはなかったゲーム。最後の最後 まで勝利を目指して攻め続けたことがこの結末を呼んだわけですから、渇望の持つ力の大きさを改めて感じさせてくれる試合でした。勝点3が取れたのはクラウ ディオ・ブラボのパラドン連発のおかげでもありますから、カウンター対策に改善の余地は大有りですが、チームを強くするこういう勝ち方もたまには好いか。 上向きの流れはまた太くなりましたかね。

ブスケツのインテリオール起用

このバレンシア戦ではまず、中盤の構成がポイントとなりました。ルイス・エンリケはマスチェラーノをピボーテに配置し、インテリオールをセルヒオ・ブスケツとチャビで編成。試合後のミスター自らの説明曰く、これは「バレンシアの攻守の切り替えを回避し、中盤をコントロールするため」の采配でした。ブスケツにはチャビの後継となる資質があると思いますゆえ、期待のできる起用法だったのですが、残念ながら今回は“ハマったね!”という成果はなく。支配率は30-70ほどと圧倒しましたが、ダイレクトなインテリオール省略プレーが多かったので、セルヒオがボールをコントロールした感はありませんでした。

ルイス・エンリケは相手チームに合わせて自分たちのアプローチを変化させる傾向にあります。今回攻め手として用いたのはマスチェラーノとピケがエストレーモやエリア内を目掛けてロングボールやスルーパスを狙う作戦。それによって前半のピケ-ネイマール-スアレス後半のマスチェラーノ-スアレスなど決定機を確かに作り出してますので、これらが決まっていれば思う壺だったのですが、ジエゴ・アルベスの好守やらスアレスの焦り(?)やらで一歩届かず。その代償として往来の激しく落ち着かない試合となり、カウンターの餌食となっていたので修正が必要です。

デフェンサたちに関しては、前半の早い段階で3人(マテュー、アルバ、ピケ)がカードをもらうという難しい状況の中、2枚目のカードとなる危険を冒 すプレーなく終えられたのは好かったです。警戒していたバレンシアの速攻をそれでも何度か発動され、何度かピンチに陥りましたが、最後の砦クラウディオ・ブラボが前半終了間際の場面以外はキレていたのも大きかった。彼が後半フェグリとネグレドの決定的シュートを立て続けに止めたことが、その後の土壇場決勝点へとつながりました。

「最後の瞬間まで信念を持ち、自分たちを信じて勝った」

試合終了の笛が鳴るまで0-0で良しとすることなくゴールを目指し、勝利を目指していたことも勝点3を獲得できたポイントでした。終盤の締めつけがあったからバレンシアのゴールは最後に陥落した。そのチームの姿勢を「誇りに思う」と称えた指揮官は、この土壇場で勝敗の決したゲームを次のように振り返っています。「チームは良い試合をしたよ。プレーが不正確だった時間もあったけれど、私たちはプレーをコントロールしていた。それによってバレンシアはいつもよりも後ろへ退かざるを得なかったんだ。決勝点は最後のプレーで生まれた。両チームともに勝つチャンスはあったし、最後で試合が決まったのなら、それは私たちが勝利に相応しかったんだと思う

ブスケツの決勝弾は、ショートコーナーから生まれました。左から右へとボールを動かし、メッシが上げたセンタリングをネイマールが頭で叩き、こぼれ球をブスケツが蹴り込んでのゴール。これにはミスターも「スーパーに練りこまれたプレー」だと自画自賛しつつ、バレンシアの堅守を「得点するには3本のシュートを打ち込まなければならなかった」と称えています。

そして「これはチームを元気付ける勝利だ。メスタージャという厄介なスタジアムでの、とても難しいチームを相手の試合だったけれど、私たちはバレンシアを彼らの陣地で包囲し、ゴールチャンスを作り出した。チームには最後の瞬間まで信念を持ってプレーしていた。自分たちを信じることで勝利を掴んだ」と評価し、最後の選手たちの激しい喜びっぷりに関しては、「非常に厳しいスタジアムで苦しい試合をした後、93分に勝つのはとても心地の良いことだからね」と説明しています。

ポゼッションとダイレクトプレーのバランスで揺れているようにも感じられるチームですが、レギュラーを固定せずに試合によって表情を変える件に関しては、「メンバー変更でスタイルが損なわれていることはない。もしそういう感覚があるなら、私はこうはしていないだろう。私が第一に考えるのは、チームが上手くいくことだからね。シーズン終盤へと向かう最良の方法は自分たちがひとつのチームだと感じ、出来るかぎり多くの選手を起用することだと私は常々考えているんだ」とのこと。もうちょっと一つを熟成させても良いかとは思いますが、、後半追い上げ型のルーチョ式を信じ、春を楽しみにしたいと思います。バモス!

 

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