代役のセントラルを獲得するや否や。
27日(木)、FCバルセロナがある公式発表を行いました。ベルギー人セントラル、トーマス・ベルマーレンが火曜日にフィンランドにて右太もも裏の 筋肉(半腱様筋)の手術を受けるというものです。執刀医は同国の名医サカリ・オラバ氏。夏のバルサ入団以降、ベルマーレンは保存治療による回復を目指して きましたが、患部の違和感は一向に無くならず。バルサデビューを妨げている問題を解決すべく、手術室へと入る決断をしたのでした。クラブからの発表によれ ば、回復に要する期間は4-5ヶ月。普通に考えればベルマーレンの公式戦出場は来季以降に持ち越しとなりそうです。
オラバ医師 「手術をするのが最良の選択肢」
トーマス・ベルマーレンの状況について、クラブからの発表は非常に素っ気のないものとなっています。よって詳細を知るには、今回彼のオペを担当するサカリ・オラバ医師(69 歳。ハムストリングスの世界的名医)の言葉を聞くのが一番です。このドクターさん、スペインメディアからの取材を幾つか受けていまして、ベルマーレンの手 術をするに至る経緯をちら・ほらと説明。ESPORTS COPEのマイクに向かってはこんなふうに語っています。「私はベルマーレンとバルサのドクターたちと話しをし、彼らから送られてきた最新の検査結果を見た感想として、手術をするのが最良の選択肢だと勧めました。彼らは分かった、と言いました」
ベルマーレンが保存療法を行なっていくことになった経緯については以前、“クラブ医療部が手術を勧めたにもかかわらずアンドニ・スビサレッタSDが それを却下した”との報道(TV3)もありましたが、今ではもうそういう記載を見ないのでデマだったか。28日のSPORT紙では、アーセナルやらベル ギー代表からの勧めがあって、医療部が保存治療を選択したと記してあり、「ムンディアル期間中、私たちは保存治療がより有効だと決めた」というベルギー代表医師Kris van Crombrugge氏の言葉が載っていますので、こちらは確かそうです。
サカリ・オラバ医師はこの医療部の決断に関しては、「彼らが適用した治療方法は序盤では良い結果を出しうる」と理解を示している一方で、「もし結果が出なければ手術が必要となってきます。最初は(手術が)最良の選択肢ではないですが、今は待ち続けるよりはした方が良いです」とコメント。「シンプルですよ。手術をした方が、彼は早くプレーに戻れる。もししなければ、再発して怪我また怪我となる危険性が存在します」と言い切っています。
オラバ医師はまた、RAC1の取材に対しては「2-3週間でトレーニングを開始し、4-5ヶ月でプレーを再開できるでしょう。完全な回復を100%保証することは誰にもできませんが、80%以上か90%は保証できますよ」とコメント。もし仮に4月半ば頃に出場許可が下りたとしても、チームがタイトル争いをしていれば怪我明けの選手に出番は与えにくいですし、消化試合で機会がるかどうか。リスク回避の点でも、より可能性が高いのは万全の回復を確認した来年夏以降に復帰でしょう。
FIFAの許可が下りれば、代役を探す方向
そんなこんなでトーマスがほぼ今季絶望となった今、フロントがどうするか考えるのは、彼の代役となる選手を獲得するか否か、です。入団間もなく、ま だデビューすらしていない選手の代役探しなんていうのはまるで冗談か何かのようですが現実。これが即戦力を期待されてやって来たベテラン選手の出来事です から、ファン歴15年程度のクレには分からないバルサの不思議はまだまだたくさん存在しています。
さてバルサが今回適用できるかどうか何度も読み返しているレギュレーションは、時々発動するのを見かける、“病気か怪我で長期間(5ヶ月以上)の離脱者が出た場合は移籍マーケットとは無関係に代役となる選手を入団させられる” というアレです。通常であれば、ベルマーレンのケースは十分適応可能だと思うのですが、バルサにはFIFA処分なる重たい足かせが付いていますから、不用 意に行動しては手痛い目の倍返しを食らう。慎重にFIFAさんやスペインフットボル連盟にお伺いを立て、お墨付きをもらわなければなりません。
そして無事、両連盟からの許可が下りれば、続いてどこかの機関のドクターによる負傷証明書を取ることで、ベルマーレンの穴(空いたような、空いてな いような)を埋めるべくひとりの選手と契約を交わせるようになると。しかしながらこのレギュレーションが与えてくれる選択肢はとても少なく、リーガ・エスパニョーラに所属するチームの選手か、現在どこのチームとも契約しておらずどのコンペティションにも登録されていない浪人選手から選ばなければなりません。なのでマルキーニョスやらクアドラードは対象外です。
セントラルでなくてもOK
ただ、負傷したのがベルマーレンだからといって、バルサはセントラル(か左ラテラル)を獲得する必要はないらしく。冬のマーケットで退団が濃厚なマ ルティン・モントーヤの穴を埋めるための右ラテラル選手を獲得してもいいですし、もしFIFAさんの許可が下りた場合は、あらゆる選択肢をせっせと分析し ていく考えのようです。でもあくまで負傷した選手の代理登録ですから、獲得形態はどうなるんでしょ。
28日付のSPORT紙電子版が“興味深い選手”として挙げているデフェンサたちは以下の7人です。MD紙ではもっとメジャーどころのミランダ、ラポルテ、ゴディン、イニゴ・マルティネス、オタメンディらがリストアップされていますが、現実味はありません。
■ロメロ・ニョム(グラナダ):26歳。フィジカルが強く、セントラルも左ラテラルも可能。予算も500万ユーロ以内。
■カルロス・マルティネス(レアル・ソシエダ):28歳。カリレーロもやれる右ラテラル。バスクチームのレギュラー格で、攻撃参加が魅力。
■アルベルト・ロポ(デポルティーボ):34歳。空中戦に強いセントラル。価格も安い。
■コケ(セビージャ):27歳。簡単ではないが、300万ユーロ以上出すと決めればいけそう。大舞台を経験し、強いキャラクターを持つ。面白い選択肢。
■ヘスス・ガメス(アトレティコ):29歳。シメオネは重用しておらず、主力ではないが、彼が放出を許すとは考えにくい。
■ディエゴ・ルガノ(無所属):34歳。夏のムンディアルに出場するなど経験豊富。188cmの長身。
■ミケル・サンホセ(アスレティック):25歳のセントラル。バルベルデはここまで5試合しか起用していない。空中戦に強く、突出した選手ではないものの、後列からのボール供給にも慣れている。
もしベルマーレンの代役を呼んでこれるようになったとして、選手をスビが選ぶんであれば正直不安ですが、、、まさかのムサッキオ獲り!・・・ないわ なぁ。あるはずがない。なにはともあれ、手術が無事成功して、トーマスがカンプノウで幸せな日々を送れる時が早く訪れますように。
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