セグンダBチームとの手続き試合でも手を抜かず。
バルセロニズモがチャンピオンズ1/8の抽選結果に盛り上がっていた16日(火)、カンプノウでのコパ1/16ブエルタ、対SDウエスカ戦は行われ ました。敵地でのイダをバルサが0-4で先勝したことで勝敗への興味は薄く、しかも勤め人には厳しい平日22時キックオフ。さらには気温も8度ほどと、ス タジアム観戦に訪れるモチベーションを限りなく低くする要素が山盛りの試合でしたが、映像を見るかぎり、カンプノウへと足を運んだ44,844人の勇者た ちは元気良くチームを盛り立てていて感心するばかりです。その声援に選手たちも応え、ちんたらプレーすることなくゴールを決めまくって8-1のゴレアー ダ。観客は満足して家路についたことでしょう。
寒風吹く22時に45,000人弱
今回のウエスカ戦で、カンプノウに足を運んだのはクラブ発表で44,844人。厳しい観戦条件の試合にしては多い感じもしますが、ここ数年の1/16ブエルタは2013/14のカルタヘナ戦(22時)が47,280人、2012/13のアラベス戦(21時半)が57,655人、2011/12のオスピタレ戦(22時)が56,480人。2010/11のセウタ戦(22時)は38,971人、2009/10のレオネサ戦(22時)は26,322人、2008/09のベニドルム戦(21時)は23,422人なので、ペップ時代の途中からぐいっと観客数が増えてます。
まあそれはさておき、この試合で良かったのは監督も後に称えているように選手たちの姿勢でした。いわゆる消化試 合ですから、それなりにやっていればきっと事は足りのですが、プロフェッショナルであるからには一期一会のお客さんたちに満足してもらい、相手チームに敬 意を払いプレーするのが礼儀。ウエスカの選手たちが意欲的に挑んできたこともあり、集中した良い試合となりました。
ちなみにこの試合はクラブによって“ソシオ連帯デー”に指定されていて、普段スタジアム観戦の機会のない人たちのために、年間指定席を持っていて観 戦に来れないソシオ諸氏はその座席を譲ることで連帯を示そう、との呼びかけがなされていました。普段なら幾らかのキャッシュバックを受けて座席を譲るので すが、今回は無償での提供。そういった事情があったことで、スタンドには遅い時間にもかかわらず子供たちの姿が多数見られ、普段であればベッドに入ってい る時に彼らは選手たちへと声援を送ったのです。選手たちも張り切りましょう。
そしてこういう試合後の常として、本当にコパはイダ&ブエルタの2試合制で行う必要はあるのか?との論議も登場していて、是非を問われたルイス・エンリケは「私個人としてはそれが良いけれど、決めるのは私じゃない。4万人の観客が来て、選手たちが頑張ってくれたので良かったよ」との見解を述べています。
ドン・ペドロと力を示したモントーヤ
ウエスカ戦における主役の1人はやはり、前半だけでハットトリックを決めたペドロ・ロドリゲスです。若い選手た ちが過半数の先発イレブンの中で、マスチェラーノ、アドリアーノ、イニエスタとともにチームを締める役割を担って登場したペドロ。実はワタクシ、前半はハ イライトしか見ていないのですが(スミマセン^^;)、ペドロの3ゴールはどれも「これがプリメーラのデランテロだぜ!」というような風格を感じさせるも ので、ゴール後の余裕感がとても好いです。ゴールは先制点がダイビングヘッドで、2、3点目は左足と右足。それぞれにタイプが異なっていて、ペドロのシュート感覚が戻ってきたのはこれからに向けてとても心強いです。
チーム全体としては、ペドロの先制点とセルジ・ロベルトの3-0はサイドを深く破ってからの得点で、ペドロの2点目、イニエスタの4-0、アドリ アーノの6-0、サンドロの8-0はいずれも中盤から前線への裏へのパスに抜け出してのゴール。いつもこれくらいスペースを突ければ助かるんですが、、、 なんにせよヘタフェ戦でのフラストレーションはとりあえずこのゴール祭りで払拭できましたし、土曜日のコルドバとの年内最終戦にも気持ちよく勝って、冬休 みを迎えましょうぞ。
マルティン・モントーヤも主役の1人でした。代理人による移籍希望発言が効いたかはいざ知らず、ルイス・エンリケは今回はドグラスに優先してマルティンを先発起用。フル出場したカンテラーノは好パフォーマンスでそれに応えています。前半は本職の右ラテラルでプレーし、ドグラスが登場した後半は左ラテラルへと移動。セルジ・ロベルトのゴールをアシストしたほか、自らも惜しいシュートを放ったりしていまして、何故ここまでルーチョが彼を干しまくっていたのかは本当に解かりません。この試合においては、モントーヤ>ドグラス。次のコルドバ戦もアルベスは休みそうなので、監督、チャンスを活かした若者に是非もう一度チャンスを!
テクニックとスピードでマークをぶち抜いた、アダマ・トラオレのトップチームでの公式戦初ゴールもゴチソウサマでした。
ルイス・エンリケ 「これ以上を想像するのは難しい」
そういうウエスカ戦でしたから、試合終了後のルイス・エンリケも満足げ。スコアだけなら0-3で負けてもOKな試合に真剣に臨み、良いイメージを残した選手たちを監督はまず第一に称えています。「選手たち全員のメンタリティを強調したい。選手たちはこのモチベーションの少ない試合に、相手チームへの敬意をもって臨んでいた。私たちをサポートしにきてくれたファンの数にも驚かされたし、選手たちは個人レベルでもチームレベルでも非常に良かった。この手の試合は簡単ではないんだ。みんなを強くする試合だったと思う」
立ち上がりにウエスカに好機を作られたことや、最後にコーナーからあっさり失点したことを心配しているか?の問いにはエンリケはNOと答えました。「私たちは守備面でものすごい試合をしたと思う。ウエスカのレベルはセグンダBのそれを大きく上回っているよ。彼らはイダでも私たちのエリアへと迫りチャンスを作っていた。けれどもそれはコパの対決では普通のことで、ウエスカがセグンダBでグループ上位にいることを私は不思議に思わない。ただ、姿勢や攻守の内容において、これ以上の試合を想像するのは難しいね」
以下、その他のテーマに関する監督のコメントです。
■モントーヤがフル出場
「彼を90分間プレーさせたのは、トレーニングでの様子を見ていて、彼に能力があると思うからだよ。どんな選手も、状況を変えることができるんだ。出場した他のチームメイトたちと同じように、彼のレベルもとても高かったよ」
■アダマはトップチームでやれるか
「どのようなことにもプロセスがあるし、選手たちは向上が求められる。私の元には優秀な選手たちがいて、アダマはそのうちの一人だ。彼には飛び出し、ゴールを決めるチャンスがある。けれども彼は待ち、出場時間を勝ち取るために戦わなければならない。彼のチームメイトたちのようにね」
■エリック・アビダルについて
「残念ながら私は彼と一緒に仕事をできなかったし、ロッカールームを共にすることもできなかったけれど、彼の人としての資質は知っているよ。全てのクレと、チームメイトたちの心には彼がいる。引退する瞬間はいつかは訪れるし、それは気持ちの良いものではないさ。私は彼の克己する力と、決して屈しない熱意を評価してるんだ」
コメント
モントーヤは結構効いてましたね(^ ^) さすがアルベスが認める選手です。アダマのゴールの前のドリブルもキレッキレで凄かったです。