愛されしドンが、バルサでの選手生活にピリオド
終わってしまいました、アンドレス・イニエスタのバルサ時代が。僕らはもう、彼の魔法を、あのダブルタッチを、あのドリブルをパスを、カンプノウで見られない。レオ・メッシとのコンビネーションを見られない。ぽっかりと心に穴が空いたような気がします。
バルサの虜となって20年ほど、これまでにもペップ・グアルディオラを始めとしてカルラス・プジョルやチャビ・エルナンデスら、大好きな選手、偉大なるカピタンたちがクラブを離れていったのですが・・・ 今回のイニエスタの退団はそれらと比べても寂しさが大きく。しばらく後を引きそうです。
二冠を祝い、イニエスタにお別れを告げる会
レアル・ソシエダ戦終了後のカンプノウにて、二冠を祝い&アンドレス・イニエスタにお別れを告げる会は始まりました。
音楽とダンスのショーが場を暖めた後、まずはピッチにスカッドのスタッフ・テクニコたちが登場します。エルネスト・バルベルデさんは映画パルプフィクションのテーマに乗って登場です^^ 好きなんでしょうか。
そして選手たちが一人ずつ順番に、名前をコールされての入場です。それぞれが「#8 A. INIESTA」のシャツを身にまとい、ある選手は子どもを連れて・・・ 選手名がどうアナウンスされるのか、どの選手への声援が大きいのか、などなどが興味深い、好きな演出です。
そうしてスカッドが作り出したパシージョの間を、大歓声を受けてイニエスタが歩んでいく。
ローマでの大失敗が悔やまれはするものの、こうやってドブレーテ祝勝会でイニエスタを送り出せたのは良かったです。ごく限られた選手だけに捧げられる、特別な場。ここに居られたファンは、一生の思い出でしょう(観戦記募集!)。
「みんなのことがとても恋しくなるでしょう」
アンナ夫人に記念の額入りユニフォームを手渡されたイニエスタは、ファンに向け、次のように感謝のスピーチをしています。簡潔ながらも、心のこもったメッセージ・・・
「すばらしい22年間でした。僕にとってこのクラブは世界一で、このクラブのエスクードを守ってこれたのは誇りであり喜びでした」
「みんなに、チームメイトの一人一人に感謝をしています。僕はみんなのことがとても恋しくなるでしょう。ここへ来た時から、僕はみんなの愛情と敬意を感じてきました。それに感謝を言いたいんです」(拍手)
「僕は一人の子どもとしてここへ来て、一人の男としてここを出て行きます。何度も何度も僕が残るように求めてくれたことにありがとう。僕からただ一つ言えるのは、みんなのことをいつまでも心の中に連れて行くということです」(大拍手)(そしてイニエスタコール)
「最後に、今週の僕に言葉はありませんでした。ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ、そしてビスカ・フエンテアルビージャ」
そしてチームメイトたちによる胴上げ。
ここまでして、移籍先発表で「やっぱり残留します」とか言い出すとみんな大ズッコケですが、それでもクレは笑って許すでしょう。考えに考えて出した結論を、ドンが翻すわけないんですけどね。
ホワイトアスパラガス
下部カテゴリーにすごい選手がいるらしいぞ、とのウワサが聞こえてきたのは2000年とか2001年とかだったでしょうか。
当時は今ほど情報が氾濫していませんでしたから、日本で知れることは限られていたのですが、格の違う少年がいることは伝え聞こえていた。2002年10月29日のチャンピオンズ・ブルージュ戦でバンガールがイニエスタをデビューさせた日は、ついにきた!と胸ときめきました。
その頃、某プレミアリーグ系解説者さんが色白イニエスタを見て「華がない」「スターには成れない」と言い切っていましたが・・・ 残念でした、大ハズレ!
たしかにデビュー頃のイニエスタはホワイトアスパラのごとき外見で、そう思ってしまったのも分かる。今ではきらめくゴボウとでも言いますか、たくましい男になったものです。人格も優れ、フットボール界全体から敬愛される大スターになりました。
最高だったのはやはり、チャビ、メッシとともにバロンデオロの最終候補を独占した“ちびっ子三銃士”時代。その三銃士もチャビに続いてイニエスタが抜け、残るのはD10S メッシだけですから・・・。
これまでありがとう、イニエスタ
イニエスタが神戸にくるかもしれない、とのニュースが流れた時は、中国に行くなら日本へようこそと心も弾んだのですが、いざこうしてドンのバルサ最後の日を迎えると、神戸にくることを嬉しく思えない。イニエスタのプレーはやはりバルサで見たいですから。
兵庫県民なので、ホームゲームは全部観に行けるんですけどね。
でも願うのはイニエスタの幸福な日々。異国での新たなる挑戦が、すばらしいものになってほしい。
下の写真、無人となって照明もほぼ落ちたカンプノウのグラウンドで、イニエスタはどんなことを考えているんでしょうか。
これまで16年間、バルセロニスタに山のような素敵な時間をプレゼントしてくれてありがとう、アンドレス・イニエスタ。 イニエスタが世界最高だというクラブのファンでよかった。クラブの扉はいつでも開いているので、しばらくしたら是非また戻ってきて、今度は若者たちを育ててください。
ではまたその日まで!
このニュースのまとめ
- ・レアル・ソシエダ戦がイニエスタのバルサでの最後のゲーム
- ・試合終了後、カンプノウにて二冠祝勝&イニエスタのお別れ会
- ・「キミたちのことはいつも僕の心の中に」
- ・イニエスタはやはりバルサで見たい・・・
コメント
長年拝読させていただいております。
昔のようにカタラン語訳を関西弁に戻してもらいたいな、と心の片隅で小さく願っている一読者です。
気が向いたら、たまには関西弁でお願いします。