深夜2時までロッカールームにいたという
選手アンドレス・イニエスタにとって、FCバルセロナでの最後の試合となった先日のレアル・ソシエダ戦。後半ベンチに下がってからの表情や仕草など、クレを泣かせる映像満載の夜でしたが、特に印象的だったのは退団式典も終わって照明が落ちたカンプノウのピッチに、ただひとり座って佇むイニエスタの写真じゃないでしょうか。
5月22日付のMDによりますと、イニエスタはあの夜、深夜2時を過ぎてもまだカンプノウのロッカールームに残っていたんだそうです。シャワーを浴びたり、着替えたりすることもなく。愛するバルサのユニフォームのままで。
卒業式の後、なんとなく教室にもう少し居たいような気持ちになったりもするあの気持ち。イニエスタの場合は恐ろしく濃密な時間を過ごしたロッカールームですから、この時がもっと続けば・・・と思っていたかもしれません。
その時、ツイッターに投稿したのがこちらです。
— Andrés Iniesta (@andresiniesta8) 2018年5月20日
「やあ、みんな。僕はまだここに居るよ。どうやら出ていくのに苦労してるみたいだ。それで、ええと、いつも言ってきたように、みんなの愛情に感謝してる。今日は魔法のような一日、忘れられない一日だったよ。今日のことを僕はいつまでも忘れたりしないだろう」
「みんなが示してくれた愛情と敬意に、僕がお返しすることはできないよ。みんなにキスを」
ファンに自らユニフォームをプレゼント
アンドレス・イニエスタのバルサ最後の夜には、いくつかのエピソードがあります。
その1。熱いファンへの気遣い。
カンプノウの北ゴール裏席に、セレモニーが終わってもイニエスタの名前を叫び続けている熱いファングループがいました。イニエスタはロッカールームに帰っていましたが、再びピッチへと出てそのファンたちの元へと行き、背番号8のバルサユニフォームを直接プレゼント。自分なら失神しそうです。
その2。深夜のピッチにて。
冒頭の写真が撮られたのは、深夜1時頃だそうです。家族は一足早くスタジアム近くのレストランで彼を待っていたのですが、イニエスタはまたまたピッチへと出て、センターサークルに座ってスマホで写真を撮ったり。アンナ夫人はその様子をベンチから見つめていました。
しばし一人での時間を過ごした後、ドンは名残惜しそうに観客席を眺めつつ、ゆっくりと歩いてロッカールームへと引き上げるのですが、実はスタンドにはまだ後片付けをしていた20名ほどのスタッフたちがいたらしく。彼らからイニエスタへと、この夜最後の拍手が送られたそうです。沁みる。
その3。ロッカーを空ける。
そしてイニエスタはロッカールームへと戻り、ファンへ宛てた動画を撮った後、ロッカーを空にした模様です。「出ていくのに苦労して見るみたいだ」と語っている時は、まだロッカーは空になる前だったのかな。アンナ夫人はやはり少し離れたところから、レジェンドのバルサでの最後の時を見守っていたのでしょうか。
アンドレス・イニエスタのバルサ退団は、まるで自分の心の一部がどこかに引きはがされてしまったかのような感じすらします。
今日にもイニエスタの移籍先が発表されるだろうといわれていますが、予想される騒ぎにはちょっと乗れそうな気がしない。輝かしいイニエスタのバルサ時代が、もうすでに過去のことなんだなと思うと、切なくて旅にでも出たい気分です。神戸に(違う)。
このニュースのまとめ
- ・イニエスタは日曜夜、バルサ最後の時間を過ごした
- ・照明の落ちたカンプノウのピッチに一人で
- ・深夜2時までロッカールームに居たという
- ・1時にファンへ向けたメッセージをSNSに投稿
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