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完璧な週末:セビージャ戦

バルセロニスタの希望があれこれ叶った、この土日。

FCバルセロナとクレにとって、この2月最後の週末はこれ以上にないほどのステキな結果となりました。サンチャゴ・ベルナベウが失意と怒りに包まれたその翌日、カンプノウではルーチョチームが難敵セビージャとの接戦を制して2-1の逆転勝利。白いマドリーチームに12ポイントの差を付けただけでなく、1988/89シーズンに彼らが作った公式戦34試合負けなし記録にも並んだことで、幸福感も二割増しといったところです。この34試合での成績は28勝6分、得点102の失点19と文句の付けようなし。2年連続トリプレーテ達成へ向け、怖いくらい順調に歩みを進めています。チームが苦しいところで芸術的フリーキックを突き刺した大エース・メッシもお見事でした。

真のエースに引っ張られ、ハードワークで勝利

応援するバルサが勝ち星をまたひとつ重ねることは、ただそれだけでもファンを幸せにしてくれるものですが、レアル・マドリーがまたもや勝点を逃し、あーだーこーだの騒ぎになっているうえでの勝利は、これまた極上の余韻をもたらしてくれます(他人様の不幸を楽しむなんて、嗚呼なんて人間が出来てないのか!まだまだ修練が足りません)。

試合は簡単ではありませんでした。最終的な戦績は振るわないものの、いつもバルサを苦しめるウナイ・エメリ監督のプランニングは今回もまたなかなかに機能。中盤をローテーションしたバルセロナはアンダルシアチームの守備を破れず、最後まで勝負を諦めないセビージャに押し込まれた試合終盤は、ベンチも含めたチームが一丸となって勝点3のために汗を流しました。モノを言ったのはクラックたちの決定力ですが、それも全体のハードワークがあってこそです。

勝利の立役者はカピタンマークを腕に巻き、大エースとしてチームを牽引したレオ・メッシでした。我らのレオは、チームが必要としている時には大抵ナントカしてくれる真のエース。セビージャの組織的な守備に手を焼いたこの試合も、彼のカミソリのようなフリーキックがサイドネットへと突き刺さったことがきっかけとなり、バルセロナは逆転勝利へと向かいました。白組のエースさんが大一番でさっぱりなのとは対照的に、我らのメッシはバルサに勝点を与えてくれる。チームメイトが自分のレベルにあれば、なんて迷いごとを言うこともなく、クレを笑顔にする最高の10番です。

数年前にバルセロナのサイクルはもう終わった、、と喧伝していた方面の人たちがむしろ終わりなきゴタゴタに苛まれ、底の見えない沼にずぶずぶと沈んでいく。ルイス・スアレスネイマールが惜しみなくサポートするレオ・メッシに引っ張られたルーチョバルサは、白いお船がタイタニックと化す様子を冷静に見つめながら、これからも油断することなく着実にタイトルへ向かって進んでいくでしょう。

今回カンプノウでバルサを苦しめたウナイ・セビージャは、5月22日に行われるコパ・デル・レイ決勝の対戦相手です。彼らのパフォーマンスはその決勝戦が決して簡単には行かないことを印象付け、もしリーガとコパをすでに獲得した気分でいるなら、それは間違いだぞと警句をバルセロニスタに向け発しました。ルイス・エンリケが何度も繰り返し述べているように、本命であることはグラウンド上のプレーで示さなければならない。自分たちを過信することなく、一試合ずつ、一試合ずつであります。

今季9度目の逆転勝ち

MD紙によると、このセビージャ戦はバルセロナにとって、今季9回目(リーガでは5度目)となる逆転勝利だそうです。今回は決して眠って試合に入ったわけではなく、ルイス・スアレスのミサイルシュートがクロスバーによって阻まれるなど先制のチャンスもありましたが、19分にクローン・デリトレモウリナスイボーラらに上手くアレイシ・ビダルのサイドを破られ、最後はビトロにネットを揺らされてしまいました。守備組織の優れたセビージャにリードされることは、正直しんどい展開。インテリオールのレギュラー格、イニエスタラキティッチを揃って休ませた影響が前半は感じられました。アルダ・トゥランアレイシ・ビダルはまだ適応途中ゆえ、仕方ないですけれど。

選手交代枠を使いきらないことが多いルイス・エンリケが、75分を待たずして3人を交代させたことも印象的でした。直前のアーセナル戦では先発した11人がフル出場したのとは対照的に、今回はアレイシ・ビダルアルダ・トゥランセルジ・ロベルトをベンチへと下げると、鉄板メンバーのダニ・アルベスアンドレス・イニエスタイバン・ラキティッチを次々投入。この勝負を本気に取りにいくぞ、とのメッセージとしています。それでもチームは試合をコントロールできず、最後はどたばたしたわけですが、これはセビージャを称えるべきでしょうか。選手たちに連戦の疲れが溜まっているのは確かですから、上手いやり繰りが必要となってきます。

思った以上に苦しめられたとはいえ、逆転勝利によって勝点3を得たこと、これがこのセビージャ戦の最大の収穫となります。ベルナベウにて2位アトレティコが勝利したことで、彼らとの勝点差8を維持し、ついでに3位マドリーとの差を12へと拡大するためには、是非とも勝利が必要だったこの試合。無事そのミッションを完了したことで、ルーチョバルサ号はまた一歩リーガ連覇へと向け前進です。一方で白いクラブは大事な3位争いに突入と。

ルイス・エンリケ 「申し分ない状況」

観客席やテレビの前で気楽に観戦しているファンでも息苦しいゲーム終盤だったわけですから、勝敗の責任を両肩に背負い、ピッチサイドで選手たちを鼓舞していたルイス・エンリケにとってはさらに苦悶の試合だったことでしょう。試合終了後の会見室にて、バルサ監督は両チームの健闘を手放しで称えました。

「この手の試合は、苦しくなるものなんだ。2-1とした後、私たちには勝負を終わらせるチャンスが何度かあったけれど、セルヒオ・リコの活躍とセビージャの踏ん張りにより、そうはならなかった。私にとっては、今季カンプノウを訪れたチームの中でこのセビージャが一番だったよ。だからこそ選手たちのパフォーマンスには満足している。先制されたことで、私たちにはかなりの努力が求められた。すばらしいライバルに対し、チームは非常によく試合に没頭していた。汗を流せることを示したチームにも満足だよ。セビージャはクオリティが高く、大胆さもある。まだフエラで勝っていないなんて驚きだ」

バルサはセビージャとコパ決勝で再び対決します。エメリチームの危険性について、ルーチョは次のように説明しました。「一発勝負でも、二発勝負でも、セビージャは危険なチームだよ。ウナイに率いられたセビージャはハードワークが並外れていて、フィジカルが強い。連係によって相手にダメージを与えるフットボルをしているよ。得点力もあり、ガメイロを擁する攻撃は非常に速い。かなり厄介な相手だね。またオープンな展開になったこと?試合を分析する必要がある。ポゼッションによって相手チームを疲れさせることが時々あるけれど、今日はそうはいかず、試合は最後までオープンになっていた

メディアは公式戦34試合負けなしの記録に沸いていますが、ルイス・エンリケがそれに胸を張ることはありませんでした。「その記録は私にとって全く重要ではないんだ。もし重要な意味を持つとするなら、それは私たちがタイトルを取った時であって、その時になれば記録を思い出す必要もあるだろうね」

とはいえ、その連勝によってバルサがタイトル争いを非常に有利に進めているのは事実であり、ライバルたちがつまずくことで、勝点差はじわじわと広がっています。「私たちはアトレティコを8ポイントリードし、直接対決によるゴールアドバンテージでも有利になっている。レースの終盤がそろそろ近付いてきているし、申し分ないポジションにいるのは確かだね。マドリーが脱落したか?他所さんのことは話さないよ」

そしてこのセビージャ戦で実施したローテーションに関する質問に対しては、「私のチームの中には、先発も控えも存在はしていないんだ。他の選手と比べて出場時間の多い選手、少ない選手はいるけれど、全員が試合に参加している」と答えたルーチョでした。

 

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