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テル・ステーゲンと話し合う

もっとたくさん試合に出たいと不満を燻らせるポルテーロ。

先週金曜、ドイツのウェブサイト sport1.de 内でマルクアンドレ・テル・ステーゲン(23)が現状に不満ありとして次のように語りました。「もしこの状況が変わらないのなら、話し合わなければならないだろうね」「シーズンが終わった時点で、僕は25試合ほどに出場していることだろう。でも僕にはそれでは足りない。もっとプレーがしたいんだ」「今のところは、他のチームの方は見ていない。次の試合のことしか考えてはいないよ。夏までに状況が変わることだってあるしね」etc..

実際問題としては、状況がそう即座に変わるとは考えにくいです。クラウディオ・ブラボの仕事ぶりは相変わらず文句なく、ルイス・エンリケがここで起用法を変える理由はない。ルーチョは選手の不満によって出番を与える監督ではないですし(トリデンテのみ特別扱い)、少なくとも今季いっぱいはリーガはブラボ、カップ戦はテル・ステーゲンの図式が続いていくでしょう。となると、必然的にたどり着くのは、テル・ステーゲンの求める“話し合い”です。

シーズン終了後に説得を試みる

週末のテル・ステーゲン“ぷち騒動”を受け、シーズン終了後にクラブとドイツ人ポルテーロによる話し合いが行われるだろう、と伝えるのが28日のMD紙です。自分はリーガには出られないのか、と胸中のマグマを燃やすテル・ステーゲンはMD紙の表現を借りると“手の中の熱々ポテト”ゆえ、ふーふーと冷やさなければならない。クラブはキミの事を未来を託せる選手だと信頼しているんだよ、と誠意と熱意を込めて伝えなければなりません。もっと試合に出たいのはよく分かるけれど、せめてあと1年は忍耐を持って過ごしてほしいと。

マルクアンドレ・テル・ステーゲンの抱く不満は、出場試合数の少なさ、これに尽きるでしょう。もっと年俸が欲しいといった金銭的な問題ではなく、適応の時期はもう終わったのだから背番号1に相応しい出番がほしいという欲求。ロベルト・フェルナンデスSDやクラブ上層部に課せられたミッションは、プレミア方面から届いているとされる“正ポルテーロ確約し、かつ年俸も良いオファー”を選ぶより、バルサでの成功を選ぶ方が最終的なキャリアではプラスになると彼を納得させることです。

そして、もしそれに成功させたとしても、クレがホッとできるのは束の間でしょう。テル・ステーゲンは4月で24歳ですから、限界点はあと1年でしょうか(前述のインタビューで彼は、「限界はまだだけど」と述べている)。期待込みですが、2016/17シーズンまではなんとか現在の最強タンデムを維持できるんじゃないか、とは思います。

クラブに放出する考えはない

FCバルセロナとしましては、テル・ステーゲンをわざわざマーケットに出す考えはないようです。28日付のSPORT紙によりますと、クラブがドイツ人守護神を手放す条件は契約解除金に設定されている8,000万ユーロの支払いのみ。テクニコたちは彼をこれから10年間ゴールを任せられるだけの資質を備えた選手と評価しており、2年後、3年後を見据えて判断をしてほしいと彼に望んでいるようです。カンテラーノではないテル・ステーゲンには、それはなかなかに難しいでしょうけれど。

クラウディオ・ブラボにはプレーの良さもさることながら、経験がもたらすアダルトな安心感があり、チームメイトたちの信頼も厚いのだと想像できます。テル・ステーゲンは野心家で強メンタルで資質十分ですが、ムンディアリート優勝後のチーム写真に入らなかったりと、まだ精神的に青いと感じるところもある。そのあたりもブラボに学びつつ、あと少し忍耐強くあれば、明るい未来は確実に彼のものだと思うんですが。恋人と暮らすバルセロナの生活自体には、大満足だそうです。

ブラボは契約の1年延長希望と

一方、リーガでの正ポルテーロとして安定したパフォーマンスを見せているクラウディオ・ブラボはバルサでの現状に満足しており、シーズン終了後にクラブと2018年までとなっている契約をもう1年延長する旨で話し合うことを望んでいるとSPORT紙が伝えています。

ブラボのような優秀なポルテーロがバルサとの契約延長を望んでくれるのは非常に嬉しい反面、それはそれでテル・ステーゲンにショックを与えそうで難しい、なんていう贅沢な悩み。ビクトル・バルデスが去った時、バルセロナがまさかこんな悩みを抱えるなんて想像もしていませんでした。

また、こういうポルテーロ状況ですから、テル・ステーゲンの後釜話も親切に登場しています。伝えたのは27日(日)のMARCA紙で、“バルサはテル・ステーゲンの後任としてティボ・クルトワを考えている”と報道。SPORTやMDでも一応乗っかってはいますが、現実としてこれはナイだろうと考えます。

理由はテル・ステーゲン獲得時にクルトワはバルサ向きのポルテーロではない、との結論に達したからこそのドイツ人入団だったのに、今更方針転換があると考えにくいから。スビサレッタが去り、クルトワやチェルシーの事情が変化したとはいえ、説得力は薄いでしょう。クルトワを呼んでリーガを任せるなら、それこそテル・ステーゲンで良いわけです。万が一の際の後任には、カンテラーノ(アドリアン・オルトラジョキン・エスキエタ)もいますし。。

 

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