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スアレスパワーで先勝:アトレティコ戦

苦しんだ後、10人のシメオネチームに逆転勝利。

カンプノウにアトレティコ・マドリーを迎えてのチャンピオンズ1/4第一戦は予想どおり厳しい試合となりました。天敵フェルナンド・トーレスに先制点を許した前半は先日のクラシコの出来栄えと大して変わらず、シメオネチームの堅守を崩して逆転できそうな気配はほとんどせず。テル・ステーゲンが阻止したグリースマンのシュートが入っていれば、どうなっていたか分かりません。しかしハーフタイムでのルイス・エンリケのはっぱが効いたか、後半はバルサが圧倒。ルイス・スアレスの2ゴールによって勝ちを得ることに成功しました。スアレス様様です。

後半、華麗なる変身

まだまだ良くしていくべき箇所は多いけれども、とりあえずは勝てて安堵、という試合でした。クラシコでの残念なイメージを払拭するべく、気持ちも新たにアトレティコ戦へと臨んだはずのバルセロナ。しかし前半はゴールチャンスをほとんど作り出せず、苦手のフェルナンド・トーレスに先制点を与えてしまうサッパリな展開となります。バルサ選手たちのプレーは冴えず、欧州でも最強クラスの守備力を誇るアトレティコから2点を奪えるなど、望みすぎとも思える内容でした。

しかしマドリー戦とは異なり、この夜のバルセロナは後半に入ると別チームのようにアトレティコを攻め立てていきました。天敵フェルナンド・トーレスが軽率なファールによって35分にしてロッカールーム直行となったことが追い風になっていたのは間違いありませんが、同じく11人対10人だった前半の最後の10分と比べても大きな変わり様。なんらかの理由によってハーフタイム後は動きにダイナミズムが出て、パス展開が速くなり、激しさも増し、メッシのチレーナ、ネイマールのクロスバー直撃ロスカとヘッド弾、そしてスアレスの2ゴールと得点機を量産したバルサでした。

後半になってギアが上がるのですから、精神的な何かがルーチョチームを変身させたということでしょう。後半に動きが落ちたマドリー戦とは逆の展開。もっと早く変身できていればとも思いますが、この試合の後半で変われて良かったと考え、同じくしんどい対決になること必至のビセンテ・カルデロンにおいては後半のバルセロナが90分間見られることを期待したいです。

救世主スアレス

今回のアトレティコ・マドリー戦の救世主は、攻撃面ではルイス・スアレス、守備面では0-2となりかけたグリースマンのシュートを片手パラドンしたテル・ステーゲンでした。どうしても注目は華々しいデランテロに集まりますが、テル・ステーゲンも間違いなくこの勝利の殊勲者のひとりです。

ルイス・スアレスに関しましては、はは~っと平伏するばかりです^^。今のバルサは勝つも負けるもトリデンテ次第の要素が強いですが、このアトレティコ戦はルイシートの得点への嗅覚、9番としての決定力があったから勝てた。先制点の場面では、ジョルディ・アルバがシュートを放った瞬間にボールを押し込もうと足を動かしているのが信じられないですし、ダニ・アルベスのセンタリングを頭で叩いた逆転弾は、これぞデランテロ・セントロの豪快ゴールでした。得点後の魂を感じさせる雄叫びもぐっとくるものがありました。

ただし、審判によっては退場となっていておかしくない振る舞い(前半のファンフランへの蹴り、後半のフィリペ・ルイスへのパンチ)があったのも事実でして、アグレッシブ過多になっているところが見受けられますので注意が必要でしょう。ルイスが不用意なファールで退場になってしまうと、チームに与える影響は甚大です。

一方で気になるのはレオ・メッシが3月中旬以降、調子を落としている点。ラージョ戦、エイバル戦、ヘタフェ戦あたりはキレ切れでしたが、ここ2試合は彼のレベルからすれば元気なく。エリア内に相手選手が密集しているのを見てゲームメイクに加わるのは良いとして、中央にこだわりすぎることでラキティッチを右に追いやってしまう点はルイス・エンリケが修正していくべきでしょう。下がりすぎているのは、どこかコンディションが悪いから?

レアル・マドリー戦とこのアトレティコ戦の前半で同じく存在感のなかったネイマールは、反撃の狼煙となったメッシの49分の胸トラップ&チレーナをお膳立てして以降、元気が出てきたように思えます。クラシコとは異なり、決定機を3つ手に出来たバルサの11番。今回は運なく無得点に終わりましたが、納得のゴールを決めることで復調することに期待ですね。

ルイス・エンリケ「カルデロンには勝ちに行く」

スアレス大明神のドブレーテでホッと一息ついたものの、低調だった前半の出来もまた目撃したことで、アトレティコ戦第一幕が終わった今もなおバルセロニスタの不安がすっきり払拭されるにはいたっていません。1点が勝負を大きく左右するチャンピオンズで、十分に気合が入っていたにもかかわらず、どうしてあのような前半になったのかは分析が必要です。試合終了後、ルイス・エンリケは次のようにこの90分を振り返りました。

「アトレティコ・マドリー戦の難しさを評価しなければならない」「彼らは守備面で非常に良く組織されたチームであり、彼らと対峙する時には淀みないプレーが求められるんだ。前半の私たちはプレーが不正確だったよ。グループとしてではなく、個人で何とかしようとしていた。そして守備での一つのエラーによって、彼らに1点を奪われた。あれで全てが難しくなった」

「ハーフタイム中、私たちはもっと上手にポゼッションすることで試合をコントロールしなければならない、もっと速くボールを回し、スペースを突き、少ないタッチで相手の守備陣形を破らなければならないと話し合ったんだ」「後半は私たちがあらゆる面で上回っていたよ。人数が一人多かっただけでなく、私たちが完全に支配していた」

「うちの選手たちが後半に非常に良い試合をしたのは事実だ。それは彼らが情熱を持ってプレーしたからだけれど、同時に冷静さも備わっていたんだ。気持ちだけでプレーをしていたなら、散々な結果に終わっているさ」

「私はこの結果を、前向きに評価している。実際にこちらに有利な結果であるし、アトレティコのような極めて厄介なチームに対して再び勝つことが出来たんだからね」

「自分のオフィスで私たちのゴールチャンスを見直していたんだけれど、とてもたくさんあったね。残念だったのは状況をもっと良く出来ていた3点目を決められなかったことだよ。ハイレベルなライバルに対して、チームは数多くの得点機を作り出していた」

ということで、苦しみながらも最後は勝利をモノにしたこの試合を評価したルイス・エンリケは、来週のカルデロン決戦もまたいつものように勝ちにいくと宣言しています。

「私たちはどのトーナメント戦も勝たねばならないと考えプレーしてきた。カルデロンには1点を決めるためではなく、勝ちに行く。それが私たちの目標だよ。もしカルデロンで勝てるチームがあるなら、それは私たちだ」「とてもステキな試合となるだろうね。私たちはチャレンジすることが大好きだから、楽しみだよ。特別な試合となるだろう」

「私はこの選手たちと世界の終わりまで行く。私たちがベストであることをもう一度証明したい」

 

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