相手のエラーを活かせたことが重要とバルサ監督。
カンプノウにペップシティを迎えての注目試合は、レオ・メッシのリサイタルショーとなりました。勝点3をバルサに引き寄せる第一歩となった先制点の場面では、まるでなにかに幻惑されたかのようにシティの選手は動きを止め、D10Sがクラウディオ・ブラボを打ち破る様を見守るばかり。後半にブラボが退場になってからの畳み掛ける2得点は、地球外生命体だと称えられるクラックの能力が誇張でないことを改めて世界に示しました。要するにメッシはメッシだったわけです。試合はバルサが4-0で大勝。ルイス・エンリケは満足そうな様子でこの勝利を振り返っています。
ボールロストは必然的なもの
今回のバルサ対マンチェスター・シティで印象的だったのは、両チームがいつになくボールを失っていたことです。そしてパスフットボルを標榜するチーム同士の対戦でしたが、試合を通じてパス数が少なくなっているのも興味深く、バルサのパス総数は453(成功は385本で85%)、対するシティは405(成功は336本で83%)。バルサらしくパスをつないだと思える試合では750-800本はいきますから、450ではいつもの6割弱です。
ゆえに試合終了後の記者会見では、エラー(日本風に言えばミス)に関する質問が何度も為されています。
「いつもは起こらないようなことが、たくさん起こった試合だったね。怪我人が出て、退場者が出て。2つのチームが同じスタイルでプレーすることで、エラーを生じさせるんだ。いずれにせよ、これは私たちを元気付ける結果だよ」
「プレッシングによってエラーが起こるものであるなら、この試合のようなことも起こりえるだろう。両チームが同じスタイルでプレーをする時は特にね」
「ボールを連続して失う、そんな試合になるだろうとは想像していた。新しいポジションを務めた選手たちはみなすばらしい出来だったよ。マスチェラーノはスペクタクルで、トップレベルのラテラルのようにそのポジションをこなしていた。サムエル(ウンティティ)が右のセントラルを出来ることは以前から知っていたよ。最終結果は誇張されたスコアだけれど、明白なエラーが発生した時に私たちのような前線の3人がいれば、こういうことになるものだ。この勝利には満足してる」
「相手がたの非常に大きなエラーは、こちらのアドバンテージとなるものだ。クオリティの高いチームがあって、試合が些細なことで決まる時は相手のエラーを利用することが重要となるし、私たちはそれができた」
ペップが1人でよかった
「全選手の関与があってこそ、チームの守備が成功するんだ。もし今日私たちがチームとしてプレーをしなければ、結果はまた異なっていただろう。うちの選手たちは個人的な利益より、チームの利益を優先している」
「試合を通じてシティは良いプレーをしていたよ。彼らの出来が悪かったとは思わない。そのなかで退場は決定的な意味を持ったし、試合に大きな影響を及ぼした。ブラボが退場になった時は、試合はややこしくなるかもしれないと考えたんだ。とはいえ、退場の方が良いけれどね」
「この勝利は決定的ではない。新たに3ポイントを追加したというだけだよ。マンチェスターでは苦労すると私は確信している」
「今私は恐ろしく疲れているけれど、その疲労は今日のピッチでの出来事だけじゃなく、この試合の準備のために捧げた時間によるものでもある。ペップが一人しかいなくてまだ良かったよ。もし彼がチャンピオンズやリーガにあと5人いれば、ハードすぎる。今は疲れをとって、眠ることだけを考えてるよ」
校庭でプレーするかのようにシュートへいくメッシ
そして主役であるメッシについてです。ルイス・エンリケがバルサの監督となって約2年半。レオについてはもう数え切れないほどコメントを求められてきたミスターは、今回は次のように大エースを称えています。
「メッシが世界最高の選手なのはハッキリしている。彼はフットボルそのものを体現する存在なんだ。レオを疑う人は、少々ウブだね。今日もまた彼は決定的で、試合の重要なアクションの全てに関与していた」
「まるで学校の中庭でプレーをしているかのようにフィニッシュするメッシの能力はとてつもないよ。怪我明けであろうと同じなんだ。毎日彼をトレーニングで見られる私たちはツイているね。全てにおいて彼はチームを助けてくれる。疑いなく、彼はリファレンス(手本、参照とするもの)だ」
ということで強敵ペップシティとの対決第一幕に勝利したルイス・エンリケですが、コメントにあるように相当お疲れのようで。わずか中2日でメスタージャでのバレンシア戦が待っていますし、ジョルディ・アルバやジェラール・ピケはきっと起用できないなど監督の悩みはつきませんが、ここを乗り切れば1週間試合がないですので(スーペルコパ・カタルーニャはある)、シティを下したこの勢いでチーム一丸の勝利をもぎとりましょう!
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