トップチームに上がってくるカンテラーノが減っていることへの、カピタンの意見
12月27日のMARCA紙はどうしたことでしょう、我らのレオ・メッシへの独占インタビューを超目玉に持ってきました。さすがはピチーチ賞やボタ・デ・オロ賞を授与する新聞様だけあります。SPORTにCR7のインタビュー&表紙なんて考えられないのですよね(笑)
このMARCAのインタビューは内容が濃く、長くなっています。日本のメディアで取り上げられているのは、ごく一部。たしかにキャッチーなクリスティアノとのライバル関係や、バロン・デ・オロに関するコメントは興味深いのですが、クレとしてはもっと注目すべき箇所があると思うので、こちらではそちらを紹介します。
バルサの真髄の一つである、カンテラに関するコメントです。
カンテラモデルへの回帰が重要
FCバルセロナがカンテラモデルを大切にしてきたことは、MARCA紙も認めるところです。今季はトップ昇格したカルラス・アラニャーをはじめ、ファン・ミランダ、チュミ、リキ・プッチらが少しずつではあるものの出場機会を手にしている。彼ら若者に驚いたか、と訊ねられたメッシはこう語りました。
「最初はね。でも一緒にトレーニングをしていたら、彼らが他とは違う選手たちだって気付くよ。クラブは彼らを上手く僕らとトレーニングさせてる。そうすることで彼らはより成長していくだろうし、クラブがカサ(ホーム)の人間を引き上げていくのは良いことだよね。カンテラーノが出てこなくなって時間が経つから。このモデルへ戻ることが、カンテラとクラブにとって重要なんだ」
11人全員がカンテラーノへのカギ
バルサのカンテラが頂点を極めたのは、バロンデオロの表彰台をメッシ、イニエスタ、チャビが独占したペップ時代から、ティト・ビラノバがピッチ上の11人全員をカンテラーノにしてみせたあたり。ああいうことが再度起こりえるのか、との質問へのレオの答えはこうです。
「今では困難だよ。カンテラの子たちにチャンスを与えながら、再び彼らに賭けるようになるのは重要だ。カンテラの子たちがバルセロナのトップチームへ到達することが不可能ではないって思うこと。僕らには偉大なカンテラがあるから、将来的にカサ出身の11人がプレーすることはあると僕は思うよ。でも時間がかかるだろうね」
トップ昇格と、魅惑のオファー
気になるのは、辛抱強くハードワークしていればトップチームに行ける可能性の高そうな子たちが、結果を急いで別のクラブへと移籍してしまうことです。勿体ない、と思うことが多々あります。
「僕らの時代はまた違っていた。今の状況は別物だから、僕らはそれに適応しないといけないんだ。若い選手たちの元へ、魅力的なオファーが届くのは事実。お金だけでなく、スポーツ的にも良い条件を提案されている時に、決断するのは簡単じゃないよ。下のチームにいる子たちはトップチームへと上がるのは困難だと考えていて、その一方で彼らにトップ昇格+お金を与えるクラブがある。これは魅力的だよね。そういった理由から、カンテラの良い選手たちが去らず、彼らにチャンスが与えられているのはポジティブなことさ」
ビッグタイトル獲得を求められるバルサは、競争力あるスカッドとするために毎シーズン選手を補強しなければならない。カンテラーノの子たちがカンプノウの夢を見にくくなっているのも、仕方ない部分はあります。
それでもバルサはバルサ。クラブのモデルたるカンテラーノ育成を止めてはバルサではなくなる。数年間の難しい時期を終え、今は期待できる若者たちが育ってきているので、控えクラスの選手はラ・マシアで補うように頑張っていけばまた再びスカッドにカンテラーノが増えていると思います。
もう一度必ずや黄金世代がやってくる。そう信じて応援していきましょうぞ。
そして困難な道だからこそ、諦めず選んでくれたカンテラーノが愛おしい。
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