フベニール初年度の選手としては好条件を提示したが、選手は満足せず移籍を決断
もっと特別扱いされる同世代の選手もおり、差がつくことに不満だったか
チャビ・シモンズ(16)がバルサ時代に終止符を打ち、パリでの新生活を始める決断を下しました。契約更新が難航しているとは言われていましたが、よりにもよってPSG行きを決めるとは残念。
それも好条件を提示したバルサよりもパリが良かったのなら、そこまでのご縁だったのでしょう。
ただ、同年代で先行している選手たちの存在もあったように見えます。
同じ16歳のイライシュ・モリバとアンス・ファティがすでに、バルサBでプレシーズンを始めていますから。
9年過ごしたバルセロナに別れ
チャビ・シモンズはバルサとの別れにあたり、ツイッターで次のようなメッセージを送っています。
「僕の一部をバルセロナに置いていくよ。そしてバルセロナの一部分はいつも僕と共にある。別れ、それも自分の家だった場所にアディオスを言わなければならないことを好きな人はいないから、今日は僕にとって難しい日だ」
プレベンハミン(7-8歳)でバルサの門をくぐって9年間ラ・マシアで過ごしているシモンズ少年ですから、クラブに愛着がないはずはないんです。そしていよいよ16歳になり、フベニールカテゴリーに上がっていく・・・という矢先での退団。それもプレミア方面ではなくPSGですから、なんだかなぁと。
代理人にミノ・ライオラを選んだ時点で、不安はありましたが。
シモンズの優先度はさほど高くなかった
チャビ・シモンズは、バルサとの契約が終了しての自由移籍となります。
そしてMDやSPORTの情報で共通しているのは、“バルサはシモンズ少年に残ってほしかったけれども、優先度はさほど高くはなかった”という点です。
シモンズと同世代でバルサとの契約が切れる少年たちは、彼以外にも複数いました。有名どころでは、ニュー・ポグバとも称されるイライシュ・モリバ Ilaix Moriba や、アンス・ファティ Ansu Fati。
彼らはどちらもシモンズと同じ16歳ですが、昨季は先行してフベニールAの一員となり、UEFAユースリーグにも出場しています(アンスはUYLで4得点3アシストの結果も出した)。
追記:中盤においても“真の宝石”とされ、カデッテAカピタンのホルヘ・アラストゥエイが長期離脱していたからシモンズが不動の先発だったとSPORT。
クラブはイライシュとアンス・ファティ、アラストゥエイの契約交渉には成功、それぞれに3年延長でサインをしました。
好待遇をオファーしたけれど
特にイライシュの待遇は別格です。
難航した交渉の末、選手とクラブは今年4月に契約を延長していますが、契約解除金は16歳にして破格の1億ユーロ、また推定ではありますが3年契約で200万ユーロを得るとも報じられていまして。かなりの特別待遇です。
(アンス・ファティも契約解除金1億ユーロに設定)
スポーツ面でも、イライシュは今季途中からバルサBに上がりそうな気配。
アンス・ファティもフベニールAでプレーをしながら、フィリアル(Bチーム)に呼ばれていくでしょう。二人はプレシーズンをバルサBで行っています。
ではチャビ・シモンズに対してはどうだったか。
MDによると、バルサは彼にも特別なオファーを出していました。
・フベニール初年度は20万ユーロ近い年給(SPORTは10万ユーロ)
・バルサBでデビューした場合はボーナス
・飛び級してフベニールAでプレシーズンを送り、9月からは一度フベニールBに行くけれど、シーズン途中で再びフベニールAに上がる可能性
16歳となってカデッテからフベニールに上がり、最初のプロ契約を結ぶ選手に対しては、なかなかの好条件。しかしイライシュほどの特別扱いではないですし、フベニールAへの飛び級でもない。
ウェストブロムウィッチからPSGを蹴ってフベニールAに入る16歳英国人デランテロ Louie Barry なる存在もありますから、そのあたりがPSGの甘い声に比べると物足りなかったのでしょうか。
メディア人気との差
チャビ・シモンズはその独特な風貌や“XAVI”というファーストネームもあり、知名度の高い少年選手です。
しかしクラブからすれば、残ってくれるなら歓迎するけれど、(少なくともイライシュほどには)頑張って引き留める選手でもない、と評価していたと。
自分はカデテチーム(U-15)の試合までチェックしておらず、シモンズにしてもメディアの評判のみで楽しみにしていた口ですから、彼の実力までは知らない。SNSでの評判と選手としての資質が一致していなかったということであれば、無理をしなかったクラブの判断も妥当でしょう。
そして最近の、まだフベニールにも上がる前の選手がスター扱いされてしまう傾向は、たしかに好ましくないと思う。
さて特別待遇のイライシュ・モリバは期待どおりにファーストチームへと昇ってくるでしょうか・・・
おっと、チャビ・シモンズの話でした。パリでの幸運を祈ります。
※追記
クラブにとってシモンズの契約更新はそれほど優先ではなかった、とは言っても、ペップ・セグラがまだ健在だった頃のことだというのはポイントかもしれない。評価の高いイライシュが、ポグバっぽい選手であるのも。
このニュースのまとめ
- ・期待のチャビ・シモンズがPSGへと移籍
- ・バルサは残留を望んだが、無理してまで引き留めず
- ・同じ16歳世代には、クラブがもっと優先した逸材たちの存在
- ・メディア人気とスポーツ面との差
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