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【マッチデータ】ラ・リーガ第8節 バルサ 4-0 セビージャ

LaLiga | jornada 8

スアレスの豪快チレーナから一変、8分間で3得点。
終了間際のアラウホとデンベレの退場が祝宴に冷や水。

FCバルセロナの火力が一気にセビージャを焼き払った。序盤はバルサが劣勢、先制点を奪われそうな場面は数度あったのだが、スアレスのチレーナ弾でスコアを動かすとビダルデンベレが2得追加で一気に3-0に。後半にはメッシのFKも決まり、カンプノウはお祭り模様となった。残念だったのはアラウホの退場を巡り、デンベレまで赤い紙をもらってしまったことだ。結局悪目立ちするマテウ・ラオスという主審。

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試合のポイント

またもテル・ステーゲン:試合で最初のポイントとなったのは、守護神テル・ステーゲンのパラドンだった。11分、ルーク・デ・ヨングによる至近距離からのシュートを左手でブロックし、セビージャに先制を許さなかったプレー。これが相手FWの心理に影響を与えたか、もうひとりのデ・ヨングはその後二度、明らかな決定機を仕留め損なっている。序盤のバルサはセビージャを捕まえきれず、自陣への侵攻を許していた。



スアレスの超絶チレーナ:フットボールにおいては、決定機で決められないチームがあとで泣きを見るのはよくある話。バルサは立て続けに3つのゴールを決めることで、セビージャにお返しをしている。試合の流れを変えたのは27分のルイス・スアレス弾だった。左ラテラル・セメドの逆足でのセンタリングをノートラップの逆足チレーナで合わせて1-0!この衝撃的なゴラッソにより、バルサの士気は大いに上がった。

驚きの決定力、8分間で3得点:バルセロナはセビージャをたたみかけ、8分間で3-0としてしまう。まるでFWのような動きでオフサイドラインを破り、アルトゥールの浮き球パスを流し込んだアルトゥロ・ビダル(32分)。そしてカミソリのような切り返しでDFを倒し、シュートを蹴り込んだウスマン・デンベレ(35分)。勝負はこの怒濤の3得点で決まった。

●後半もまた、最初に得点機を作り出したのはセビージャだった(47分)。しかしルーク・デ・ヨングの夜ではなく、今度はポストを叩いて得点にならず。デンベレも負けじと、ただ押し込めばいいシュートを大空高く蹴り上げている(72分)。60分には相手を4人置き去りにするメッシのドリブル&シュート。

メッシの今季初得点:さすがだったのはレオ・メッシだ。78分にこの試合では3度目となる直接フリーキックを、ゴール右端へと沈めて4-0。蹴るたびに枠内へと近づけていき、3度目でとうとうネットを揺らした。D10Sの今季初ゴールにスタンドは大いに沸いた。沸いたといえば、その少し前の選手交代でも、ベンチへと退くアルトゥロ・ビダルに盛大な拍手あり。

そしていつものマテウ・ラオス:試合の最後に悪目立ちしたのはマテウ・ラオスだ。ゴールへと向かうチチャリートと競り合い、倒したプレーがファールだったとして、この日デビューのロナルド・アラウホを一発退場の刑に処した審判。それに抗議し悪口を言ったデンベレもまた赤いカードを頂戴し、痛い退場となっている。せっかくの良い夜が台無し。

トピックス

デンベレはエル・クラシコ出場停止へ:お騒がせ審判マテウ・ラオスの犠牲者となってしまった、ロナルド・アラウホ。そしてウスマン・デンベレ。後者は余計なことを言ってしまったが、報告書に書かれてしまえばもう処分は避けられない。審判への軽視行為で2-3試合の出場停止と予想され、2試合先にあるマドリー戦への出場は無理だろう。

●そもそもチチャリートが倒れたアラウホのプレーがファールかというと怪しい。正当にボールを競り合い、そして勝ったように見える。

勢い止まらぬスアレス:セビージャ戦では豪快なチレーナを決め、ここ3試合で4つめのゴールとしたルイス・スアレス。ヘタフェ戦の先制点、インテル戦の2得点そしてこの試合と、ゴール率大幅アップ中のピストレーロだ。バルサの流れが良くない瞬間に得点し、流れを引き寄せている点で貢献度が高い。
ビジャレアル戦でのスタンドからの指笛に、ゴールでお返ししているところも見事だ。

メッシ今季初得点:カピタンについに今季最初のゴールが生まれた。ゴール正面右の好位置からのフリーキック。壁の頭上を越したボールが、ジャンプするGKの右手を弾きネットへと吸い込まれていった。
このセビージャ戦でのレオは積極的にドリブル突破を仕掛け、怪我の影響はなさそうな様子。コンディションが上がっており、これからゴール量産モードに入って行くことだろう。

トディボ疲れた:公式戦での初カンプノウ、今季初先発のジャンクレール・トディボ。序盤はオカンポスに股抜きされるなど苦労したが、周りのサポートを得ながら徐々にフィットし、力強くプレーしていた。最後は頑張りの影響でガス欠し、ロナルド・アラウホと交代。

トディボ「長い間、実戦に出ていなかったから、バテちゃった。試合を終えられなかったことは少し悲しいけれど、交代はただ疲労によるものだよ」ということで、次節エイバル戦のセントラルはラングレ&トディボ。控えにはホルヘ・クエンカが呼ばれるかもしれない(アラウホ出場停止のため)。

ピケ、次節出場停止:ジェラール・ピケがラ・リーガ第8節にして5枚目のイエローカードを受け、パロン明けの次節エイバル戦は累積警告による出場停止となる。85分、ファール後にボールを外へと蹴り出した。
この結果、ピケは2週間の充電後、すっきりした身でレアル・マドリー戦を迎えるかたちとなる。

アラウホのほろ苦デビュー:ウルグアイ人CB ロナウド・アラウホがバルサでの公式戦デビューを果たした。87分には相手選手の決定機を妨害したとしてレッドカードで一発退場になる、歓迎せざるおまけ付。
「あれはファールじゃないよ。僕がポジションで勝っていたし、肩と肩のぶつかり合いだった。審判の判定でデビューの喜びは消えたりしないさ」

キングビダルに大拍手:チャンピオンズ・インテル戦での働きぶりが評価され、今季初の先発出場。プレッシングから次々とボールを刈り取るだけでなく、32分には後列からの飛び出しで2-0のゴールも決めて見せた。FW並のオフサイド破りだった。ビダルがいることでチームに与えるダイナミズムたるや。
70分に ラキティッチと交代でピッチを去る際には、観客から盛大な拍手が送られた。

セメド 左で輝くジョルディ・アルバが出場許可を受け招集リストに名を連ねたが、バルベルデは無理をさせず、引き続きネルソン・セメドを左ラテラルで起用。この試合のセメドは守備だけでなく、攻撃においても果敢さがあって今季ベストの出来だった。スアレスへのアシストとなったセンタリングは正確無比。

200ステーゲンマルクアンドレ・テル・ステーゲンがバルセロナでの200試合出場を達成。この試合でもセビージャ先制の決定機を阻止しており、彼のパラドンがなければ事はもっと複雑になっていただろう。節目の試合を、無失点で終えて花を添えたドイツ人守護神。




FC Barcelona Sevilla FC
4 0
6 de Octubre 2019 – Domingo 21:00 h
Camp Nou
:81.331
Goles
Suárez (27)  
Arturo Vidal (32)  
Dembélé (35)  
Messi (78)  
Titular
Ter Stegen【8】 Vaclik
Sergi Roberto【6】 Navas
Piqué【7】 Diego Carlos
Todibo【5】 Carriço
Semedo【7】 Reguilón
De Jong【7】 Fernando
Arturo Vidal【8】 Oliver Torres
Arthur【7】 Banega
Messi (c)【7】 Ocampos
Dembélé【6】 Nolito
Suárez【8】 De Jong
Cambios
Arthur→
Busquets【6】(65)
Oliver Torres→
Jordán (46)
Arturo Vidal→
Rakitic【6】(70)
Nolito→
Munir (46)
Todibo→
Araújo【6】(73)
De Jong→
Chicharito (65)
Entrenadores
Ernesto Valverde【6】 Julen Lopetegui
Arbitro
Mateu Lahoz (valenciano)
Tarjetas
Semedo (39) Reguilón (22)
Dembélé (53) Carriço (34)
Suárez (64) Banega (90+1)
Piqué (85)  
Araújo (87TR)  
Dembélé (88TR)  
Busquets (88)  
名前の次の数字は評価点:平均点【5】
Estadisticas
1a 2a Total Total 2a 1a
3 1 4

Goles

0 0 0
7 8 15 (8)

Tiros a puerta

16 (4) 8 8
3 4 7

Ocasiones de Gol

3 1 2
2 5 7

Corners

10 3 7
1 2 3

Fueras de juegos

2 0 2
    559

pases

414    
57%   56% Posesion del Balon 44%   43%
4 6 10

Faltas

12 6 6
1 4 5

Tarjetas Amarillas

3 1 2
0 2 2

Tarjetas Rojas

0 0 0
Formación

ウンティティ、ジュニオルが怪我で欠場。ラングレが出場停止。
ワゲ、アラニャーが監督判断でベンチ外。
ネト、ラキティッチ、ブスケツ、グリーズマン、ジョルディ・アルバ(怪我明け)、アンス・ファティ、アラウーホがベンチスタート。

ラングレ出場停止につき、トディボ先発。ピケが左セントラルを担当した。
左ラテラルはジョルディ・アルバに出場許可が下りたが、セメド起用を継続。セメドはデンベレとの相性が良さそうで、スアレスの先制点をアシストするなど攻撃でも結果を出した。
中盤ではインテル戦で活躍のアルトゥロ・ビダルがインテリオールに。守備に非常に効果を発揮し、裏への飛び出しでは2-0弾を決めた。
前線ではグリーズマンが初めて先発を外れ、デンベレが存在感を出した。

選手交代はまずは中盤から。アルトゥール(65分)とアルトゥロ・ビダル(70分)がベンチに下がり、セルヒオ・ブスケツとラキティッチが送り出された。すっかり交代要員となっている去年のアンタッチャブルたち。
3人目の交代はトディボに替えてロナルド・アラウーホ(公式戦デビュー)。
その後、アラウーホは一発退場の憂き目に遭い、さらに審判への暴言でデンベレも退場となったことで、最後は4-2-2の陣形で凌いでいる。

Titular Final
 

2019年10月7日(月)、セビージャ戦翌日のバルセロナスポーツ紙。

MD「8度目の驚異」

  • 8度目の驚異
  • マルク・マルケスがエピックな勝利で8度目となる世界タイトルを仕留める。モトGPでは6度目の戴冠
  • ゴレアーダ後、事をもつれさせたマテウ・ラオス
    ルイス・スアレス、ビダル、デンベレ、そしてメッシ(今季のラ・リーガ初得点)が勝負を決め、その後アラウーホとウスマンが一発退場

SPORT「豊富な火力」

  • 豊富な火力
  • → 8分間の3ゴール(スアレス、ビダル、デンベレ)によって前半にセビージャを踏みつけたバルサ
  • → メッシが4点目を決め、その後マテウ・ラオスがアラウホとデンベレを退場に(クラシコは出場停止か)
  • ■スペクタクルなシュートで先制ゴールを決めたスアレス
  • ラ・アサンブレア(ソシオ総会)は電子投票を承認せず
  • マルケス、8度目となる世界チャンピオン!

 

コメント

  1. 中野のクレ より:

    改めてバルサは中盤が命と思った。
    エンリケ時代の中盤飛ばしのパス、ローマ戦での全く通らないキーパーやピケから最前線へのロングパス、リバプール戦での自陣からも出られない試合から鑑みれば今シーズンは未来への希望を感じる。

    ここ数試合ドブレ・ピボーテの変則4―3―3を試している訳だが、
    先端に位置するビダルも時としてピボーテを担当する流動性。

    割合としてはフレンキー55:アルトゥール35:ビダル10ってところか。
    これはもう偽のピボーテと呼べるのではないか?

    ベースはフレンキーのプレーだがビダルの特性もアルトゥールの特性もそれぞれ活かしている。

    セビージャはバレンシアに似たコンパクトな4―4―2だが陣形維持を主眼としているためピボーテへのプレッシャーが甘い。
    サイドから容易に展開出来てしまう。
    最早この陣形は今のバルサには通用しない。

    圧巻は2得点目。
    延々1分半に渡り相手ブロックを動かし続け最後は最終ラインのギャップをビダルが突いたもの。

    先制点はサイドから素早く縦に動かしセメドからスアレスだったが、多分にスアレスの力量による得点であった。

    対して2得点目はロジックに基づいた再現性のある得点。
    特定の個人(メツシ、スアレス)に頼らずチーム全体で崩した。

    後はプレスの厳しい相手を凌ぎながらモデルを完成させたい。

    ピボーテに好きに持たれない為には前半42分のようにピボーテにマンツーマンで付くしかない。
    しかし人に付くとスペースも生まれるので相手監督は悩むと思う。

    何れにせよ、この試合のマイボール時はロングボールにも明確な意図があり、何かを起こせる可能性を感じた。(特に前半)
    これぞゲームを支配。
    (単なるボール保持率ではなくゴールから逆算出来ている)

    ●フレンキー
    今シーズン以降のバルサのプレーモデルを代える可能性を持ち込んだ異質なセントロカンピスタ。
    ピボーテの位置をスタートとしながら自由に動く偽のピボーテ。
    サイドに寄って展開する様はアヤックス時代と変わらない。
    この試合はメツシとの関係が良かった。
    ブスケツ投入後は普通のインテリオールになったが、ほとんどの展開に関与。
    異常な俯瞰視力。
    試合終盤になっても落ちない運動量。
    前に向ける場面では前に行く推進力。
    試合毎に修正してくるサッカー脳の異常な高さ。
    クライフ主義を元祖としながらラ・マシアとは違う多様性を持ち込んだ。
    正直1人の選手でここまで変わるとは思わなかった。
    やはりバルサはセントロカンピスタ次第。
    思えばタタの頃からバルサ中盤の優位性は失われていた。
    これを取り戻せるなら(最低でも)5億ユーロの価値がある選手。
    アレニャ、リキはアヤックス(エリック・テン・ハーグ)で修行しても失う物は何も無い。

    ●デンベレ
    彼には緻密で繊細なプレーを求めないで、スプリントと卓越したシュート力を素直に活かした方が良い。
    それだけでも十分クラック。
    ただ横パスのミスだけは勘弁。

    ●トティボ
    3~4回ほど対人で離してしまった。
    しかしボールを持った時は保持力や展開力(前半7分53秒)は秀逸なものがある。
    守備は試合出てれば何とかなるでしょう。

    ●アラウホ
    先にチチャに腕1本分前に出られたが、すかさず手を相手の脇の下に入れコントロールし態勢を崩させた。
    高い技術の持ち主。
    ただユニフォームを掴むまでもなく相手の体勢は崩れていただけに勿体ない。
    しかし咄嗟なのか瞬間的に掴んでしまったのも事実。
    スローで見ても難しい判定。
    掴んだ事自体はチチャの体勢に影響が無い様に見える。
    プレミアならセーフだと思える。
    この審判は普段のボディコンタクトを大目に見てて(アルトゥールへのボディコンタクトは全く無視)この場面だけファールに取り上げるのは整合性に欠ける。

    ●セメド
    左サイドで圧巻のパフォーマンス。
    上下動を繰り返し迫力の攻撃参加。
    マルセロっぽくなってきた。

    ●ラキさん
    もはやフレンキーを休ませる為の駒でしかない。
    エンリケ1年目にチャビからレギュラーを奪った運動量が求められる。
    元々はシーズン10得点出来る高い攻守のバランスの持ち主。

    ●ブスケツ
    ブスケツ投入後は伝統のウノ・ピボーテへ。
    バルベルデは選手によってモデルを変えている。
    今日みたいなセビージャのやり方ならブスケツでも問題ないと思う。