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リアクションが求められる試合だが、内容改善は期待薄:プラハ戦プレビュー

レバンテ戦の残念な負け方に疑問の声が沸き上がるバルサ
問題点が正しく認識され、改善できるかどうかに注目

エルネスト・バルベルデの足場がぐらついています。公式戦7連勝によってメディアに持ち上げられていたバルサでしたが、レバンテ戦を惨めに敗れたことで疑問の声が噴出。元々バルセロナらしいフットボールをしておらず、原点回帰への挑戦はいずこへ・・・という状況だったので、薄っぺらいメッキが剥がれたこと自体に驚きはありません。

そこで訪れた、要塞カンプノウにスラビア・プラハ戦を迎えてのチャンピオンズでの一戦。注目すべきはスコアではなく、問題点を正しく認識し、改善しようとの意図が見えるかどうかになります。

ステーゲンの自己批判からどう改善されたか

今夜の対戦チーム、スラビア・プラハとは前節も顔を合わせています。バルサはどうにか1-2で勝ったものの、最後はエリア内で身体を張って相手のシュートをブロックするのが精一杯で、早く終了の笛よ鳴ってくれ!と願う残念な内容。バルセロナは引き分け以下が相応しいと思える出来でした。

そして試合終了後にチームを救ったテル・ステーゲンが「自分たちはレベルになかった」と真摯な自己批判。改善のためにチーム内で話し合わなければならない、と語りました。

テル・ステーゲンの自己批判「僕らはあるべきレベルになかった」
エデン・アレナで行われたチャンピオンズ第3節、スラビア・プラハ対FCバルセロナは予想されたとおりタフな戦いとなりました。テル・ステーゲンの活躍がなければ、バルサは相当苦しい状況に追い込まれていたでしょう。その守護神が試合終了後、「自分たちは望むレベルになかった」と自己批判。改善のために話し合わなければならないと述べています。

実際にこの話し合いが実施されたのかは不明ですが、外野からフットボール内容を見るかぎりでは、大した進歩は見受けられない。
その次のバジャドリー戦は5-1とスコア上は快勝でしたが、相手陣内でボールを回収することはなく、レオ・メッシの異次元ぶりが爆発した以外、3-1で敗れたレバンテ戦とそう大差はなかったのです(シウタ・デ・バレンシアでの後半はもちろんヒドかったけれど)。

レバンテ戦の終了後、アントワン・グリースマンは次のように問題点を指摘しています。

「集中が欠けていたのかもしれない。僕らは学習し、改善するしかないよ」
全ての問題かもしれないね。今日の僕らは良くなかったし、10分と経たずに3ゴールを決められてしまった。姿勢かもしれないし、あらゆることが原因かもしれない。繰り返さないようにしないといけない」

いろんなことが問題となっていて、改善されていなさそうな印象です。

バルベルデの現状認識

さて、スラビア・プラハ戦前日会見のエルネスト・バルベルデですが、問題は精神的な事柄ではなく、フットボール的な事柄にあると考えています。

私が自問しているのは、何故私たちがフットボール的な視点から負けたのかという点だ。リバポーで起こったような精神的な視点はないと理解している。“一度起こったことは、また起こるかもしれない”というのは理解するけれど、私はそのせいにはしない」

バルベルデは「私たちのプレーが良くなかった。改善しなければならない」とは言うのですが、具体的にどんな点がフットボール的な視点から問題なのか、は挙げていません。そして、

「シーズン序盤の私たちはフエラ・デ・カサ(アウェイ)で良くなかったけれど、それからはスラビアエイバルヘタフェに連勝していたんだ・・・ 先日の試合で確かなことは、私たちが軌道に乗っていた時、1分間で2得点されてしまい負けたことだよ」

と、ペナルティキックによる得点によって0-1でハーフタイムを迎えた前半を「軌道に乗っていた」と評価しているのが不安です(レバンテ戦終了後も、敗因を説明して/できていない)。我らの指揮官は、何故負けたのかよく分かっていない可能性があります。

先日のレバンテ戦や、5-1で勝ったバジャドリー戦、0-3で勝てたSDエイバル戦にしても、相手ボールの時に連動したプレッシングによって相手陣内でボールを回収できず、自陣まで容易に持ち込まれるところが問題だと思うのですが・・・
そして攻撃は相手のプレッシング対策として、ライン裏を狙ったロングボールが主流という。

カンプノウだがあまり期待できない

チングリはカンプノウでのスラビア・プラハ戦に関し「(敵地での)イダの試合や、インテルのホームでの試合のようなスラビアを予想している。彼らはミラノで勝利目前だったし、ドルトムントや私たちに対してすばらしい試合をした」と語っています。

スラビアの監督さんも「プラハでの試合のように勇敢に行く」と予告している。今宵のカンプノウでも、あちらのプレッシングに苦労するバルサが見られそうです。スラビアにもまだグループステージ突破の可能性はある。“観光客”となる気はないでしょう。

第2節のインテル戦@カンプノウもカウンターに脅かされまくり、テル・ステーゲンのパラドンに救われた。勝負を決めたのはクラックたちの破壊力で(スアレスのボレーたるや)素直に喜べた内容ではありませんでした
特に対策が練られていないなら、スラビア・プラハ戦も自陣でボールを回収して・・・みたいなことになりますよね。無敵要塞カンプノウだと楽観できません。

秋口までは期待していたバルサ哲学・原点回帰への挑戦はもうどこへ行ってしまったのかてな有様で、結局去年までと似たような安定路線かと分かって以降はバルベルデへの期待もしぼんでいます。チングリさんに“バルサらしいフットボール”は無理なんでしょう。

どっち面が出る

とはいえ、カンプノウではわりかし派手なスコアでの勝利が多いバルサですから、今夜のスラビア・プラハ戦もそういう試合になるかもしれない。どっちの面が出るかか分からない、空中に投げたコインのように思えるのです。

SPORT紙は「今日のバルサはジキル博士か、それともハイド氏か?」と言っていますが、トリデンテが効率よくネットを揺らせれば前者のドクトル、プラハのシュートをテル・ステーゲンがパラドンできなければ後者のセニョールってとこでしょうか。

悲観的で申し訳ない。試合終了後に、バルベルデさん見限っちゃって申し訳ないと謝ってることを願います。
問題点への認識が正しく共有できていれば、改善への道筋・光明が見えるはず。必勝は必勝として、スコアよりも改善具合を注目したいです。

 

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