スポンサーリンク

(やっと)苦しまずに勝った :BATEボリソフ戦

ロベルトの怪我以外は上々の結果。

正直なところ、このBATEボリソフ戦には多くの事を期待してはおらず、ベラルーシから勝点3を持ち帰ることが出来れば満足しようと考えていました。しかしながらバルセロナのパフォーマンスは好印象を与えるもので、BATEが三冠王者に対してあまりに敬意を示しすぎていたことを踏まえても、良い勝ち方だった。ポゼッションの割には効果的な崩しが少ない、シュートの精度がいまひとつなどの改善点はあるのですが、プレーに対する選手たちの真摯さや一丸となったハードワークは今後の指針となりそうです。復調のきっかけになるかもしれない、そんな手応えのある試合でした。

開始0分から真摯にプレー

今季序盤のバルセロナには、これは見ていて安心だという試合がほとんどありませんでした。週末のラーヨ・バジェカーノ戦はスコアこそ5-2でしたが、やりたいフットボルを出来たかといえばそうでなく、納得の勝利はビセンテ・カルデロンでのアトレティコ戦(1-2)くらいでしょうか。このBATEボリソフ戦はようやく訪れた終始不安を感じさせないゲームでした(面白さの点ではまた別問題ですが)。

ベラルーシ王者が非常に控えめ(敬意を払いすぎ)だったことで、バルセロナは圧倒的に優位に試合を進めました。両チームの実力差は明らかで、テル・ステーゲンにセーブの機会が訪れたのは終盤の一度のみ。言うなれば、勝って普通の試合でした。

そんなBATEボリソフ戦で評価すべきは、選手たちが90分を通してとても真摯にプレーをし、チーム全体のハードワークによって試合を終始コントロールできたことです。絶対に勝つんだと気合を入れてピッチに出て、その目標を達成した。自分たちの優位さを分かった上で、余裕をかますことなく我慢強くボリソフを攻め続け、みんなの努力の成果として勝利をものにしたのが好印象でした。攻撃から守備、さらに攻撃への切り替えもスムーズ。これを今後へとつなげられれば、より手強いチームとの対戦でも安定した内容とできましょう。

言えるのは、応援しているチームが90分間ピリッとした試合をすれば、観戦後の気分がとても良いってことです。ただひとつ悲しいのは、溌剌としたプレーでクレの期待を集めているセルジ・ロベルトが、恥骨あたりの違和感で途中交代となったこと。どうか軽傷でありますよう、願うばかりです。

“リーダー”ネイマール

得点こそありませんでしたが、バルサの攻撃を引っ張ったのはネイマールでした。レオ・メッシの不在は彼にとって良い刺激となっているようで、周囲が期待する責任と重圧を引き受けて奮闘。ボールを受けると前を向いて相手デフェンサたちに立ち向かい、幾つものゴールチャンスを演出しました。自ら狙い続けたシュートは惜しくもわずかなズレによって得点とはなりませんでしたが、ゴールがダメならばアシストがある。それもネイマールの長所です。

イバン・ラキティッチの2度のゴールシーンはどちらも、ネイマールが個人技によって守備組織を崩し、出来たスペースに後列のラキティッチがフリーで侵入することで生まれました。レオ・メッシがマークを引き付けてチームメイトを活かすように、大エースの不在時には自分がチームを後ろから手助けする、ネイのそんな気概と実力が示された場面。今回のネイマールはメディアプンタの位置でプレーすることが多く、後ろからチャンスを作ろうとしていました。リーダーとしてまた一歩前に進み出た感じです。前半の得点機を演出したセットプレー(11分のコーナー、30分のフリーキックetc.)も全て、ネイマールがキッカーを担当していました。

おめでたラキティッチ

試合のもう一人の主役はイバン・ラキティッチです。本来であれば、出場時間の積み重なっている彼はこの試合では温存したいところでしたし、セルジ・ロベルトの負傷によって急きょピッチに立つことを余儀なくされた経緯は喜ばしいものとは言えませんが、この夜のイバンは鮮烈でした。ネイマールのアシストを受け、火を吹くような、けれども狙い定めたキャノン砲を突き刺したかと思えば、2点目は柔らかタッチの技ありバセリーナ。迷えるセントロカンピスタが目を覚ました!そんな活躍でした。

トリプレーテを達成した昨季、ラキティッチはセントロカンピスタとしては“デコ以来となる成功選手”と称えられました。しかし今季序盤はパスの失敗が目立つなど、いまひとつな出来栄え。散髪したのが悪かったのでは、などとも言われてきました。考えられる理由のひとつは、最高だった昨シーズンの反動です。

セビージャ時代のラキティッチは背番号10を背負い、チーム随一のテクニシャンとして自由にピッチを駆けていました。しかしバルセロナには変態的な技術を持った選手たちがゴロゴロといますので、ラキティッチの任務は自ずとメッシやイニエスタらを後ろ支えすることになる。フィジカルを活かして走ることが彼には求められ、疲労が積み重なっていった、、と考えられます。疲労度を考慮し、ルイス・エンリケは彼を頻繁に途中交代させていました。

ここ最近は冴えのなかったラキティッチでしたが、BATEが非常に控えめだったこの試合では心地良さそうにプレー。ネイマールルイス・スアレスが作り出したスペースに効果的に飛び出し、結果を残して見せました。怪我人によって中盤が苦しいバルセロナゆえ、イバンの活躍はチームにとってもホッとひと息でしょう。

ラキティッチは今回の2ゴールを第2子を懐妊したラケル夫人へと捧げています。試合終了後、バルサの4番は次のようにコメントしました。「とても重要な勝利だったよ。ものすごく寒かったけれど、僕らは2点を決めることが出来た。僕らは完璧な試合をしたし、すごくよく働いた。BATEにはほとんどチャンスを与えなかったし、こういう試合を続けないといけない」、「僕はゴールすることが好きだし、たとえばラーヨ戦でも決めることが出来ただろうけど、ダメだった。なんであれ一番重要なのはチームを手助けできたことだよ」、「今日のゴールは、再び妊娠をした妻に捧げたいと思う」

ルイス・エンリケ 「流れが変わる試合になるかも」

試合終了後、選手たちのプレーに満足した様子のルイス・エンリケが何度も強調したのは、1-0で勝利した8月29日のマラガ戦以来、9試合ぶりとなる完封勝利を収めたことの重要性でした。「試合にはそれぞれ異なった教訓があるのだけれど、昨季に比べていくつかの点が改善されたことには満足するべきだろう。他の改善点はあるにせよね。これまで私たちは得点を決めるのに苦労していた。1点取るために多くのチャンスを作る必要があったし、守備でも苦労をしていた。しかし今日はそうではなかった。今日で状況が大きく変わるかもしれないと思う

「ハードワークし、改善を続けていかなければならない。私たちにとって必要な流れへと変えていかなければならない。全てを白か黒かで見るべきじゃないんだ。ラーヨ戦でも守備の改善はあったけれど、それでも私たちは2ゴールを食らった。これからも改善を続けていくよ」

厳しくプレッシングをかけたおかげで、守備で苦しまなかった。チーム全体がとても良かったよ」、「1点目を決めるのは苦労したけれど、ラキティッチのゴラッソでそれも終わった。私たちを強くする勝利だ。無失点で勝ったことに加えて、他会場の試合(レバークーゼン対ローマ)が引き分けに終わったことも私たちを元気付けるね。とても良い節だった」、「失点をゼロに抑えられるのは、どんな試合でも良いものだよ

私たちの前線は非常に強力だけれど、他のポジションの選手たちが得点を決める気になるなら、それはチームにとってより良いことだ

唯一チームに影を落とすことになったセルジ・ロベルトの怪我については、「明日の精密検査で結果が出るまでは、何も分からないよ。待たなければならない」とのみコメントしています。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました