バルセロナはこの夏、前線の大型補強を目論む
難易度は非常に高いが、選手交換によって値引きを引き出す作戦(というか唯一の道)
FCバルセロナがラウタロ・マルティネスとネイマールの両取りを目論んでいるという、このコロナウイルス時代らしからぬ景気の良い話が出ています。商業活動が停止して収入が落ち込み、プロスポーツ選手たちに給与カットを要請する一方で、競争力アップを目指して豪勢な補強をするという。その戦略とやらを見ていきましょう。
9番の後継者か、エストレーモか
バルサの強化技術部が2020年夏に補強したがっているのは、ここ最近のメディア情報を見ると、セントラル、筋肉系メディオ、そしてデランテロです。少なくとも3人。ここに左ラテラルと、もう1人のデランテロが加わるかもしれない。
選手たちに給与カットをお願いするほどの財政状況につき、来季予算も十分な資金は見込めないので、選手を売ったお金で獲る、もしくはトレードが必須となります。
最大の問題はやはり、大金が必要になるデランテロです。
コロナウイルス禍の影響が直撃する今夏は、それ以前のような狂乱物価とはならないでしょうが、どっちにしても相対的に高額なのは変わらない。
バルサは去年から狙っているネイマールを引き続き追うのか、いずれ必要になるルイス・スアレスの後任(ラウタロが有力)を獲るのか、両取りを試みるのかを決めなければなりません。
SPORTがウェブサイトで行ったアンケート「バルサの前線補強であなたはラウタロとネイマールのどちらを優先しますか?」では、「2人とも」と回答した人が53%で最多。「ラウタロ」が30%、「ネイマール」が17%だそうです。(13,537人が回答時)
ネイマールへの拒否反応が薄れてきている模様。
選手を差し出し値引きしてもらう
ではどのようにして1億ユーロを超えるスター選手を獲得するのかというと、こちらの選手をオペレーションに含める、これしかない。相手クラブが欲しい選手を差し出すことで、値引きしてもらうのが唯一の道でしょう。SPORTは「交換戦略」なんて言ってますけれど。
ちなみにラウタロの“正規価格”(契約解除金)は1億1,100万ユーロ。ネイマールは約1億7,000万ユーロ。
さて何人の選手が交換で出されることになるでしょうか。1人を連れてくる作戦に2-3人を含めるとして・・・ ただでさえ薄めのスカッドが、さらに“軽量化”されそうです。
スカッド軽量化=カンテラーノの出番?
素朴な疑問として浮かんでくるのは、そんな軽量化したチームで長いシーズン(来季は特に変則的で過密な日程になる?)を戦っていけるのかという点。
ドナドナ作戦要員としては、コウチーニョ、グリーズマン、アルトゥロ・ビダル、ウンティティ、ブライスウェイト、さらにデンベレあたりが考えられます。
前線はトリンカオも加入するし、だぶつくので放出は不可避と予想。一方で中盤は、ラキティッチとビダルが抜ければ薄くなります。セントラルも3人だけです。
となると、スカッドが足りない部分はバルサBのカンテラーノでまかなう意思であると受け取って良いのか。カルラス・アラニャー、リキ・プッチ、ロナルド・アラウホらが来季はチャンスを得そうだとは見られています。
あとはいつも言っている、給与総額の問題はどうするつもりだろうか。
ラウタロはまだ手頃な給与ランクだそうですが、PSGの家出王子は高い・・・ その点からも、給与が近いクラックを放出しなければ、膨らんだ風船がまたパンクに向けて近づいていきます。
ということで、手を出すには早すぎると敬遠しているマーケットの話題でした。
まずはラ・リーガがいつ再開し、どのように閉幕するかが重要。その後のマーケットも異例づくしの展開になるでしょうから、今はまだ仮定の仮定話です。
コメント