最終決断はまだどちら側も下していないか。
バルセロナがこの2017年の冬のマーケットで右ラテラルを補強するのかどうか、もしそうであるならば候補はクロアチア人のダリホ・スルナ(34)の一択のように見られていますが、そのスルナがバルサが契約を結ぶかどうかは、まだ分からない状況です。メディアに伝えられるところでは、ルイス・エンリケがラテラル獲得を希望している一方でバルセロナの理事会は熟考中、スルナ本人もバルサの申し出を受けるかどうか熟考中。話し合いは行われているものの正式な動きはまだ無いようで、今週中になんらかの進展があるのではないかとの見方が有力です。
理事会は補強に慎重論
右ラテラルの補強を巡っては、ダリホ・スルナが最有力候補である点で、バルセロナ系メディアは共通しています。年末に良いパフォーマンスを見せたアレイシ・ビダルでしたが、ルイス・エンリケとロベルト・フェルナンデス率いる強化部は、国際経験が豊富で、ベテランゆえに短期契約も可能なクロアチア人ラテラルの獲得に積極的との見解。来夏にはジョアン・カンセロと契約することで内定しているとされますし、今季残り半年をスルナに賭ければ、来季の右ラテラルは(彼らが機能すれば)ひとまず十分となりましょう。そしてセルジ・ロベルトはルイス・エンリケが本職と考えるインテリオールなり、メディオセントロなりに回すことが可能です。
ただし、スルナ獲得でバルサ内部の意見は二つに分かれているとの説を唱えるのがSPORT紙です。1月2日付の同紙によりますと、テクニコがラテラルの補強を望む一方で、クラブ理事会は選手の新規獲得には慎重な立場らしく。その理由は例によって経済的なものです。
スルナはシャクタール・ドネツクの富豪オーナー、リナト・アクメトフ氏と懇意で、スルナ本人が望めば契約を半年残したこの冬にも自由移籍できるそうですから、獲得時の投資は問題ではありません。問題となるのはSPORTによると400万ユーロという年俸額。現在、スカッドの年俸総額は非常に高額となっており、年間予算における比率も上昇中です。バルサはレオ・メッシを始めとする主軸たちとの契約更新を目指していますし、人件費比率をさらに上げたくない(上げる余地があまりない)のが実情だそうです。
人件費の比率を下げるためには収入を増やすか、スター選手を放出するか、そのあたりしかないでしょうし、スルナ云々を別にしてもどう解決していくのかは気になるところではあります。いずれにせよ、決断は下さなければなりませんので、SPORTは今週中に理事会は答えを出すとしています。
選手は熟考中
ではダリホ・スルナ本人の意思はどうかといいますと、彼もまた現時点では迷いの途中とするのがMD紙です。ラテラルは今、クロアチア南部の故郷の町メトコビッチ(Metkovic’)にて家族と冬休みを過ごしているらしいのですが、3日付のMD紙によれば、ネレトバ川の岸に広がり、ボスニア・ヘルツェゴビナとの国境に接するこの美しい町でスルナは、バルセロナと契約を結ぶことによる利益/不利益を熟考中とか。バルサと契約することの利益は、キャリア最終盤に世界的ビッグクラブの一員になれることです。
対する不利益は、バルサで受け取る年俸がシャクタール時代より減るであろうことだとMDはいいます。曰く、“スルナはバルセロナからのオファー内容がクロアチア代表の友人イバン・ラキティッチと比べるとだいぶ違うと感じている”。バルサがよほどオファー額をケチっていない限り、最終的にはフットボル選手としての夢が優先されるように思いますが、トッププロですから譲りがたいものがあるのも理解できます。あるいはスルナの迷いは、バルサが提示しているという1年半の契約期間にあるのかもしれません。
そこで彼が希望しているのが、バルサ代表者との面談です。MDによるとスルナ側とバルサ側はクリスマス期間中も継続的に連絡を取り合っているそうなのですが、選手が望むのは顔を合わせての話し合いとか。そこで気になるところを直接確認し、決断を下したい模様です。
アレイシの移籍先探し
そして、バルサがもしクロアチア人ラテラルと契約するのであれば、余剰人員となってしまうアレイシ・ビダルの移籍先(レンタルであれ、完全移籍であれ)を見つけるという課題も出てきます。アレイシの状況については、こちらも退団を決めた説、納得のいくオファーが届いていないので引き続きバルサでポジション競争を続けていく説など様々。現状維持かどうかをバルサが決めなければならないとするSPORT、決断は選手次第とするMDといったところです。
ということで右ラテラル問題ですが、今のところはこれといった動きは見られていません。来週あたりには進展もあるでしょうから、どうなっているか、見てみることにいたしましょう。
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