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マルティーノの直面した困難

選手から支持はされたが、好きには出来ず。

欧州初挑戦がFCバルセロナで大丈夫か?と不安視する声がありながらも、サンドロ・ロセイ前会長からのオファーを受け入れ、ティト・ビラノバの後任として急きょカンプノウのベンチに座ったヘラルド・マルティーノ前監督。最終的に夢破れてアルゼンチンに戻ることになった彼は、1年間のバルセロナ生活で様々な困難に直面しました。その1つが、ビッグネームの揃ったロッカールームに自分のやり方を持ち込むことの難しさでした。擦り切れた選手たちのコンディションを鍛えようにも、それが出来ないもどかしさの中でのバルサ監督生活だったようです。

持ち込めない自分流

タタ・マルティーノの監督就任当初、たしか、彼が選手たちにタフなトレーニングをさせる監督であり、休日はさほど与えないというふうに読んだ記憶があります。しかしシーズン終盤はタイトル争いをしているのに休日やら食事会やらのニュースが満載。選手たちのフィジカルも、期待された状態にはなりませんでした。

27日付のMUNDO DEPORTIVO(MD)紙によりますと、タタさんの彼のスタッフたちはまず、チームの慣習の壁にぶつかったようです。新たにバルサのトレーニングを始めてすぐ、選手たちから自分が受け入れられている一方で、彼らのコンディションがシーズンを戦い抜くには遠い状態であることに気付きます。これはなんとか鍛えなおさなければならない。しかしタタチームが彼らのトレーニングメソッドを導入するのは、選手たちの支持とはまた別問題だったようです。タタさんは逆に、重鎮選手たちが提案する従来の方法を受け入れざるを得ませんでした。

マルティーノはこれを選手たちのコミットメント不足だとは感じなかったらしいのですが(実際選手たちは紳士で真摯なタタに敬意は払っていた)、スターだらけのチームに独自の流儀を持ち込むことが非常に困難である(ほぼ不可能である)ことには気付いた。それまで率いたチームではそんな事態は発生せず、自分のやり方で仕事を出来ていたタタさんでしたから、もやもやした中での職務実行になっていたようです。

それはトレーナーとして評判の高かったエルビオ・パオロロッソにとっても同じ。選手たちをとことん鍛えるのが信条の彼もまた、バルサのトレーニング方法に従うことを求められました。MD紙の記事では、彼と気の会うクラブ職員から、「選手たちへの要求はあまり多すぎないほうがいい。もし限界まで鍛えて、それで壊れでもしたら、君に責任が押し付けられるぞ」と“助言”を受けたりもしたらしいです。

ロセイの辞任

それでも成功を目指して奮闘し、上々の成績でシーズン前半を終えたヘラルド・マルティーノ前監督でしたが、ネイマールとの契約騒動を巡ってのサンドロ・ロセイの突然の会長辞任が、彼がバルサとの関係を考えるポイントになりました。何が真実やらも分からない中で、おそらくは捻じ曲げられた事実が我がもの顔をしてメディアで伝えられていく中で、タタさんは、誰もが夢見ていたようなシーズン終盤になるのは難しいだろうと確信。コンペティション終了後での退団を考えるようになった、、、みたいです。

バルサのトレーニングに激しさが足りない、との指摘はティト時代からありましたので、2014/15シーズンにバルサが復調できるかどうかは、ルイス・エンリケがチームに厳しさを持ち込み、鍛錬しなおせるか次第のように思えます。かつての炎のカピタンなら、重鎮選手たちも有無を言えないはず。鬼のアニキ、カモン!

 

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