マラガの宝石ブライム

 

13歳の天才少年のバルサ入団が近い模様。

ブライム・アブデルカデル(Brahim Abdelkader)というなんとも難しい名前の少年が、マラガに所属しているそうです。年齢は13歳。ポジションとしてはデランテロ、あるいはメディアプンタに分類されるのですが、そんな若さでこうしてニュースになるわけですから、半端な将来性のはずはありません。SPORT紙が伝えるところによりますと、攻撃的なポジションであればどこでもまかせろの万能型アタッカンテ。言うなればメッシ、イニエスタクラスのキラキラ星となりまして、お察しの通り、バルサへの入団が目前だそうです。

 

メッシに憧れ

SPORT紙の記事は、ブライム少年のことをこう説明しています。スピードとテクニックに優れ、視野の広さは抜群で、中距離からの強いシュートもある。守備時の規律も備え、疲れを知らないプレッシャーによって活発に守備をサポートする。攻撃的なポジションであれば、どこでもこなすことが可能。なんともステキではないですか。

ブライム少年は元々、マラガ市内にあるTiro Pichonというクラブでプレーしていたそうです。そこでマラガCFに注目され、7歳で移籍。こういったキラキラ星にはよくあるように、同年齢の子供たちとのプレーでは抜け出てしまっていたため、彼もまた常に年上の少年たちとプレーをしていました。転機となったのは10歳の頃。彼はカンプノウを訪れる機会があり、なんとグアルディオラやメッシと挨拶をする幸運に恵まれたのです。その時少年は決意しました。”オレいつか、バルサでプレーするんだ!”

そして少しの時が流れた昨年夏、FCバルセロナはブライム少年の家族に入団の誘いをかけたのだそうです。ブライム君本人の意思はバルサでのプレー。つまりはこれは、ほぼ結論の見えた鉄板勧誘となります。しかしマラガが年間1万ユーロの報酬+住居、学費をオファーしたことで、少年と家族は最低あと1年はマラガに残ろうという決断を下しました。なんでも一家は失業問題で家計が苦しく、13歳という年齢以上に成熟したブライム少年はクラブの提案を受け入れ、残留を決めたのだとも言われています。

 

マラガは残留を願うも、少年は移籍希望

そこまでが過去の話。ここからが現在進行形の話となります。バルサ入団が”保留”となって1年が経過した先週金曜、ブライム少年はマラガとのlicencia federativa (出場ライセンスとで訳すのか)へのサインを拒否という行為に出ています。スペインでは16歳までは労働者契約が結べないので、所属クラブと毎年このライセンス署名を行うそうです。ブライム少年は13歳ですが、今シーズンはカデッテ・カテゴリーの大会に参加する予定になってました。

このブライム少年が並みのキラキラ星ではないことは、当然マラガも分かっています。いずれは欧州のグランデ入りを目指す彼らですから、その旗手となりうる少年を手放そうとするはずはありません。彼らにとっての一番の武器は、昨年ブライム君(家族)と結んだ契約書です。マラガはおよそ2ヶ月前からユースアカデミー理事であるマネル・カサノバ、そしてかつてはバルサにも所属したアルナウが契約延長の働きかけを行っているらしく。一方でブライム少年の代理人は、ペップの弟であるペレ・グアルディオラが務めています。このあたりの情報は、globedia.com の記事を参考にしています。

しかしMARCA紙が10日に報じたところによりますと、ブライム・アブデルカデル・ディアス少年のバルサ行きはもはや時間の問題のようです。その記事によりますとクラブ間での交渉は数週間前から行われており、11日にはペレ代理人がマラガに入って、おそらくは交渉の最後の詰めを展開中(バルサの代表は不明)。バルサはマラガに対して、ここまでの育成費として5万ユーロをオファーしていて、あちらさんは10万ユーロ以上を求めているとされています。そしてバルサに少年が移籍し、もし彼が将来カンプノウでトップチーム契約を手にした場合、300万ユーロが追加でマラガに支払われるようです。

MARCA情報によれば、今回はブライム少年だけではなく、彼の家族もまたバルセロナでプレーすることを決断済み。合意が為されればすぐにでもバルサは、来週からカタルーニャの大会に出場登録する予定とのことです。バルサ系SPORT紙だけでなく、首都系MARCAもまた”移籍は秒読み”としていることから、オペレーションの近日完了は間違いないのでしょう。

 

カンテラーノ強奪?

年端もいかない少年を我がクラブへと入団させるため、親御さんに住居や仕事を提供する。どこかで聞いたことのある話ですし、このブライム・アブデルカデル少年がバルサに入団することになれば、特に彼を連れて行かれるクラブ方面や、バルサに反感を抱いている方面のメディア、あるいは単に騒ぎたい人たちからは、”強奪行為だ!”という声は出てくることでしょう。まあそれは毎回のこと。少し前、バルサでの挑戦を断念したトラル少年が自分の意思でアーセナルへ去った際にも、”強奪!”という分かり易いフレーズが各所で流れました。物事はそんなに単純でもないでしょうに。

例えばマルティ・リベロラのように7歳で初めてバルサのフットボル教室に入り、そのままフットボルバッセへと加入し、順調にカテゴリを上がって行って・・・というような少年なんてほとんど存在しません。見事バルサBまでは到達したリベロラも、トップチームには届くことなく、夢半ばにしてクラブを去りました。一方で成功をつかんだイニエスタにせよメッシにせよ、12歳頃までは別のクラブに所属していて、100%バルサ産ではない。他のクラブもそうで、生え抜きと言われる選手たちも、ほぼ別のクラブ(そして大抵はより規模の小さいクラブ)のカンテラを経験しています。

トラルがカンプノウへの挑戦ではなくアーセナルでのプレーを望んだように、ほかのクラブがより良い条件を提示し、それが魅力的に思えるのなら、好きに他所へ行けばよろしい。ブライム少年が地元マラガでの成功よりもバルサでの厳しい生存競争を望むなら、どうぞ来ればよろしい。20歳を過ぎてバルサBへ”助っ人”として入団した選手を「うちのカンテラっ子です」として紹介するには若干気が引けますが、12歳なら完全に無問題。もしバルサの一員となったなら、これからの大いなる幸運を願うだけであります。

 

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