代理人から伝えられたショッキングな決断。
スペイン時間の1月17日夜(日本では18日早朝)、驚きのニュースがメディアを駆け巡りました。FCバルセロナの不動の守護神、ビクトル・バルデスが2014年6月までとなっているクラブとの契約を延長しない、という歓迎せざる内容でした。バルデスの決断は木曜、代理人によってクラブへと伝えられました。しかしながらこのタイミングで、こんな混乱を起こすこともないでしょうに・・・ 今後ビクトルへの風当たりは当然強くなるでしょう。これはバルサにとって、解決するには相当に難しい課題であります。
各メディア情報によりますと、この爆弾が炸裂するに至った経緯はこんな感じだったようです。17日(木)夕方、ビクトル・バルデスの代理人であるヒネス・カルバハル、ならびにビクトルの父ホセ・マヌエル・バルデスさんがシウター・エスポルティーバ内にあるFCバルセロナのオフィスを訪れました。目的はもちろん、ビクトルの契約延長交渉をスタートするため・・・ と思われましたが、そう考えていたのは残念ながらクラブ側だけでありました。何故なら彼らを待っていたクラブの代表たち(スビサレッタSD、バルトメウ副会長ら)はバルデス側より、ショッキングな言葉を伝えられるからです。
そう、カルバハル代理人と父バルデスはこの会談場所に、自分たちが交渉を行う意思がない旨を伝えるためだけにやって来たのでした。ならば、とクラブ側が妥協案を提示しても、返事はNOの一点張り。さらにスビたちに追い討ちをかけたのは、コパでの雲行きが少々怪しくなり、シーズンもまだ道半ばであるこの段階でその情報を明かすのは、混乱を起こすだけなので待ってほしいというクラブからの要求に彼らが否定的だったことです(さらに今はティトの病気の事もあるでしょうに・・・)。
そして話し合い(正確には一方的な通知)は2時間で終了。その後、彼らはわざわざ、EFE通信社に自分たちの決定を送り付けています。そうしてバルデスの決断は今、あらゆるメディアの知るところとなりました。
伝えられるところでは、バルサは今回、バルデスとの契約を2018年まで延長し、年俸も1000万ユーロへとアップするつもりだったそうです。しかしながら彼は別天地で挑戦をするとすでに決めていて、クラブからのオファーに耳を貸すことはありませんでした。
まあ契約満了後にどういう未来を選ぼうと、それは選手の自由です。心はもう決まっているのに延長する気のない契約交渉して、クラブやファンを欺きたくないという気持があるのかもしれない。しかし、発表のタイミングややり方というものがありましょう。17日時点ではバルサからの公式発表は行われていませんが、翌日にはなんらかのコメントがあるものと思われます。現時点で報じられている情報は基本的に推測含みでしょうから(メディアによって少しずつ違いがある)、状況がよりハッキリするのはその後となります。
今後のオプション
バルデスがバルサとの契約を延長しないと決めた以上、彼がカンプノウでプレーするのは最長で2014年6月までとなります。つまりはあと1シーズン半。この状況で考えられる選択肢は、大きく分けて2つです。
選手は契約が満了する年の1月になれば、所属するクラブになんら伺いを立てることなく別のクラブと交渉をし、自由に次のプレー場所を選べます。移籍に際し、所属クラブが得る金銭的代価はありません。よってなんらかの移籍マネーをクラブが得ようと思えば、バルデスは次の夏で放出しなければならない。交渉先からは当然足元を見られ、値切られることは必至。後任を探す時間もほとんどありません。
この点においてビクトルは、けっこうな”親不孝”をしました。せめてもの恩返しに1年だけ延長をするとか、発表はもっと遅らせるとか、なにか別のやり方もあったことでしょうに。この後にどういう反応が起こりえるかを考えると、好からぬ結果しか思いつきません。
一方、可能性は低いでしょうが、もしバルデスが今季末での移籍を受け入れず、契約満了までバルサにいたいと言った場合はどうなるでしょう。ティトなら最後までビクトルを守護神として起用するようにも思いますが、あるいはピントを正ポルテーロとし、バルデスはベンチというのもあるかもしれない。それともオイエルあたりの若手を鍛えるか・・・ なんにせよ、彼の抜ける穴を埋めるのは難しいです。カンテラーノに活きのいいポルテーロが控えていて頭角を現すのが一番なんですが、それも期待薄であります。
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