大観衆がスタジアムに戻るためには、集団免疫が必要
当面は観客抜きでプレーされ、徐々に観客数を戻していく流れ
コロナウイルスの感染拡大によってフットボールが停止してから一ヶ月余り。最近は不確定情報ながら、リーグ再開に関する記事がちらほらと出てきています。ラ・リーガは7月に、チャンピオンズは8月に無観客で行うというようなものです。寂しいですが、現状では無観客もやむなし・・・。ではスタジアムに人々が入り、かつての熱狂が戻ってくるのはいつかとなると、カンプノウでは年内は厳しいようです(涙)。
フットボールの日常が戻るのは、まだずっと先
カンプノウが開門され、以前のような大観客の前でフットボールが行われるのは早くとも2021年になってからだろう・・・との記事が載っていたのは4月21日版SPORT紙です。それも年明けから可能になれば良い方で、2月くらいは覚悟しておくべきかもしれない。
なにせ数万人が密集・密接するスタジアムですから、感染再爆発の可能性が限られた状況になるまでは、政府による許可が下ることはないのでしょう。
それにスタジアムがファンに開門されるとしても、まずは小都市の小規模スタジアムからになるとのことで。カンプノウやらサンティアゴ・ベルナベウのような巨大スタジアムは、その収容人数の大きさゆえに、順番が回ってくるのは最後になるようです。
いまの閉居生活が解除された後の世界について、様々な人々が予想をしていて、以前のような営みはもう戻ってこないんじゃないかとも語られていますが、観客収容数を増やそうとしたカンプノウ改修計画はどうなるんだろうか。そもそもの資金繰りが頓挫しますかね。
話が少し逸れました。デカいスタジアムにフットボールの日常が戻ってくるのは、もし戻るのだとしても、当初僕らが考えていたよりもずっと先になりそうだということです。1年くらいは必要そう。
無観客が解除されても、段階的に
フットボールの日常が戻る条件となるのは、新型コロナウイルスによる感染の再拡大が起きなくなることです。当初目標にしていたウイルスの根絶はもう無理とされ、目指すのは65-70%の集団免疫。
4月21日版SPORTには Sociedad Española de Salud Pública y Administrasión Sanitaria (SESPAS) の疫学者アンドレア・ブロンさんの説明が紹介されていて、「人口の7割ほどが免疫を持つことで新たな感染拡大はないだろうと言え」て、「大勢の人々が集まり始めることを考えられる」そうです。
英国BBCのニュースを見ていたら、新型コロナウイルスの自然感染による免疫は長期間保たないかもしれない・・・というのが流れており、そうなるとまた話は複雑になりそうですが・・・もっとも楽観的な予想でも11月あたりなので年内の開門は諦めるくらいがちょうど良いのでしょう。
ワクチン開発の成否。抗体検査によって集団免疫が確認されるのも、いつだっていう話ですしね。。
いきなり満員には戻らない
そして観客を入れられるようになっても、段階を踏まねばならない。
無観客が終わったからといって、いきなり満員のカンプノウが見られるようになるわけではありません。最初は“がらがらのスタンドにちらほら等間隔に観客がいるカンプノウ”です。
ブロンさんによると、観客を1/3だけ入れる、観客同士は安全な距離を保つ(間に構造物を置く)、検温する、などの対策が必要だそうで、かつての常識からすれば異様な光景が見られるのでしょう。
実務的な問題も発生してきます。カンプノウだと座席はソシオの年間指定席になっていますが、フットボールに飢えたファンが大挙してスタジアムには行けない。順番待ちです。それをどうやって決めるか。クラブから順に来場許可が出るとか、2020/21シーズンは観戦希望者への販売にするとか。
ファンが家族とスタジアムを訪れて、おかしをつまみながら試合を見て、ハーフタイムにボカディージョを食べて、といったフットボールの日常はいつ戻ってくるのか、果たして戻ってくるのか。カンプノウで高らかにイムノを歌いたいなぁ。
このニュースのまとめ
- ・カンプノウに観客が入るのは、2021年以降となりそう
- ・必要なのは集団免疫やワクチン
- ・ファンの入場が許されても、まずは一部の座席から
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