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守り人クーマン「バルサには会長が必要だ」

選手たちのリアクションに大満足だと語るオランダ人監督
勝つことによりチームの雰囲気は良くなり、外因もまた団結を強くすると語る

困難な状況にあるクラブを、先頭に立って導く会長がいない状況がもう3ヶ月以上も続いているFCバルセロナ。新会長が決定するにはさらに1ヶ月を要する、そんななかでチームやクラブの盾になって奮闘しているのがファーストチーム監督のロナルド・クーマンです。リーダー不在のクラブの中で、広報係となるのは問題ないけれど「バルサのようなクラブが会長不在ではダメだ」と述べる彼は正しい。この時期にクーマンが監督席にいるのはバルサにとって幸運でした。

タイトル獲得の逃せないチャンス

バルセロナは今日、グラナダを相手に国王杯 1/4 final(準々決勝)をプレーします。2試合で手の届くスーペルコパを逃したバルサにとって、6試合で優勝できるコパは是が非でも手にしたいタイトル。チャンピオンズとラ・リーガ以外は大して価値はないやい、なんて言っていた時代はもう過去となりました。

バルサが最後に獲得したタイトルは、2018/19シーズンのラ・リーガです。この年は結局、アンフィールドで粉砕され、コパ決勝でもバレンシアに敗れて失意の終幕となったのですが、一気に現実を見せられる直前まで「トリプレーテ達成へ!」って気勢を上げてたんですよね。トリプレーテ・・・(遠い目。笑)

もちろん今季もまだチャンピオンズやラ・リーガの可能性はありますから、挑戦者としてチャンスを狙っていくわけですが、まずは手近なところでコパのタイトルを獲得したい。勝って成長の証としたい。自信が欲しい。まだこれからの若い選手たちにとっては、一つ一つの成功体験が大事な糧となります。

あと4試合でタイトルを掲げられるチャンスを、逃してはならない。“ウェンブリーの英雄”はロス・カルメネスでのグラナダ戦を前に、選手たちをこう励ましました。
「私たちはバルセロナだから、どの試合も重要だ。けれどもコパが優勝に近づいているのは事実。残り試合数は少なく、難しい試合が前にあるとはいえ、(成否は)私たちの手の中にあるからね」

広報係をするのは問題ないが

私感ですが、ロナルド・クーマンはメッセージを発せられるタイプの監督さんです。別の言い方をすれば、会見での言葉が翌日の新聞の見出しに取り上げられる頻度が高い監督。ニュースとして取り上げたくなる監督。彼の前任者ふたりは(申し訳ないんだけれど)あまり面白みがなかったんですよね。

そういうわけで現在、クーマンは会長不在で波間を漂うクラブの顔となっています。それを訊ねられた彼、こんなふうに答えました。
「バルサが困難な時期であることは知っていたし、何度か言っているように、広報係となるのは全然かまわないんだ。けれども私はエントレナドール(監督)で、クラブの中で非常に重要な役割がある。もしスポーツ面が機能するなら、クラブ内の全てはより簡単になるからね。しかし私たちには会長が必要だ。バルサのようなクラブが会長なしではダメなんだ。この偉大なクラブの未来を立案していくのが誰になるのか、見ていこう」

 

SPORTのリュイス・マスカロ記者が「クーマンの一番の良さは報道陣を前にして伝える穏やかさであり確信だ」と述べているんですが、語り口とか醸し出す雰囲気が安心感をもたらすんでしょうね。迷いがないのだと。

ここ数日、カンプノウ界隈で話題となっているメッシ・バルサ間の契約書リーク問題については、監督は次のように語っています。
あなたたち(記者)がこの件を3日も4日も引っ張っているなんてのはちょっとバカげていると思うよ。チームとレオは、報道される物事を脇へ置いて試合やプレーに集中しようと試みる、私の好むやり方で応えたわけだからね。そんなチームに私はとても満足しているんだ」

勝つことが良い雰囲気を作る

クーマンはまた、敵がクラブ内部に存在している可能性について質問された際、「あり得ることだし、(敵は)敵は多くの場所からやって来る。ビッグクラブの内部には常に競争があるものだからね。内部に友人のいる外部の人間も存在している。けれども私は監督として選手たちとクラブを守っていくよ」と胸キュンコメントをしてます。熊さんのごとき包容力で守られたい 笑

そして「このようなことが起こった時、それが私たちの団結力を高める助けにだってなり得るさ」と付け足した監督。EL MUNDO紙が爆弾を落とした直後のアスレティック戦、チームは一体感を増している印象を受けました。ゴールを決めた後の祝い方も、慣例でやっているのとは違う空気があった。難しい状況の中で、選手たちの雰囲気は良くなっています。

結果次第だと思う。勝つことによって雰囲気は良くなるものだからね。雰囲気は大事だ。一方で外部の物事から常に影響を受けうる。無観客で後押しがないのは分かっているから、別のことからモチベーションを掴もうとする必要があるんだ。デリケートで困難な瞬間に強くなければならない。チームが勝つことによって、この雰囲気を手にし易くなることを私たちは知っている」

8月にバルサ監督就任が発表された時、彼が来季もカンプノウのベンチに座っている可能性は相当に低いだろうと思われていました。それがどうでしょう、今がこのクラブが3ヶ月以上も会長を欠きながらも安定を保っている、その多くはクーマンの功績でしょう。最近の彼を褒めまくっている自分を気持ち悪いと思わなくもないですが、実際よくやってくれているので引き続き褒めていきたいです。

3月7日の会長選挙で誰が当選しようとも、クーマンの安定感とカリスマが頼りになるのはきっと間違いない。早く新しい会長が誕生し、監督の仕事を減らしてあげることを願います(退任時、果たしてこのクーマンもやつれているのだろうか)。

グリーズマンについて
「シーズンを通して良くやっているし、ハードワークしている。選手がまず行うべきことはハードワークし、チームを最大限に手助けすることなんだ。アントワンには決めるべき得点を決められない時もあったけれど、それはどんなデランテロにも起こること。苦労する時があれば、苦もなく決まる時もある。今の彼は好調で、手助けと得点の両方をしている。それは私にとって重要なことなんだ。私たちは選手の最大限を引き出したいからね」

 

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