ペップ・セグラら強化部の仕事を繰り返し理事会メンバーに批判され
バルトメウ会長に昨日、辞意を伝えた
FCバルセロナの第2副会長であり、スポーツ部門の最高責任者であるジョルディ・メストレ(57)が昨日、ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長へと副会長辞任を伝えました。ネイマール獲得反対派であるから、と報じられていたりもしますが、MDやSPORTの説明によると、ペップ・セグラを巡っての理事会内での意見の不一致が本当の理由だとか。なんにせよバルト会長は大切な仲間を失い、不安定な立場になったわけです。
昼食会で辞意を固めた
バルセロナ系スポーツ各紙によりますと、昨日7月3日(水)、バルサ理事会による昼食会がありました。
クレ世論で反対の声の多いグリーズマンやネイマールについて話し合うため、ほとんどが出席したという重要な会合。
そうして話が進むなかで、ペップ・セグラ(スポーツマネージャー。強化担当責任者)の去就について話題になったのだそうです。
セグラといえば、ラ・マシアを軽視し、バルサらしからぬフィジカル重視のフットボールを志向していると批判されることの多々ある人物。
理事会においても評判は芳しくなく、MD曰く、ペップ・セグラやエリック・アビダルの仕事に関して理事たち(それもスポーツ部門を担当する理事たち)から批判が繰り返された模様です。
メストレは上司として、強化技術部門がこの数週間、戦力外選手たちの移籍先探しなどに奔走してきた姿を見てきた。そういったことが評価されず、クラブ内部から執拗に批判が続く様子に憤慨し、落胆したようです。
そしてスポーツ部門を担当する理事たち(バルトメウ、ハビエル・ボルダス、チャビエル・ビラジョアナ、シルビオ・エリアス)が、同日午後にクラブのオフィスにて会議を行うことを決めます。議題はもちろん、セグラについて。
当然メストレも招集を受けましたが、セグラを守るのが自分一人しかいないと分かった彼は出席をせず、バルトメウ会長に副会長を辞任する旨を伝えたのだそうです。
(MDのボッシュ記者は、会長には食事会のなかで、その他理事たちには午後にメッセージアプリ WhatsApp のグループトークにて辞意が伝えられたと説明)
(MD日本語版が、辞任理由をバルト会長やセグラたち強化部との意見の相違と誤訳していて泣ける)
(メストレはバルベルデ続投に批判的だったとされる理事の一人で、ネイマール復帰に反対していた)
内部クライシスの幕開けとなるか
特に予兆のない突然のクラブ幹部の辞任ですから、これは驚きのニュースです。
それもスポーツ部門の最高責任者であり、バルトメウ会長が絶対の信頼を置く盟友であり右腕が、理事会メンバーとの“大きくそして相容れない意見の不一致”(SPORT紙)により、夏のマーケット期間中に突然辞任する。まあ普通ではありません。
メストレは明日4日(金)に行われるフレンキー・デ・ヨングの入団プレゼンテーションにも、いつものように出席する予定でしたから。
ではバルサにとってこのメストレの辞任がどう影響するのか・・・
ペップ・セグラの補強方針に疑問を持ち、バルサはラ・マシアをもっと重視しながら原点に回帰するべきだ、と考える理事が複数いて、 それがメストレに突然の退場を決意させるほどの動きになっているのなら、クレとして悪い話ではありません。短期的には騒動(内的クライシス)を発生させても、中期的に見ればプラスになりそうに思います。
最大の友を失ったバルトメウ会長、後ろ盾のなくなったらしいペップ・セグラ。
ネイマールやグリーズマン獲得作戦への影響は、さていかに。
ジョルディ・メストレはこんな人
ジョルディ・メストレがFCバルセロナにやって来たのは2010年夏、当時会長だったサンドロ・ルセイにバルサBとバルサ女子の責任者に任命されてのことでした。
副会長に就任したのは、そのロセイがネイマール・ケースで辞任することになった2014年。会長の座が、当時スポーツ部門の副会長だったジュゼップ・マリア・バルトメウへと譲り渡されたことで、フットボル・バセ(育成部門)を担当していたメストレが昇格したのです。
バルサフットボール部の女子チーム再建とプロ化に貢献したのは評価されるべき功績。
メストレが贔屓にしたバルサ女子は2015/16シーズンからプロセクションとなり、トレーニングをシウタット・エスポルティーバで出来るようになり、スタッフも増強され、2018/19シーズンはついにチャンピオンズリーグで決勝進出を達成しています。
そんなメストレがバルサ副会長として最後に公の場に登場したのが、先日の名選手ジェンニ・エルモソの入団署名式(アトレティコからバルサ復帰)だったのも縁というものですかね。
また、メストレはレオ・メッシにサンジョルディ十字勲章を提案し、カピタンがカタルーニャ自治政府の最高勲章を授与されることになった立役者だそうです(MD)。なのに授与式典では表に出てこなかった、その奥ゆかしさはすてき。
でもメストレさんの名前が一番知られるようになったのは、2年前のペップ・セグラ・スポーツマネージャー就任会見における発言であります。ネイマールがPSGに移籍するんじゃないかと騒がしくなっていた件について訊ねられ「200%、この夏ネイマールはバルサから動かないだろう」と語った副会長。
その数日後にPSG移籍ですから、200%はどうした、と総ツッコミが入ったのが印象的でした。
ちなみに彼はバルセロナでも有数のホテル経営者で、カンプノウ近くにあるホテル・ソフィアは彼が所有と。先日バルセロナ・ホテル経営者組合の会長に任命されたこともあり、バルサを去って本業に専念するにはちょうどいい頃合いだったかもしれません。
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