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メッシとバルサの契約書が暴露された件

先週日曜、FCバルセロナとメッシの契約内容が全国紙に公表された
クラブを破産させるクラックとの主張、それは正しくはない

レオ・メッシとFCバルセロナの契約書が丸ごと一般紙に暴露報道されるという前代未聞の事件により、再びカンプノウ周辺がざわついています。去る1月31日(日)、スペイン紙 EL MUNDOがクラックとクラブが2017年に結んだ現行の契約書のコピーを入手し、そこに記載されている数字、契約条件などを公表したわけですが・・・

EL MUNDOが放った爆弾

EL MUNDO(エル・ムンド。正式名称 EL MUNDO DEL SIGLO XXI、21世紀の世界)はマドリー市に本社を置く一般紙で、Wikipediaさんの情報によるとスペインの全国紙では EL PAIS(エル・パイス)に次いで2番目に多い発行部数だそうです(オンライン版の読者数はスペイン最多)。特徴はスクープやスキャンダル報道を得意とする点で、このたびはFCBに爆弾を投下してくれました。

こういうのも“報道”っていうんでしょうかね。

国民の税金を食い物にする契約が成されていたのなら大問題ですが、クラブと選手が話し合い、需要と供給の理論に従いつつ、どちらにとっても有益となる経済条件で合意を交わした。その個人的な契約事項を公にさらす行為を全国紙がやってしまうことに驚きます。マドリーの新聞なので、驚くほどでもないのか。レオの脱税騒動の時も、やたらと騒いでいたりね・・・

まあなんであれ、ニュースは実際にその紙面を見てみることが大事ですから、EL MUNDO紙のウェブページに飛んでみると、なかなかに興味深いながらも下世話な見出しが並んでいます。FCバルセロナとメッシの契約書に、次のような条項があると言うんですね。

カタルーニャ語を学ぶよう義務付ける、水上バイクに乗ってはいけない、多額の賭け事は禁止、監督の言うポジションでプレーすること、SNSでクラブ理事を批判してはいけない etc。全文を読みたかったのですが、1ユーロながら有料につき、この新聞に支払うのはシャクなので止めました。

The huge contract of Leo Messi that ruins Barcelona
The Argentinian Lionel Messi has a contract with FC Barcelona that amounts to 555,237,619 gross, to be paid in four seasons until its expiration next June 30. T...

そして日本のメディアでも取り上げられている、4年間でMAX 5億5,523万ユーロ(約666億円。労働契約と肖像権契約の変動部分も合わせた合計額)の超高額なバルサとの契約金について。同紙はこれを「バルセロナを破産させる巨額契約」と書いてますが、果たして本当にそうだろうかと反論するのが今日のバルセロナ系メディアです。

※バルセロナはメッシに科せられる所得税分を上乗せして支払っているので、手取り給与は半分ちょっとの3億ユーロほどになる。

多くを得るが、それ以上をバルサに与える存在

2021年2月2日のSPORT紙は、その表紙にて「メッシは3年間で2億3,561万ユーロの利益を生み出す」との大見出しをつけています。

同紙がバルセロナの専門家に取材をしたところ、2017年にメッシが契約を更新してからの3シーズン(今季は含まず)にバルサが得た収入のうち、6億1,926万ユーロはレオの存在があったからだ(収入の3割はメッシが生んでいる)との試算が出たとのことで。
たしかにクラブは彼に高い賃金をクラックに支払っているけれど、十分に元は取れていて、むしろレオが残留することがクラブの経営再建につながると結論付けているんですね。

メッシの“価格”は分かった。でももっと重要なのは彼の“価値”を知ることだろう、と。
EL MUNDOは表面だけ見てるんじゃねえぞと。

報じられたタイミングにも悪意を感じませんか。
白いマドリーが土曜日に敗れ、日曜日にバルサが勝てばラ・リーガでの順位がひっくり返る状況。それを妨害する目的があったとすれば完全に逆効果でしたけれど、せっかく笑顔を取り戻していたメッシがこの件をどう感じ、これからどうなるかが気がかりではあります。

しかしです。メッシはこんなに高い給与でけしからんとの感情をバルセロニズモに抱かせようとしたなら、それは失敗でした。もし週末のラ・リーガが満員のカンプノウで行われるなら、ファンはメッシコールで彼への支持を表明したでしょう。バルサを荒廃させたのはバルトメウ理事会だとクレは確信してますから。

バルトメウに情報漏洩の疑いがかけられたのは笑える。前会長は大急ぎで漏洩を否定)

メッシの価値(プライスレス)

メッシのいるバルサ”だからこそ商談を持ちかけてくるスポンサー企業は多いでしょう。
そして世界最高のプレーを毎週のようにしてゴールを決めるクラックがいるからこそ、バルサの価値も上がるのは当然のことです。名門クラブとスター選手が生み出す相乗効果。COVID-19の影響で無観客試合になる前は、聖地カンプノウに希代の存在メッシを観に行こうと多くのファンが訪れた。メッシのネーム入りバルサユニだから買う、というファンも多いですよね(アラウホを買っちゃうコアクレも尊いですがw)。

そんなメッシなので、彼の高額給与が問題ではなく、コストに見合った働きをしない高額補強選手であったり、価値以上に膨らみ上がってしまった選手たちの高額給与がクラブの経営を危なくしているというのがSPORTの見解です。同意。
クラブ収入の30%を生みだしてくれるクラックに、15%を給与として支払ってなにが問題かと。そもそもレオはラ・マシア育ちゆえ、獲得費用はなかったわけですよ。デビューからの総額で見れば、もっとリーズナブルなはず。

膨れ上がった選手給与

その他のチームメイトたちの給与上昇は・・・ どうなんでしょうね。他クラブとの兼ね合いもあるし、ピケセルヒオ、退団したけれどもラキティッチスアレスといった貢献者には見合う報酬が支払われるべきだと思うし・・・
ただし支出の半分強を人件費が占める現状が危険だってのはずっと言われていたことで、いかにメッシであろうとも(会長選挙に立候補していたエミリ・ルサウが言ったように)COVID-19禍で大幅な減収となった今では契約時の給与は持続不可能。
チーム自体が魅力的だったペップ黄金時代に比べて、現在の方がクラブ経営におけるレオ・メッシの重要性は上がっているので、彼がいなくなってしまう方が再建の道は厳しくなるというSPORTも、40%ほどの給与減額は必要になるだろうとしています。

リークする目的はなんだ

クラブと選手の契約内容という極秘情報がどこから EL MUNDO紙に漏れたのか。この契約書に通じることができる人物は限られています。契約書の作成に直接関わり、書類を保管しているバルサの法務部門とメッシ側の法律事務所。ラ・リーガにも全選手の契約書コピーが提出されているそうです。
この中で可能性が高そうなのは、今混乱しているクラブ内部でしょうか。ラジオ取材に応じたバルトメウの説明によると、「契約書にアクセスできるクラブの人間は4-5人」とのことです。

でもその場合、リークする目的はなんだろう。一番分かりやすいのはお金ですが、普通に違法行為なので犯人だとバレた後に失うものも大きい。「もしクラブの誰かなら、そいつはもうここでの将来はない」とクーマンが言ってましたが、どんな人物か興味があります。

EL MUNDO紙や、その背後にいる者の狙いはバルサとメッシを揺さぶり、クラックをバルサ退団へと導くことでしょう。メッシが傷つき、もしバルサを去るとして、一番利益を得るのは誰かという話です。シーズン終了後に去就を決めると言っているメッシ。今後も第二・第三の矢が続く恐れもあります。ジダンチームの凋落が続くようなら余計に。

 

コメント

  1. アメドリ より:

    > この新聞に支払うのはシャクなので止めました。

    グッときました。笑

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