ラ・リーガの優勝争いも、いよいよ大詰めで残るは3節
バルサの二冠達成にクーマンの去就が懸かっているような雰囲気で・・・
タイトルレースのゴールがもうすぐそこに見えていながら、競うチームがまるで先を譲り合っているかのような奇妙な終盤戦。そんなラ・リーガ2020/21も、あと3節で全ての決着がつきます。直接対決で不利な結果のバルサは、全部に勝ち、かつライバルたちの失敗を祈らなければならない。先陣を切る今宵のレバンテ戦は、勝つことで競争相手にプレッシャーを与えられます。アトレティコ戦から中2日とキツいですが、ふんばれ選手たち。ミステルの将来も懸かってるらしいぞ。
「私の将来を決められるのはラポルタ」
ラ・リーガ優勝争いとともに、バルサ界隈で関心を持たれているのがロナルド・クーマンの去就です。バルサとミステルとの契約期間はあと1年残されていて、別に「彼は続投しますよ」とのクラブ発表をする必要もないのですが、会長を始めとして幹部が誰も確約しないので未確定とみなされる。実際に未確定のようですけれど。
レバンテ戦の前日会見でも、クーマンに対しては将来を訊ねる質問が飛び、その返答がメディアの見出しを飾ることとなっています。
「会長は就任初日から私への信頼を示しているし、私としては気に病んではいないさ。私は2年間の監督契約でサインをしたので、来年も自分がここの監督だと思っている」
「もしそうでないなら、プレジが私と話をしに来るだろう。私の将来を決められるのは、ラポルタだけだ。しかし私たちはシーズン終了までは(この件で)話し合わないよ。今はその時ではないし、重要なのはラ・リーガであって私の去就ではないんだ」
ラポルタ理事会がウェンブリーの英雄の続投を決めかねているとするなら、その理由はなんでしょう。タイトル争いの直接対決や強豪チームに勝てないこと、バルトメウ理事会によって連れてこられた監督であること・・・ 前回(2003年夏)も彼はラドミル・アンティッチを解任してフランク・ライカーを連れてきてますしね。
クルイフ“顧問”亡き今、後任の人選は誰に相談するんでしょ。
次の3試合に将来が懸かっている感
たしかにビッグマッチでの勝率が低いクーマンチームですが、経済×スポーツ×組織のトリプルクライシスに陥っているややこしいクラブでチームを率いていることを考えれば、その仕事ぶりは上々です。
選手層の薄さゆえ、であっても若手やカンテラーノを抜てきする勇敢さ。3-5-2でそれなりに戦えるチームを作ったこと。
主力選手を固定しまくり、デ・ヨングに至っては出場時間がすでに4,328分という恐ろしい領域に行っていますが(マドリーの最多はカゼミロの3,692分)、バルサ選手のインテンシティが明らかに他チームよりも劣っていた過去シーズンのようなこともなく、過密日程に疲弊しながらもガス欠にならずに競えているのも評価すべき点じゃないでしょうか。
変な采配もしますけれど(小声)。
半年前の、まだ結果が伴っていない時には「今季は移行期なので仕方なし」と言われていたわけで、それがコパを獲り、絶望的だったラ・リーガでも優勝の芽が出てくるや「二冠が続投条件」みたいになるのはさすがに厳しかろうと思います。
アトレティコとマドリー相手の4試合で勝点を1つしか得られていないことが、バルサが彼らの後塵を拝している要因ではあります。しかしそれでもレースから脱落せずに、首位の尻尾に食らいついているのは評価できる。シメオネやジダンも失敗しまくりゆえの混戦であっても・・・
来季もクーマンで栄冠を手にできるかというと、メッシ残留で国内二冠ならなんとかなるんじゃないですかね。
直接対決でいえば、マドリー戦の最後にイライシュ・モリバの劇的ゴールが決まっていたり、アトレティコ戦の86分にデンベレのヘッド弾が不可解に外れたりしなければ、今頃はクーマンわっしょいだったでしょう。
それらが決まらなかったのはクーマンが“持っていない”監督なのか、あるいは恩師ヨハンのごとく最終節でひっくり返す星の下に生まれた人なのか・・・ これもあと12日ほどで判るので、楽しみに見物・応援ですね。
まずは今夜のレバンテ戦に勝つこと。しんどいところですが、ふんばっていきましょう。
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