2位以下との差がさらに開いたけれど、ただ前進あるのみと監督
少年漫画においては、「勝った!」と口走った敵キャラはたいてい逆転負けをしますが、2位アトレティコに勝点11、3位バレンシアに14の差を付けたバルセロナのリーガ優勝はほぼ決まったと見ていいでしょう。追っ手チームがこれから全勝+バルサが3敗でもまだ抜かれないわけですから。
しかし指揮官エルネスト・バルベルデにはいっさいの過信も気の緩みもありません。
0-5で圧勝したレアル・ベティス戦終了後、ラ・リーガのインタビューを受けたチングリは次のように語っています。
「退屈なリーガ?私たちにとってはそうじゃない。出来るかぎり多くの試合に勝つことが私たちの目標だし、私たちは勝点差に考えを巡らせたりはしないよ。後ろにいるチームは遠ざかってはいるけれど、まだ18試合が残されているわけで、私たちは前進を続けていく」
とはいえ彼のチームが栄光に向かって進んでいるのは間違いなく、その点に関しては「リーガが折り返しをすぎ、残り試合は減っていくので、私たちが勝つたびに少し大きな一歩となる」と認めるバルベルデさんです。
戦い続けること
バルセロナはこのベティス戦に、2位アトレティコがジローナと引き分け(ありがとう、ジローナ!)3位バレンシアがラス・パルマスに敗れたことを知って臨みました。
勝てばリーガにさらなる一撃を加えられる、折り返し初戦の第20節にして優勝争いをほぼ決定づけられると分かった上でのアンダルシア遠征。
ここでライバルたちにお付き合いをせず、きっちりと勝点3を積み上げられるところが、このバルベルデチームの強さです。「つまんない」とか、勝ってから言ってもらいたい。
2位以下に大差を付けたとはいえ、バルサの進路を阻む者はいなくなりはしません。
むしろ逆で、ベニート・ビジャマリンのベティスがそうだったように、どうにかしてバルセロナに一泡吹かせようと試みてくるでしょう。
事あるごとに選手たちが言うように、「勝利は誰もプレゼントしてくれない」
相手が意欲で上回れば、先週の国王杯エスパニョール戦のようにバルサとて負けます。
忍耐強さがもたらす結果
とはいえ、ここまでの彼らの勝ち方や、このベティス戦を見たかぎりでは、不安要素は少ないです。
前半に相手の勢いやバルサ対策に驚かされはしても、忍耐強く嵐をしのぎ、相手を読むことで最終的には勝ちきることができる。
慌てることなくじっくり対処をしていくことでフットボルは展開が変わるし、バルベルデならどうにかするという信頼感が、チームにもバルセロニズモにも築き上げられています。
たまには前半から一気に決めてしまう、なんて試合も気楽で歓迎なんですけれど、最近はもう前半に0-0でも心配はしなくなりました。
では再び、エルネスト・バルベルデの言葉を見てみましょう。
「ベティスはリスクを冒し、ハイプレッシャーを仕掛けてきたね。いつもと異なる3バックでプレーをしてきたので、序盤は苦しかったよ。試合が進むにつれて私たちは良くなっていったし、私たちは忍耐強かった。忍耐が結果を出したんだ」
セビジスタのイバン・ラキティッチが先制点を決めた場面の、ここぞという瞬間での速攻。
相手の守備網に隙が生じた瞬間を見逃さず、正確に突く。ルイス・スアレスのダイレクトパスは見事でした。
ラキティッチ「忍耐が必要だった。瞬間ごとに成長したい」
試合の流れを大きくバルサ側へと引き寄せる先制点の主、ラキティッチもまた試合終了後、
「ベティスのミスター(監督)のことは知っているし、彼らが前線から圧力をかけてボールを奪いにくることは分かっていたよ。忍耐をもち、その瞬間を待つことがすごく重要だったんだ。そして後半にその時は訪れ、僕らは最高の方法でそれを活かしたね」とコメントしています。
ベティスがマンマークを付けてきたので「解決策を見つける必要があり」「前半の途中ですでに話し合っていたんだ。コミュニケーションを取るのに、ハーフタイムまで待ちたくなかった」と明かしています。
そして曰く、「一試合ごと、瞬間ごとに良くなっていきたいんだ。もっと多くを、100%を目指して行かないといけない」「試合ごとに向上し、一緒に楽しまないとね。僕らはまだなにも成し遂げてない。もっとハードなことが僕らを待ってる」
プラチナに髪色を変えてインパクトを与えたラキティッチでしたが、もっと視線を引き付けられたのは彼の意欲に満ちた強い視線です。
メッシもそうですが、今の選手たちはフットボールを楽しんでいるのがひしひし伝わってくる。
忍耐強く、というバルベルデの教えもしっかり浸透しているようですし、試合ごとに成長したいとの気持ちがある彼らを、春にはよいご褒美が待ってることでしょう。
このニュースのまとめ
- ・2位アトレティコとの勝点差が「11」に広がる
- ・「勝点差に考えは巡らさない」とバルベルデ監督
- ・「試合ごとに良くなっていきたい」「もっと困難なことが待っている」とラキティッチ
- ・このバルサなら、問題を乗り越えていける
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