アトレティコとの最終決戦後、去ることを決めた。
先週末、SPORT紙とMUNDO DEPORTIVO紙がほぼ同時に、チャビ・エルナンデスの今夏でのバルサ退団は決定的であるとのニュースを流しました。それらの記事によりますと、バルサの頭脳が17年間に及んだトップチーム生活に終止符を打とうかと考え始めたのは4月の始め頃。アトレティコ・マドリーに敗れてチャンピオンズから敗退となり(4/9)、マドリーに敗れて国王杯を失った(4/16)ことにより、チャビはバルサにおける自らの将来に疑問を抱き始めたのだそうです。一つの時代の終わりを、身を持って感じていたのでありましょう。
迷いが確信に変わる
わずか1週間で2つのタイトルが消えたあの4月の戦いは、タタチームの限界及び、かつて頂点を極めたメンバーたちの明らかな斜陽を見る者に印象付けました。サイクルの終わりが叫ばれ、来季再び勝てるチームにするためには革新が必要との見解が有力に。実際にチーム内にいたチャビもまた自らが中心だったサイクルの終焉を実感していたでしょうし、来季作られるチームでの役割が二次的なものになると直観していたとして不思議はありません。ここから、チャビの熟考が始まります(SPORT紙)。
その彼の迷いに答えをもたらしたのが、リーガ優勝決定戦として臨んだアトレティコ・マドリーとの最終節でした。この大一番でタタさんはセスクとイニエスタによるインテリオールを選択し、チャビはベンチスタート。彼がようやくピッチに送り出されたのは77分のことで、戴冠を祝うアトレティコ選手たちを見ながら、カピタンはバルサを去る決意をしたとされています。クラブに失望したのではなく、新たに生まれ変わるチームの中でベンチ生活を送るよりは主役となれる場所に行くほうが好いし、自分がいることで変化の邪魔になるのも不本意だ、との結論のようです。
ムンディアル合宿前、クラブに意思を伝える
MD紙はこのアトレティコ・マドリー戦終了後の親しい知人たちとの夕食において、チャビはバルサ退団する決意を打ち明けたとしています。一方でSPORT紙は、バルサの6番が翌日にイビサ島へと1週間のミニバケーションに行っていることを取り上げ、そこでルイス・エンリケに決断を告げたと言います。ルーチョはリーガを失った2日後に新監督就任として発表されていますが、チャビは友人ルイス・エンリケへと祝福のメッセージを送った際、心は退団でもう固まっているとの旨を伝えたのだそうです。ルーチョはチャビに“キミを来季の戦力として計算している”、と慰留に努めたそうですが、彼の決意は揺るぎませんでした。
そしてチャビはムンディアル代表としてラ・ロハ合宿に旅立つ前日(25日)、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長、アンドニ・スビサレッタと面談し、退団の意思を明らかにします。カピタンの決意の強さを知ったクラブは慰留を断念。チャビの功績を尊重し、揉め事を起こすことなく平和に彼を送り出すことで合意した模様です。
その後、ムンディアルに集中していたチャビですが、スペインがオランダに大敗した翌日のカタール方面からのニュースで周辺がざわざわ。アル・サッドへ行くとのニュースが流れ始め、セスクのリークがあり、アル・アラビ監督による仮契約書へのサイン済み発言があり、代理人とクラブによる話し合いがあり、現在へと至っています。SPORT紙によると、チャビは20日(金)にクラブへと改めて決断を伝え、プレシーズン開始(7月14日)までに記者会見を開くのでその準備を、とお願いをしたそうです。
この話が事実かどうかは、チャビ本人(あるいはクラブ)による公式発表を待つしかないわけですが、伝えられるところではセントロカンピスタへのオファーにはカタールクラブ下部組織のテクニコになる、というものも含まれているらしく。英語を学びつつ、中期的な将来も考慮したカタール行きになるんじゃないか、とされています。
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