メッシ不在で違いを見せているゴレアドール。
サンチャゴ・ベルナベウにて念願だったバルサデビューを果たしたちょうど1年後の2015年10月25日。カンプノウにて行われたエイバル戦でルイス・スアレスはバルセロナで2度目のハットトリックを達成し、チームの逆転勝利に大きく貢献しました。この1年間におけるルイシートの適応と活躍ぶりは予想を大きく上回るもので、もはや彼のいないチームは考えられないほどに。ルイス・エンリケもエイバル戦後の会見で「スアレスはチームの基本となる選手で、替えが効かない」と絶賛しています。負傷者が連続し、グループとしてのフットボルが固まらない現在、個人の力で局面を打開するしかないわけですが、二股のトリデンテはよくやってくれています。
最も効率よくネットを揺らすストライカー
いまやバルセロニスタの揺るぎないアイドルとなったルイス・スアレスですから、この27日のカタルーニャ・スポーツ紙(SPORT、MUNDO DEPORTIVO)は揃って彼を大きく取り上げています。SPORTはスアレスとネイマールがレオ・メッシ不在のチームを良く守っていると称え、スアレスは“リーガ最高のゴレアドール”と見出し。今季の彼の効率性は他チームのデランテロたちを上回っており、“より少ないシュート数で多くのゴールを決めている”と説明しています。それによるとスアレスはシュート4.5本につき1ゴールで(21.8%)、9.5本打って1点のクリスティアノ(10.5%)の2倍だそうです(2位は4.8本のネイマール。3位は5.5本のノリート)。
また、スアレスは枠内シュート率も優れていて、32本のシュートのうち56.2%(18本)が枠内に飛んでいる一方、マドリーの色男は67本のうち“わずか”43.2%(29本)だけ!よって我らの9番の勝利!というところです。実際、メッシ不在の今は自分がネットを揺らすんだというルイス・スアレスの意気込みを感じますし、そのシュートの切れ味には毎度驚かされます。ネイマールがスアレスを信頼し、アシスト役に励むのも分かる。もっと何年も前から彼をバルサで見たかったと今では心から思いますし、獲得を批判してゴメンねと何度でも言いましょう。
チームメイトたちからのメッセージ@記念ボール
一方、MD紙はルイス・スアレスへの取材記事がメイン。トレーニング終了後にシウター・エスポルティーバのグラウンドで取材を行ってますので、より面白みのある内容となっています(SPORTも数日前にインタビューを掲載している)。フィーチャーされているのは、エイバル戦でハットトリックを決めた記念として自宅に持ち帰ったボール。バルサ入団後2つめとなるこの記念ボールには、お決まりとしてチームメイトたちの祝福メッセージが記されておりまして、それがなかなかに面白いです。
MD紙によると、この取材を始めるにあたって、記者さんがスアレスにボールを見せてもらえるかどうかを訊ねてみたようです。するとルイシートは「車に乗せてあるから、使いたいなら使っていいよ」と快諾。そこに書かれたチームメイトたちからのメッセージが明らかになっています。エイバル戦でスアレスを2アシストしたネイマールのメッセージはこうです。「親友ゴルド!僕にハンバーガー1つの借りだぞ!おめでとうクラック。オレたちでもっと行こうぜ」
ゴルド(gordo)は太った、とかずんぐりした、の意味で、ロッカールーム内でのスアレスの愛称だとか。エイバル戦をスタンド観戦し、試合終了後にはトリデンテ3ショット写真でポーズを取っていたレオ・メッシもまた彼のことをそう呼んでいます。そのレオが記して曰く、「親友ゴルド!おめでとう。すごく嬉しいし、これからも決め続けてね」。その他、ブスケツもまた「偉大なゴルド。キミはサイコウだね。さらにたくさん決めよう」と書いているようです。
なるほど、これは嬉しいですし一生の思い出となります。でも一番嬉しいメッセージは、愛娘デルフィナちゃんによる、「DELFINA はーと」かもしれませんね^^
メッシ不在で勝っていることが重要
MD紙によるルイス・スアレスのコメントを幾つかピックアップ。
■エイバル戦のパフォーマンス:「ゴールには満足してるよ。レオがいない中で勝利の手助けができたからね。レオは僕らの一番重要な選手だし、彼なしで勝つのは、僕らにとってすごく重要なことなんだ」
■メッシの状態:「レオは元気だよ。回復を続けていて、チームが勝ち続けていることを喜んでる」
■心に残るゴール:「カンプノウでレアル・マドリーに決めた決勝ゴールと、PSG戦、マンチェスター・シティ戦のゴールだね。そしてなにより、チャンピオンズ決勝のゴール。あの日チャンピオンズ制覇の夢が叶ったから」
■一番厄介なデフェンサ:「僕が対戦したなかでは、セルヒオ・ラモスが一番ハードだった。彼はすごく強いし、経験が豊富で、とても競争力のあるフットボル選手だ。だから僕は、カンプノウでマドリー相手に決めたゴールをとても評価してるよ」
■肺がんと診断されたクライフ:「僕はアヤックスでプレーをしていたので、アヤックスファンにとって彼がどういう存在なのかを知っている。バルサにとって彼が意味するものもね。だから彼が病気を乗り越えられるよう、ここから彼に励ましの言葉を送るよ」(※スアレスは#ANIMO JOHANと記されたクライフの写真を持ってポーズ)
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