バルサ歴代3番目の得点数(198)を誇るゴレアドールが、クラブを去る
メッシの最強ペアとしてゴールを決め続けた、クラブ史上最高の9番
2020年9月23日(水)、ルイス・スアレスのアトレティコ・マドリー移籍が公式発表されました。6年間のカンプノウ生活でクラブ史にその名を極太文字で刻んだゴレアドールが、ついにバルサを去る。クラブ歴代3位となる198ゴールを決めた、真に偉大な9番でした。それにしても寂しいな。
“ベテラン放出作戦” 完了
今回のルイス・スアレスのアトレティコ・デ・マドリー移籍は、彼の要望が優先された形となりました。
マドリークラブからバルセロナに対する固定額の移籍金は発生せず、あちらさんが設定された目標を達成した場合のみ、最高で600万ユーロ(安!)が支払われる。
アトレティコがラ・リーガやチャンピオンズで一定の成績を収めることが、変動額支払いの発生条件です。
スアレスとアトレティコが望んだ自由移籍と、バルサがこだわった「無料ではない」移籍を両立させたら、この合意内容となったと。
マーケット情報を専門的に扱うサイト transmarkt によると、今でも市場価格が2,800万ユーロあるスアレスなので、実質的な自由移籍は破格の大サービスといえます。
完全に足元を見られましたな。
バルトメウ会長のコメントやらクーマンによる招集外やらでスアレスたちを巡るバルサの事情はみんなに知られていますし、移籍金支払いに「NO」を言われ続けられると折れざるを得ません。
まあいずれにせよ、ロナルド・クーマンが高給ベテラーノたちに戦力外通知の電話を掛けたと報じられた8月24日から1ヶ月を経て、すったもんだあった放出オペレーションは完了となりました。
ルイス・スアレスのお別れムービー。この冒頭のとこ、めんどくさそうな表情ですが撮り下ろし?
バルサ史上、最高の9番
ルイス・スアレスのバルサ入団は、議論に満ちていました。
2014年夏のムンディアル(W杯)のイタリア戦でジョルジオ・キエッリーニに対して有名な“噛みつき事件”を起こし、FIFAから4ヶ月にも及ぶ選手活動の停止処分を言い渡されたルイシート。試合出場はおろか、トレーニングに加わることも許されない厳しさでした。
そんな選手を、当時のクラブ史上最高額となる8,100万ユーロを支払って獲得することに多くのクレは反対しましたし、自分も彼の人間性を疑ったことを、改めて謝りたく思います。あの時はごめん、スアレス。
FIFAの制裁が解け、バルサでの初出場は2014年10月25日のベルナベウクラシコ(3-1負け)。この時はまだ起用法の最適解が見つからず、右サイドで窮屈そうにプレーをしていました。無得点は6試合続きます(バルサ初得点は11月25日のチャンピオンズ・APOEL戦)。
状況が変わったのは、レオ・メッシを右に置く最適解を見つけ出してからです。以後は中央にスアレス、左にネイマールを配置したトリデンテの破壊力に火が付き、あらゆるライバルたちをなぎ倒しての三冠獲得。
MSNトリデンテは2014/15シーズンが122得点、2015/16シーズンが131ゴール、最後の2016/17シーズンが111ゴールですからね・・・ 間違いなくフットボール史上に残る最強トリオです。
スアレスが97アシストを決めていることが、3人の誰でも決められる恐ろしさを表しています。
そしてスアレスは2015/16シーズンにはラ・リーガで40得点を記録し、欧州得点王を獲得(公式戦合計では圧巻の59得点)。
その後もネットを揺らし続け、公式戦283試合にて198ゴールを決めた9番。これはレオ・メッシ(634)、セサル・ロドリゲス(232)に次ぐ、バルサで3番目に多い得点記録です(クバラは4つ抜いた)。もうあの理不尽なゴールをバルサで見られないのかと思うと、寂しくてならない・・・
彼の3本の指に順にキスをするゴールパフォーマンス、披露する機会もないのに練習したことを告白いたします。
メッシとの関係性
あと忘れてならないのは、大エース・メッシとの抜群の相性の良さです。
得点をアシストし合うピッチ内だけでなく、ピッチ外でも大親友。遠征時はずっと一緒。自宅が近所で、家族ぐるみのお付き合い。子どもたちの学校も一緒。揃ってお迎えに行く。散歩にも行く。夏のバケーションではイビサ島やフォルメンテラ島へ合同旅行。マテ茶仲間。エトセトラ。
2016年あたりは メッシとスアレスの仲が良すぎて、ネイマールが嫉妬するんじゃないか・・・みたいなネタも出ていました。こんなに仲良しの2トップなんて他に存在するんでしょうか。フットボール観、人生観が合い、目標意識の高さでお互い抜群に刺激し合っていたのでしょう。次の動画のように^^
いつだったか、怪我で傷心したメッシが、スアレスの運転する車に乗って笑顔でトレーニング場に来た時の映像を見たときは、心底スアレスの存在に感謝したのを覚えています。
そしてこの移籍を巡る騒音の中でも仕事へのコミットメントは怠らず、昨日まできっちりとチームトレーニングに参加し続けたのも称えなければなりません。
昨日はそれがバルサで最後のセッションになると知っていたわけですし、どんな気持ちで汗を流したのでしょうか。トレーニングを終えてチームメイトたちに別れを告げ、6年間通った練習場から出るときは、目に涙が浮かんでいたとメディアが報じています。
バルトメウ理事会による戦力外通知の仕方は最低でしたが、紆余曲折の末に良さそうな移籍先が見つかったことや、お別れイベントによって表門から送り出せるのは良かった。スアレス本人はカンプノウのファンの前でお別れがしたかったようですが・・・ それはこの先にもチャンスがあるかもしれないのでね。
偉大なゴレアドールが去る。寂しくなります。
コメント
たしかスアレスがリバポーに行く時にもバルサ獲得の噂があり、その時からバルサに合いそうだなって思ってたので、噛みつき事件あったけどなんとか獲得し、試合出るまでえらい時間かかり、初っぱなの試合を楽しみに見たら、え?こんなに違和感なく入れるのか?って衝撃で、興奮していた事を懐かしく思います。
ここ2年くらい膝が、、、とか言い訳すんなよとか、ちょっと太ったんじゃないかと文句も垂れてしまいましたが、貴方は間違いなくバルサの屈指のストライカーでレジェンドです。
本当にありがとう!
バルセロナ?が故郷の奥さん、家族もあるしスペインに残れて良かったのかなと、せめても思います。
必ず盛大にカンプノウでは迎えて欲しいですし、バルサ相手にゴール決めたらスタンディングオベーション、引退するときはカンプノウでセレモニーを!!
バタバタと放出が決まってしまい、やりきれない気持ちでしたが、退団会見をみて恨みごとひとつ言わずに去っていく姿に思わずもらい泣きしてしまいました。
悪童といわれて入団したものの、行動と実力でチームへの貢献を示してくれました。
メッシらチームメイトにも送り出してもらったようでファンにも嫌な思いを残さず去ってくれて本当に感謝。
ユニフォームが変わってもまたカンプ・ノウで見られることを楽しみにします!
Buena suerte!
バルサの歴史となる選手がまた去ってしまいました。 私も獲得時には移籍金額もあってネガティブな印象でしたが、それに見合って上回る程の活躍でした。
そんな選手が来シーズンからアトレティコのユニを着て相手チームにいるのを観るのは嫌ですね。(フットボール的にも)
どうしようもないこととは言え、スタジアムにファンを集めることができない状況で退団イベントが行えなかったのは悔やまれますね。