ベラッティのプランBではなく、こういう選手を探していたと。
この2日間ほど、SPORT紙の表紙を大きく飾っているのが中国リーグ広州恒大に所属するブラジル代表、パウリーニョ(28)です。同紙によると、バルサは今日 広州に対し、2度目にして決定的なオファーを出すのだとか。広州はすでに、契約解除金の半分に当たる2,000万ユーロの第一弾オファーを断っており、ならばと今度は2,500万ユーロ+成績による変動額200万ユーロのオファーを、最終提案として提出するのだそうです。これがバルサの考える、今月29歳を迎えるブラジル代表に適当な額と・・・。
MSNを補完するバランサー
欧州での実績のない、もうすぐ三十路の選手にはどうにも明るい未来を描けず、広州さんには無理をして主力選手を放出してもらわなくて良いと考えてしまいますゆえ、パウリーニョ獲得を巡るバルサの戦略をSPORT紙に説明されても興味が湧きません。引っかかったのは、パウリーニョはベラッティがダメな場合のプランBではなく、なんなら両方獲得するつもりでバルサは動いているという記述です。
SPORTによると、バルサがパウリーニョに関心を示したのはベラッティ作戦が頓挫したことによるヤケクソ、ならびにそれに準ずるものではありません。どちらか一人、ではなく、出来れば両方。ロベルト・フェルナンデスは数ヶ月前からこのパウリーニョのような選手を探し求め、ついに必要と考える選手が獲れるのだと同紙はいいます。
ではロベルト・フェルナンデスがどんな性質のセントロカンピスタを探していたのか。パウリーニョが入ることによるメリットや影響は以下のようになります。
- ■鬼プレスを仕掛ける体力、セカンドボール奪取力:ボールが行ったり来たりする展開で持ち味を発揮する。トリデンテを守備で補い、チームに酸素を供給。バランサー。
- ■速いトランジションを狙うなら、より活きるだろう:パウリーニョは飛び出しが得意で空中戦も強い。昨季のルーチョバルサに適合するはず。閉じてくる相手には苦しむだろう。
- ■ブラジル人選手は、セレソンで成果を残せるのであれば、プレーする場所の競争力は気にしない。
- ■ポリバレントで戦術的に柔軟:インテリオールもメディオセントロも可能で、なんなら4-2-3-1でブスケツのペアを務めることも可能。
- ■バルサでの役割を知っている:汗かき役をいとわず、ネイマールのような選手は彼の加入を前向きに評価している。
- ■彼が加入することでスカッドの中盤は人員過剰となり、ラフィーニャ、デニス、アレニャあたりの出場は難しくなるだろう。
惜しみないハイプレッシングによって怪物トリデンテを守備面でフォローしてくれる選手とのことです。汚れ役・汗かき役もいとわずに行うバランス取りならラキティッチやラフィーニャがそれにあたり、アンドレ・ゴメスもこなせそうに思うのですが、それでも2,500万ユーロを投じてベテランを加える値打ちはあるのか。
そしてポゼッションを優先するフットボルをクレが見たいと思っているのに、行ったり来たりのフットボルで本領を発揮とか、その煽りを受けて若手選手たちの出番が減るとか。ごめんなさい、やはり納得できません。
このタイミングでの発表はマズい
一方で、FCバルセロナがパウリーニョとの契約にストップをかけたと逆の見解を示すのがMUNDO DEPORTIVO(MD)です。同紙によると、そのストップの要因はダニ・セバージョスです。
バルサのセクレタリオ・テクニコはパウリーニョを良い補強になると評価し、選手自身もバルセロナとの契約に非常に前向きなのですが、若くて活きの良いダニ・セバージョスをレアル・マドリーに持っていかれてことで、理事会はこのタイミングでパウリーニョ獲得を発表することはできない、と考えたのだとか。
そりゃあそうでしょう。あちらはスペインU-21代表の期待株に1,750万ユーロ、こちらはセレソンとはいえ欧州の実績なく今月29歳になる選手に2,500万+出来高200万ユーロですから・・・。かといって1週間先送りにしたところで、この残念なオペレーションへの印象が変わるわけでもなく。小細工せずにやっちゃえばいいんじゃないですかね。
コメント
エンリケ時代のバルサはポゼッションに拘らないスタイルでしたから、
その方向性でヴェラッティなどの守備に長けた選手獲得を目指しているのでしょうね。
実際、去年まではフィジカルの強い選手が優先的に獲得されましたし。
もちろん、原点回帰のポゼッション率向上によって守備機会を減らすことこそが解決策ですが、
それでもカウンターを食らってしまったら今の守備では厳しいでしょう。
昨シーズンみたいに無得点が5試合も、なんて結果にだけはならないようにして欲しいです。