バルサの事務所は神経質になっている様子
泣いても笑っても、この9月1日でスペインの移籍マーケットが閉まります。最終日となってもこれだけ騒がしい前例はちょっとすぐには思い出せず、その状況を今の背広組たちで乗り切れるのかといえば不安しかない。いやむしろ、ここまでがダメだったからこその現状だと思えば納得いくのですが。
お粗末なオペレーション展開
この夏のバルサの補強活動は失敗の連続でした。ベラッティでPSGと揉め、ネイマールを引き抜かれ(転換点)、巨額の資金と選手の反乱によってデンベレは獲れたものの、優先ポジションとされたセントロカンピスタ(MF)では軸足が定まらず。バルサLOVEのセリには心の傷を負わせてしまいました。くわえて、放出オペレーションが非常にお粗末。ムニールなんて背番号が与えられないままに行き先もなしです。
SPORT紙によると、移籍交渉を担当するペップ・セグラ、ラウール・サンジェイ、アルベルト・ソレールあたりはもう昨日は夜までクラブのオフィスで仕事、だそうです。夜までっていつまでよ、とツッコミたくもなりますが、今日はマーケットが閉じる23時59分まで、鳴らぬFAXをにらみ続けるのでしょうか。
同紙曰く、昨日は何度かクラブ事務所から大声(怒鳴り声?)が漏れてきたとの職員情報もあるそうです。苛立ちは相当に高まっていそうですが、もし怒っているのがセグラなら、あなたに問題があるのではと言いたくもなります。
そして補強とは直接関係ないですが、理事会の決定に影響を及ぼしそうな要素が、この9月1日にアグスティ・ベネディトが始めようとしている不信任動議です。もしコウチーニョなりレマルなり、未来を感じさせる選手を獲得できなければ、明日2日のスポーツ各紙はベネディトが目立つことになりかねない。それは避けたい、という思惑はあるでしょう。誰か獲りたい。しかし獲ることを目的として獲るのなら、失敗を認めて撤収する方が支持を受けるでしょう。
そもそも・・・
そもそも論として、2016/17シーズンがコパ優勝のみで終わった際、チームの補強目標はどのポジションだったのかと思い出す必要があります。まずそれはゲームを作れるセントロカンピスタであり、右ラテラルであり、資金が残されているならデランテロ、みたいな感じだったはずです。
それに従ってネルソン・セメドを獲得し、ジェラール・デウロフェウを呼び戻したところまではまだ筋が通っている。しかしマルコ・ベラッティに失敗し、突然パウリーニョが登場してきたあたりから話はおかしくなっていきます。
退団するはずがない、と思っていたネイマールを引き抜かれた後はもう状況はコントロール不能に。2億2,200万ユーロあればデンベレもコウチーニョも獲れるんじゃ?という考えは甘く、狂乱マーケットに沈没した感覚です。固執するコウチーニョは、固執していたベラッティとは別タイプですし、船頭は何人いるのかとどうしても疑います。
放出オペレーションにしても、若手に1年で見切りを付けるのはさすがに早すぎるでしょう。白組でいえば、モドリッチもイスコもコバチッチもベンゼマも、入団当時は叩かれていたと記憶します。バルサは去年、22歳の若者たちに投資をしたのに、何人もがもう放出するべしと言われている。アンドレ・ゴメスには是非、覚醒してほしいと願います。
それにしても今夏は、手を出してはいけない相手、PSGをベラッティの件で刺激しすぎたのが失敗の始まりでした(とほほ)。
コメント
コウチーニョは「来夏に賭ける」という名目で早いうちに見送っておくべきだったと思いますが、ここまで固執したのはやはりネイマールへの意趣返しだったのでしょうか。
フロントが最後にオファーを出した相手はよりによってディ・マリア・・・
どうもイニエスタの代役となる即戦力クラスの左IHを一貫して求めていたようですが、
獲得が比較的容易な他の候補者には目もくれず敵意のあるクラブに自分からいびられに行って時間を浪費するとか本当に清々しいまでの恥晒しです。
もともと期待はしていませんでしたし、スーペルクラシコでの完敗がなかったらまだ笑って見ていられたのでしょうけどね・・・
クラブの危機にことごとく無能ぶりを晒し挙句バルサに泥を塗ったフロントにはさっさと退陣してもらいましょう。彼らがいることでバルサの評判はますます下がってしまいます。
それにしても、デンベレを獲得出来たからまだ良かったものの、その間にタイトルも威光も信用も何もかも失い、まだ開幕直後だというのに正直疲れ果てましたよ。
リーガではレアルをリードしていますが、ネイマールの離脱といい監督交代でリセットされた成熟度といい、チームは昨シーズン終盤と比べても明らかに弱体化しているので、今年はビッグマッチは怖くて観戦する気になれません。
下手すれば今季はレアルの黄金期を指をくわえて見守る羽目になりますし、バルベルデ監督のプレッシャーを思うと本当に気の毒です(本来ならマネジメントに期待すべきところなのでしょうが)。